資料として麻雀関連のいろいろな品々を収集している。現在はネットオークションもあって、大変便利になったが、むかしは実に大変だった。古書や麻雀牌など、ヒマを見つけては足を棒にして歩き回っていた。
そんな頃の話。
むかし日中交流のため、中国人留学生の身元保証人を何人も引き受けていた。初期のうちは、1人で複数の保証人になることが出来た。また保証人の年収についても、何の制約もなかった。そこで一度に複数の保証人を引き受けていた。
しかし保証人となると、書類に名前を書くだけではすまない。来日したときは日本語もなかなか通じないし、住むところもない。そこで大学近くのアパートを探したり(そっちでも保証人になる)、学校への手続きに同行したり、アルバイト先を探したり、けっこう目に見えないところに金と時間がかかる。
ところが留学・就学希望者が多くなるにしたがい、1人で1人しか保証人になることができなくなった。また年収○○万円以上というような制約も出来た。要は、中国人留学生の増加を抑えるための改訂と思われる。しょうがないのであちこちの知人に頼み、保証人になってもらった。みんな快く、引き受けてくれた。
#この前のサッカー試合、自国を応援するのはいいが、ついでに国を挙げての日本人排斥運動などを見ると、あの頃、やってきたのは一体なんだったんだろうと....
そんな頃、留学生の1人が帰国することになった。そこでふと思いついた。(そうだ、彼に協力してもらおう)。そこで帰国間際に落ち合い、「中国へ帰ったら、古牌の収集に協力してくれ」と頼んだ。
すると、「予算はどれ位でしょうか」と聞く。
そのころ日本では牛骨古牌で良いモノで5万円くらい。象牙で10万円くらいだった(不思議なことに、現在とあまり値が変わらない)。
現在、日本の大卒初任給が20万円くらい。中国の都市部では3万円くらい(か?)。20年くらい前はどれくらいだったかハッキリしないが、たぶん日本が15万円、中国が2万円くらい(?)。そこで麻雀牌も、牛骨なら日本円で1万円、象牙なら2万円くらいかと思った。
しかし骨董品ともなると値段があってないようなもの。そこで思い切って、「品物にも寄るけど、牛骨製の良いモノなら5万円くらい。象牙なら10万円くらいまで出す。見つけたら写真を送ってくれ。それを見て判断する」と答えた。これでもσ(-_-)としては、チョー奮発したつもり。
彼が帰国してして、しばらくすると電話があった。そして云うことには
「浅見先生、いろいろ骨董店を当たってみましたが、あの値段ではムリです」
「へえ?、いったいどれくらいするんだ?」と聞き返すと、
「牛骨なら日本円で15万円くらい。象牙なら30万円くらいだそうです」
「・・・・」
そいで
「店へ行ったとき、“日本人が古い牌を探している”とかなんとか話したの?」と聞くと、
「ハイ、もちろん。だって、自分では手が出るモノではありませんし」
「 (-_-) 」
なにせ中国の骨董店は、相手が日本人だと相場の10倍や20倍くらいの値段は平気で云う。そして日本人は言い値で買う(ウチのオヤジも、どう見ても日本価格で数千円の掛け軸を40万円で買ってきた....オヤジは「重文級の掛け軸だ」と喜んで飾っていたが、いま押入れの隅に放り込んである)。
別に彼に責任はないけれど、そんなに何も知らないのではしょうがない。そこで「そうか。しかしその値段ではσ(-_-)でも手が出ない。まぁ、諦めることにしよう」と返事して、その話は打ち切りにした。
その彼も、いまじゃ上海の某商社のエリートサラリーマン。(^-^)
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