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 解体工事業とは?

 平成12年に 「建設工事に係わる資材の再資源化等に関する法律」 が制定されました。(建設リサイクル法)

この建設リサイクル法では、次の4品目を特定建設資材として指定し、これらについて分別解体等および再資源化等が義務づけられ、再生資源の有効活用と廃棄物の適正な処理を実践していくことになりました。
  1. コンクリート
  2. コンクリートおよび鉄から成る建設資材
  3. 木材
  4. アスファルト ・ コンクリート

 この法律により、従来は建設業の許可が不要であった軽微な工事のみを請け負う業者も、解体工事を請け負う場合には、解体工事業を営む者として登録を受けなければならなくなりました。

登録を受けないで解体工事業を営業した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられますので注意してください。

なお、建設業許可のうち、「土木工事業」 「建築工事業」 「とび・土工工事業」 を取得済みであれば、解体工事業の登録を受ける必要はありません。


 ここで、解体工事の登録と建設業許可の関係について考察します。建設業の許可では、軽微でない工事を行おうとする業種ごとに許可を取らなければなりません。

解体工事も建設工事ですから、例えば解体工事のみを請け負う場合でも500万以上の解体工事(建築一式工事に関しては1,500万以上)を請け負う場合には、「土木工事業」 「建築工事業」 「とび・土工工事業」 の解体工事についてそれぞれ建設業の許可が必要ということになります。

逆をいうと、500万未満の解体工事(建築一式工事に関しては1,500万未満)を請け負う場合には、解体工事業の登録を受けておくことで、「土木工事業」 「建築工事業」 「とび・土工工事業」 の3種類の全てを請け負うことができることになります。



 解体工事業はどうやったら登録できるのか?

 解体工事業の登録を受けるためには、技術管理者を選び、解体工事を管轄する都道府県知事ごとに登録を申請しなければなりません。

建設業の許可が、2県以上に営業所がまたがっていた場合でも大臣許可を取ることで1つの許可ですんだのに対し、例えば、X県に営業所を持つ解体工事業者が、X県とY県で解体工事を行う場合は、X県とY県の両県の知事の登録を受けなければなりません。


 解体工事業の登録を受けるためには、次の事項に該当していないことが必要です。
  1. 解体工事業の登録を取り消された日から、2年を経過していない
  2. 解体工事業の業務停止を命ぜられ、その停止期間が経過していない
  3. 解体工事業の登録を取り消された法人で、その処分の日の前30日以内に役員であり、かつその処分日から2年を経過していない
  4. 建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過していない
  5. 解体工事業が法人の場合で、役員の中に上記1〜4に該当する者がいる
  6. 解体工事業が未成年で法定代理人を立てている場合、その法定代理人が上記1〜4に該当する
  7. 技術管理者を選定していない
また、登録申請書に虚偽の記載をしたり、重要な事実の記載が隠匿されていた場合でも登録を受けられません。


 技術管理者は、凡そ次のいずれかの資格ないし実務経験が必要とされます。

  1. 1、2級建設機械施工技師 (2級は第1種、2種のみ)
  2. 1、2級土木施工管理技師 (2級は土木に限る)
  3. 1、2級建築施工管理技師 (2級は建築又は躯体のみ)
  4. 1、2級建築士
  5. 1、2級とび・とび工の技能検定合格者 (2級は合格後1年以上の実務経験)
  6. 技術士 (建設部門)
  7. 大卒、または高専卒で土木工学等を履修し、解体工事に関し2年以上の実務経験 (講習を受講すると1年に短縮)
  8. 高卒で土木工学等を履修し、解体工事に関し4年以上の実務経験 (講習を受講すると3年に短縮)
  9. 解体工事に関し8年以上の実務経験 (講習を受講すると7年に短縮)
  10. 国土交通大臣が指定する試験に合格


 登録の手続は、種々の書類を作成し、各都道府県の申請窓口に提出します。(登録手数料は33,000円かかります。)

都道府県はその記載内容を審査し、登録に問題がない場合には申請者を解体工事業者登録簿に記載します。
(この解体工事業者登録簿は一般に閲覧可能にされます)

そして、登録完了の通知と共に、解体工事業者と共に営業を開始することができます。



 解体工事業を登録したあとはどうなるのか?

 解体工事業の登録の有効期間は5年間です。5年ごとに登録を更新(手数料は26,000円)しなければ登録は無効となってしまいます。登録の更新は満了の30日前までに申請しなければなりませんので、注意が必要です。


 また、登録事項に変更があった場合には、その日から30日以内に都道府県知事に届け出なければなりません。
  • 商号・名称・氏名および住所
  • 営業所の名称および所在地
  • 法人の場合で役員の新任
  • 未成年者の場合の法定代理人
  • 技術管理者


 解体工事業者は、営業所および解体工事現場の全てに標識を掲示しなければなりません。

また、請け負った解体工事について1件ごとに帳簿を作成し、営業所に備え付けておかねばなりません。その際、帳簿には解体工事の請負契約書あるいはその写しを添付する必要があります。



 解体工事業の登録で知っておきたいこと

 解体工事で発生した産廃物を、排出事業者から委託を受けて収集運搬する場合には産業廃棄物収集運搬業の許可が必要となります。取得しておきましょう。


 罰則については以下が規定されています。十分に注意しましょう。

  1. 登録を受けないで解体工事業を営業 (1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
  2. 不正の手段により登録を受け、または登録を更新した ( 〃 )
  3. 事業の停止命令に違反して営業をした ( 〃 )
  4. 登録事項の変更の届出をしなかった (30万円以下の罰金)
  5. 登録事項の変更の届出の際、虚偽の届出を行った ( 〃 )
  6. 取り消し等で登録の効力を失った場合で、施工中の発注者にその旨を通知しなかった (20万円以下の罰金)
  7. 技術管理者を選任しなかった ( 〃 )
  8. 廃業の届出をしなかった (10万円以下の過料)
  9. 標識を掲示しなかった ( 〃 )
  10. 帳簿の不備、記載漏れ、虚偽記載、または保存しなかった ( 〃 )

※ 罰金以上の刑を受けた場合には、解体工事業者の登録が取り消されます。

 分別解体等の実施

 特定建設資材を用いた解体工事で以下の一定規模以上の場合は、発注者あるいは自主施工者は工事取得の7日前までに都道府県知事に届け出なければなりません。

  • 建築物に係わる解体工事で、床面積が80u以上
  • 建築物に係わる新築工事等(修繕のみを行うものを除く)で、床面積が500u以上
  • 土木工作物に係わる建設工事で、施行金額が500万以上

また、対象建設工事の発注者から直接請け負おうとする場合は、発注者に対して最低限次の事項を書面で説明しなければなりません
  • 解体工事である場合、その構造
  • 新築工事等である場合、使用する特定建設資材の種類
  • 工事着手の時期および工程の概要
  • 分別解体等の計画
  • 解体工事である場合、解体する建築物等に用いられている建設資材の量の見込み


 発注者への報告

 対象建設工事の元請業者は、当該建設工事に係わる特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときは、その旨を発注者に書面で報告しなければなりません。

完了の確認については、廃棄物の処理を業者に委託した場合は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を管理することで確認できます。



弊事務所では、解体工事業の解体工事業の会社設立、登録、更新、変更届に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代行します。


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