Hands 和了役

    (51)九十九 ・ 白寿・白眉



 ココ百万石の話をしたが、九十九(つくも)は、の百万石の流れで考案された役 。つまり九十九も日本産。ひょっとしたら、百万石をアガったつもりだったたのに少なかった。そこで、「これも役満にしよう」なんてことになったのか。

 ただ百万石は清一の合計数が百以上になっていればよいが、九十九は、ぴったり99になっていなければならない。その点で百万石より少し難しいかも。ただし役名に「」という字が入っていないので、牌種は万子に限定されていない。

  一例
  二筒二筒七筒七筒七筒 九筒九筒九筒九筒 六筒六筒六筒 裏向き五筒五筒裏向き

 そして九十九の混一バージョンが白寿。これは白入り混一色で、数牌の合計数が99ぴったりのもの。白 は雀頭でも刻子でも良いし、牌種の制約もない。

 五筒五筒白白白八筒八筒八筒七筒七筒七筒 九筒九筒九筒九筒

 白寿とは九十九歳の尊名。なぜかといえば、99は100マイナス1。そこでという字から一を除去するとになる。(゚0゚)

 実は中国にも同様の役がある。昔、ある中国人(というか台湾人というか)から、「中国に“白眉(はくび)という役がある」と聞いた。それがこの九十九とまったくおんなじ。しかしまったくおんなじでも、ちと異なる(なんちゅう日本語だ....(^-^; )

 九十九どんな組み合わせであっても合計数が99になっていればいい。しかし白眉は形が限られている。それはが雀頭で、8と1が槓子であることの二つ。この条件がつくと、残りのメンツは自動的に7の暗刻と6の槓子になる。

 ではこの形がなんで白眉なのか。
 実は白眉は三国志の時代の、(しょく)の名将、馬良(ばりょう)の尊称。

 馬氏は5人兄弟であったが、全員、劉備(りゅうび)に仕えた。この5兄弟、みんな字(あざなに「」という字を使っていたが、長男の馬良(あざな)季常(きじょう)。となれば馬良のことは、季常様と呼ばなければならない(幼名の「」と呼べるのは、馬良の親か学問・武芸などの師匠だけ)

 ところがたまたま馬良(まゆ)に白い毛が混(ま)じっていた。そして5人とも優秀だったが、馬良は特に優れていた。そこで世間では「馬氏五常(ばしごじょう)、白眉、もっとも良し」と称(たた)えた。そこで現在でも、特に優れたもののことを、白眉と称する。
#σ(-_-)だって、眉毛に白い毛が....もっとも頭も白いのが多い....(-_-)

白眉は蜀のために大きな功績をあげたが、夷陵(いりょう)で呉(ご)の大軍と闘い、戦死した。

 それではこの形がどうして白眉なのか。
 中国では、数にはそれぞれ意味がある。そして九は最高の数。そこでは漢数字で「(または)」と書く。これは永久、あるいは無限大を表す。

 むかし英国がアヘン戦争で中国((シン))をさんざんやっつけて、むりやり香港を99年間租借する契約を押しつけた。この99年間は漢字で久久年間と書く。ようするに建て前は99年間の無料借地だが「永久に借りた。返すつもりはない」という意味。

 そのときは中国も、「へえ、分かりますた」というより仕方がない。しかし実際に99年経ってみたら、中国は英国と同じ国連の常任理事国。おまけに核ミサイルも持っている。これじゃあ、返すより仕方がない。

 てな余談はさておいて、掛け算でも九九81が最高の数。そこで9二枚(雀頭)に、81を表す8と1が槓子というわけ。残りのメンツは自動的に7の暗刻と6の槓子になるので、白眉は自動的に次の組み合わせとなる。

  九筒九筒 裏向き八筒八筒裏向き 七筒七筒七筒 一筒一筒一筒一筒 六筒六筒六筒六筒

英名 ザ ベスト

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