My battle 七聴八闘

        
(22)国士無双その3


 国士無双でもう一つ思い出した。学生時代、雀話「なまぬる餃子」でも書いた、洗足池のM山の下宿での麻雀での出来事。
 ある局、対面の橋場(仮名...)が、こんな捨て牌で3巡目に北を切って立直をかけてきた。立直牌は南だったかも知れないが、まぁそれは大した問題ではない(って、忘れただけだ....(-_-) )。三索六索北

 そのときのσ(-_-)の手牌や捨て牌はまったく覚えていない。ただ橋場の立直がかかたとき、“早い立直だな”とは思ったが、“俺もこんないい手なのに”とは思った記憶がない。そこで大した手でなかった事はたしかだ。

 そのとき上家で親のM山は西九筒發というような捨て牌だったが、ちょっと考えて現物の六索を切ってきた。 一巡して橋場の番になったとき、橋場がなにか不要牌をツモ切りしながら、「おい、この待ちが分かるかぁっ」と云ったので、反射的に「9索っ!」と叫んだ。すると橋場が「なんで分かるんようっ!」と叫び返した。(笑)

 「なんで分かるんようっ」たって、そんなもの分かるわけがない。しかし捨て牌が三索六索北と最初から中張牌の切り出しで、おまけに早い立直。そこで七対子かなと思っていた。そこへわざわざ「分かるかぁ」と聞くから、ひょっとして九索単騎かと思っただけだ。

 しかしいかに「なんで分かるんようっ」と叫び返されても、半信半疑だった。だってそのころの麻雀は、「安いから打ってくれ〜」と云われて、安心して危険牌を打つと満貫にドンッ!。「安いって云ったじゃないか」と抗議しても、「倍満より安い!」という返答がまかり通ような麻雀だったからだ。

 で、それからさらに2巡して橋場もツモらず、M山の番となった。σ(-_-)は橋場と「ああでもない」、「こうでもない」とくっちゃべっていた(なにしゃべっていたか忘れた)。するとM山がツモ牌を右端においたまま、「・・・った、・・・った」と、何かブツブツ云ってる。

 「どしたんだ?、早く切れよ」と声を掛けると、今度はもう少しはっきりした声で「ツモった、ツモった」と繰り返した。
 「なんだ、ツモったのか。それじゃあサッサと手を開けろよ」と云うと、「うん」という雰囲気で手を倒した。見ると嵌六索のツモのみの手(ほかのメンツは覚えていないが、二索三索四索五索七索という感じでもう一メンツ索子があって、初心者には分かりにくい感じだった)。

 それで「なんだ、お前、六索の振り聴かぁ」と驚いていると、橋場が「おい!、俺がどんな手か分かってるのかぁ!」と叫んで手を倒した。見るとなんとまぁ、国士無双の九索待ち。

東南西北白發發中一萬九萬一筒九筒一索

 橋場は真っ赤になってなにか喚いていたが、こっちは笑って笑って腹がいたくなった。(笑)

 実はこのエピソードを思い出したのには、最近似たような状況の話を聞いたからだ。そっちは国士無双とは関係ないが、状況がよく似ている。

 あるところである女性がこんな捨て牌で立直をかけたという。

東白八索南二索九筒二索八索四索(字牌はあいまい)

 で、八索を一発でツモ! 開けられた手牌は、なんと二索五索八索の三門張。ツモった牌はラス牌の八索

三索四索五索六索七索七索八索九索三筒四筒五筒八筒八筒

 このエピソードを話してくれた人も、「これにはシビレました」と云っていた。そりゃそうだろうなぁ....(^ー^;

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