(150)倭文子さん
|
麻雀が登場する日本最初の小説は、菊池 寛の「第二の接吻」(T14・文藝春秋)。倭文子、京子、村井、宮田という4人の男女が、四角関係のあげく心中事件を起こすという物語。
この二人の女性のうちの「倭文子」さん。読み進むうちに「しづこ」と読むことがわかったが、最初はぜんぜん分からなかった。
菊池 寛が適当に字を組み合わせて「しづこ」と読ませたとも思えない。そこで「倭文子=しづこ」という読みがあるんだろうとは思った。しかしσ(-_-)は初見だったので、強く印象に残った。じっさいそれ以後
今日まで、こんな名前の女性を見聞きしたことはない。
今年(H17)の10月14日、北海道の弟子屈町というところで自動車の転落事故があった。当然
ケガ人が出たが、そのうちの1人がなんと「倭文子」という名の女性だった。振り仮名がなかったので確証はないが、やはり「しづこ」と発音するんだろう。
(ふ〜ん、こういう名前の女性が実在するんだ)と、25年ぶりくらいに納得した。しかしこの女性の年齢を見ると89才、大正5年の生まれ。「第二の接吻」が大正14年出版。その時代では、よくある名前だったのかもしれない。
|
江場 投稿日:2005/10/19(Wed)
倭文と書いて「しず」という古代の布があるため、「倭文子」でしずこと読む名前が付けられたようですね。
|
あさみ 投稿日:2005/10/19(Wed)
なーるほろ。
思いついて検索してみましたら、各地にその名を冠した神社(倭文(しどり)神社)があるという由緒ある日本語のようでした。
http://www.silk.pref.kyoto.jp/fukei/tango1.html
解説に
>地名や神社では‘しどり’と読むことが多いのですが、織物では‘しづり’とか‘しとり’
‘しづ’などと読みます。倭文とは志豆利(しづり)であり、志豆(しづ)は筋(すじ)の意味を持っています。
とありました。そしてこの倭文織(しずおり)が変化して“しとり”、そして“しどり”となったらしいということでした。いや、思わぬところで日本語の勉強ができました。(^-^)/
|