これは、戦前「雀鬼」と謳われた沼崎雀歩(ぬまさきじゃんぽ)氏の考察法。
弟子筋にあたる天野大三氏が、のちに頭文字をとってN式と命名したもの。
K式やA式が聴牌までの有効度が対象であるのに対し、
N式ではアガリ牌の枚数まで計算に入れるのが特徴。
すなわちA式では残存有効牌数=摸率であったが、N式では、
これにアガリ牌数を乗じて、その積を摸率とする。碰
率は、その積に7/4を乗じる。
たとえばかの有名な「二五八は何を切る」という形。該当書ではこれを例にとって、N式の考え方を説明してある。
を切った場合
聴牌有効牌 |
. |
碰
率 |
三万 |
4(残存有効牌数)X4(和牌数)=16(摸率) |
. |
四万 |
4(残存有効牌数)X8=32(摸率) |
. |
五万 |
3(残存有効牌数)X4=12(摸率) |
. |
六万 |
4(残存有効牌数)X8=32(摸率) |
. |
七万 |
4(残存有効牌数)X8=32(摸率) |
. |
八万 |
3(残存有効牌数)X4==12(摸率) |
. |
九万 |
4(残存有効牌数)X4=16(摸率) |
. |
1索 |
2(残存有効牌数)X3=6(摸率) |
6X(7/4)=10.5 |
計8種 |
158 |
10.5 |
∴158+10.5=168.5(牌価値)
を切った場合
聴牌有効牌 |
. |
碰率 |
一万 |
4(残存有効牌数)X4(和牌数)=16(摸率) |
. |
二万 |
4(残存有効牌数)X3(和牌数)=12(摸率) |
. |
三万 |
4(残存有効牌数)X8(和牌数)=32(摸率) |
. |
四万 |
4(残存有効牌数)X4=16(摸率) |
. |
六万 |
4(残存有効牌数)X4=16(摸率) |
. |
七万 |
4(残存有効牌数)X8=32(摸率) |
. |
八万 |
33(残存有効牌数)X4==12(摸率) |
. |
九万 |
4(残存有効牌数)X4=16(摸率) |
. |
1索 |
2(残存有効牌数)X3=6(摸率) |
6X(7/4)=10.5 |
計9種 |
158 |
10.5 |
∴158+10.5=168.5(牌価値)
K式では単に聴牌有効牌数を対象にするだけ。そこで搭子になる可能牌が多い切りの方が効率が良いと出る。しかしN式 and
A式では等価値と出る。そこで天野氏は「二五八、何を切っても等価値」と論じている(「麻雀の定跡(天野大三/日東書院)S37/1」)。
K式では切りの方が効率が良く、N式 and A式では等価値ということになるのであれば、“では、どうせ切るなら”と云う結論になりそうだ。
しかし云うまでもなく順搭率(両面率)では or 切りの方が効率がいい(壁石No.5 二五八は何を切る)。
そこで大先輩には申し訳ないが、σ(-_-)はやっぱりを切る。。。。
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