Mahjan talk 雀話

    (149)人生いろいろ 勝敗いろいろ


 今年の野口恭一郎賞棋士部門、決勝戦には古川亜矢、鈴木豪顕、田中太陽、千貫陽祐の4名が残った。決勝戦は、全10回戦のトータル プラマイで争われ、古川pがトータル+70.8で優勝した。他は3人ともトータルマイナスなので、いわば古川p圧勝という形。

       

 この成績表を見ていて、面白いことに気が付いた。トップ数を見ると、優勝した古川pが2回、以下 鈴木p 2回、田中p 2回、千貫p 4回である。

 純麻雀では、トップ数が成績の基本
 そこで仮に この対戦が純麻雀評価で行われたとしたら、トータル プラマイ式ではラス位となった千貫pが、逆に勝率4割の圧勝となった。他の3人は同勝率であるが、順位をつけるとすれば順位率の差で2位 古川p、3位 田中p、4位 鈴木pとなる。

 またこの対戦では、9回戦が終わった段階で トップ目の古川pと2位目との差は76.4点という大差があったという。これは最終戦で2位めがミラクル大トップを取らなければ逆転できない。そこで実質的には、9戦めまでほとんど勝負は決まっていたといって良い。

 しかし9戦めが終わった段階で千貫pはトップ3回、他の3人は2回。そこで評価が純麻雀式であった場合、他の3人の誰かがトップを取れば千貫pと同勝率となった。すると順位率の差で、最終戦のトップ者が優勝者になるという大接戦。

 101という評価法がある。101はトップを評価するという点では純麻雀と同じであるが、ラスを引くとその回数だけトップが帳消しになる。その評価法にしたがうと、古川pは+2、田中pは−2、鈴木p千貫pは+-0となり、優勝は古川pで4位は田中pとなる。

 また中麻のように順位点のみを評価する方式もある。この場合、ラスゼロ古川pの優勝は動かないものの 2位以下の順位には変動が生じる。

 もちろん評価法が異なれば、戦い方も異なる。戦い方が異なれば、結果も異なってくる。それは当然として、このように多種多様な勝敗評価法が存在するのは、競技麻雀もまだまだ未成熟な段階ということか....

 

以前へ  以降へ  目次へ