Mahjan talk 雀話

    (134)フーフー


 栄の話で書いたけど、もともと中国麻雀では出アガリツモアガリと同じに3人払いであった。どうせおんなじ3人払いなら、アガリの用語は1つでいい。そこでアガリは和了(フーラ or フーリャオ)とか、麻雀(マーチャン)と発声していた。

 しかし麻雀(マーチャン)ではゲームの名前そのもの。和了(フーラ)も中国人が発音すると、フィラッ!という感じで迫力がある。しかし日本人が発音すると、ふ〜ら〜という感じでまことに頼りない。(^-^;

 そこでツモアガリツモでいいとして、出アガリについては(ロン)という表現が誕生した。日本麻雀では出アガリツモアガリでは、支払い方法が1人払いと3人払いという違いがあるのでまことに都合がいい。そこで日本ではアガリ用語としてツモロンが定着した。

 ところが日本で一番古い麻雀団体である日本麻雀連盟(日雀)では、「アガリの用語は一つあればいい」というので、アガリの用語はロンだけを用いている。

 20代の頃、σ(-_-)も日雀で打っていた。最初の頃、相手がツモしたあとにロンッ!と発声すると、(誰が放銃したの?、オレじゃないよね....)と云う感じでいつもドキッとした。そのうちに慣れてはしまったが、それでもなんとなく疑問を感じていた。

 たしかにゲームはロン1本でも支障はない。しかし雀譜で表現するとき、すべてロン表記では分かりにくい。ツモアガリなのにロンと表記してあると、よく内容を見ないと1人払いと錯覚しやすい。そこで日雀の雀譜で、ツモアガリ栄和(自摸和)と注記してあるのを見たことがある。

 注記が必要ということは、やはり出アガリツモアガリでは、別の表現があった方が便利ということ。そこで注記を見たとき、(それならあえて一つにまとめずに、最初から“ツモ、ロン”としておけばいいのに)と思った。

 あちこちで中国麻将大会が行われるようになった。中国麻将大会ではツモアガリ出アガリも、アガリの呼称はすべて和(フー)に統一されている。そこで大会では、あちこちでフーフーという声が聞こえる。

 中国公式ルールは中国古典麻雀の流れで出アガリでも3人の支払いが発生する。ツモアガリはもちろん3人払い。となればアガリ表明はフー一つで間に合うと云えば間に合う。しかし常に3人払いと云っても、ツモアガリ出アガリでは3人の支払い額が大きく異なる。そこでに雀譜に記録したときは、ツモアガリ出アガリの区別がはっきりしていた方がいい。

 最近行われた中国麻将の雀譜が雑誌に掲載されていた。見ると、あるアガリに「フー(ツモ)」と注記してあった。それを見たとき、むかし日雀の雀譜を見たときの記憶がフーッとよみがえってきた....(-_-;

※中麻では出アガリは点和という。そこでアガリの呼称はフー1本でも、文章では「自摸和、点和」と区別表記することもある。

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