Mahjan talk 雀話

    (151)超珍奇牌


 ココ超財宝牌の話をしたが、今回は超珍奇牌の話。
 名古屋に瓦町(かわらまち)という所がある。瓦町のすぐ東には女子大小路なんてところも(昔、その一角に女子大があったのでそう呼ばれるが、いまは存在しない)。ようするにこの辺りは名古屋の飲み屋街の一つ。30年ほど前、その瓦町の某居酒屋に通っていた。当時、50才くらいのママが1人でやっていた。そのママを目当てに....じゃなくてニンニクの唐揚げ食べたさに通ってた。

 もともと友人がときどき顔をだしていた。「オレが顔をだしてる店に呑みにゆこう」というので同行したらメニューにニンニクの唐揚げがあった。これはσ(-_-)の大好物なので、σ(-_-)の方が足繁く通い出した。

 最初にその店に行ったとき、友人がママに「浅見は麻雀の先生なんだ」って紹介した。当時、σ(-_-)は麻雀スクールのティチャーをやっていた。そこで「麻雀の先生」だったのには違いないが、知らない人が聞いたら、麻雀プロと誤解するかも。そこでなんちゅう紹介をすると思った。

 だいぶん経ってから判ったことだが、そこのママさんが大の麻雀好き。そこで友人もそんな紹介をしたらしい。と云ってもσ(-_-)はニンニクの唐揚げを食べたい一心で通っていただけ。そこで麻雀の話はほとんどしなかった。

 それでもいろいろ雑談する中で、たまには麻雀の話が出る。それでママさんが台湾生まれで、戦後 親と帰国したこと。台湾では結構 麻雀をやっっていたことなどを知った。σ(-_-)も「先生と云っても、麻雀スクールで初心者に教えているだけ」とか、「麻雀をやるのも嫌いじゃないけど、それより古い麻雀本や骨董牌を集めたりするのが好き」などと云うことを話していた。

 そんなある日、ママから「古い牌をいろいろ集めているそうだけど、どんな珍しい牌を持っているのか」と聞かれた。そいで手持ちの骨董牌の話をいくつかすると、「あら、大したモノはないのね

 返事のしようがなのので、うつむいてうじうじしていると
わたし、もっとすごい牌を見たことあるわ
へえ、どんなの?
日本へはおじさん一家も一緒に帰ってきた。そのおじさんが持ち帰った牌
「ふん ふん」
見た目は少し大振りの骨牌。でも牌の横をグッと押すと、スライドして上下二つに分かれる
ほう....
するとそこに48手の絵が描いてある
ほ〜う(゚0゚)

 カラーで144枚全部がそうなっていたそうだ。それでぜひ見せて貰いたいと云ったが、「それはおじさんのもので、名古屋には住んでいない(たしか大阪住まいとか)。自分が見たのは帰国して間がない頃だから、今も持っているかどうか判らない」という話だった。

 そこで「おじさんとは連絡がつくのか」と聞いたら、「ずっと会っていないけど、その気になれば連絡はつく」という。そこで「ぜひ連絡を取ってみてほしい。まだ所有していたら、ぜひ拝見したい」と熱心に頼んだ。そしたら「うん、いいわよ」という返事。

 そんなことがあって数日後、また顔を出した。もちろん数日しか経っていないので、まだ連絡がついていないのは承知の上。例によって雑談していると、とつぜん「浅見さん、中国語できるの?」と聞かれた。

とてもとても....麻雀単語を知っているくらいさ」と返事すると、「じゃあ“きゅうれんぽうとう”って中国語で何と云うか知ってる?

 質問の意図がはっきりしなかったので、“チューリェンパオトン”と格好つけるんじゃなくて、あっさりと「チューレンポートンでしょ」と返事した。するといきなり「ちがうっ、それは中国語じゃない!
はぁ?....
中国語では“チューリェンパオトン”と発音するの!
・・・・

 そりゃあ20才くらいまで台湾で育っただけあって、σ(-_-)が“チューリェンパオトン”と発音していたとしてもダンチの差。しかしなんだか不意打ちをくらったみたいで釈然としなかった。そこでその日は早々に切り上げた。そしてそのまま足が遠のいてしまった....そんなわけで、絵が描いてあるのか彫ってあるのかなどを含め、その牌の詳しいことも判らずじまい。

 ママの話だけなので何とも言えないが、こんな牌が実在するなら間違いなく超珍奇牌。誰かこんな牌のことを聞いている人がいたら、ぜひ教えてちゃぶだい。

 

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