ココで百万石の話をしたが、九十九(つくも)は、の百万石の流れで考案された役 。つまり九十九も日本産。ひょっとしたら、百万石をアガったつもりだったたのに1少なかった。そこで、「これも役満にしよう」なんてことになったのか。
ただ百万石は清一の合計数が百以上になっていればよいが、九十九は、ぴったり99になっていなければならない。その点で百万石より少し難しいかも。ただし役名に「万」という字が入っていないので、牌種は万子に限定されていない。
一例
そして九十九の混一バージョンが白寿。これは白入り混一色で、数牌の合計数が99ぴったりのもの。 は雀頭でも刻子でも良いし、牌種の制約もない。
白寿とは九十九歳の尊名。なぜかといえば、99は100マイナス1。そこで百という字から一を除去すると白になる。(゚0゚)
実は中国にも同様の役がある。昔、ある中国人(というか台湾人というか)から、「中国に“白眉(はくび)”という役がある」と聞いた。それがこの九十九とまったくおんなじ。しかしまったくおんなじでも、ちと異なる(なんちゅう日本語だ....(^-^; )。
九十九はどんな組み合わせであっても合計数が99になっていればいい。しかし白眉は形が限られている。それは9が雀頭で、8と1が槓子であることの二つ。この条件がつくと、残りのメンツは自動的に7の暗刻と6の槓子になる。
ではこの形がなんで白眉なのか。
実は白眉は三国志の時代の、蜀(しょく)の名将、馬良(ばりょう)の尊称。
馬氏は5人兄弟であったが、全員、劉備(りゅうび)に仕えた。この5兄弟、みんな字(あざな)に「常」という字を使っていたが、長男の馬良の字(あざな)は季常(きじょう)。となれば馬良のことは、季常様と呼ばなければならない(幼名の「良」と呼べるのは、馬良の親か学問・武芸などの師匠だけ)。
ところがたまたま馬良の眉(まゆ)に白い毛が混(ま)じっていた。そして5人とも優秀だったが、馬良は特に優れていた。そこで世間では「馬氏五常(ばしごじょう)、白眉、もっとも良し」と称(たた)えた。そこで現在でも、特に優れたもののことを、白眉と称する。
#σ(-_-)だって、眉毛に白い毛が....もっとも頭も白いのが多い....(-_-)
※白眉は蜀のために大きな功績をあげたが、夷陵(いりょう)で呉(ご)の大軍と闘い、戦死した。
それではこの形がどうして白眉なのか。
中国では、数にはそれぞれ意味がある。そして九は最高の数。そこで九は漢数字で「久(または玖)」と書く。これは永久、あるいは無限大を表す。
むかし英国がアヘン戦争で中国(清(シン))をさんざんやっつけて、むりやり香港を99年間租借する契約を押しつけた。この99年間は漢字で久久年間と書く。ようするに建て前は99年間の無料借地だが「永久に借りた。返すつもりはない」という意味。
そのときは中国も、「へえ、分かりますた」というより仕方がない。しかし実際に99年経ってみたら、中国は英国と同じ国連の常任理事国。おまけに核ミサイルも持っている。これじゃあ、返すより仕方がない。
てな余談はさておいて、掛け算でも九九81が最高の数。そこで9二枚(雀頭)に、81を表す8と1が槓子というわけ。残りのメンツは自動的に7の暗刻と6の槓子になるので、白眉は自動的に次の組み合わせとなる。
英名 ザ ベスト
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