産業廃棄物収集運搬業許可

 建設工事では避けられない、建設廃材などの産業廃棄物を排出事業者(施主・元請など)から委託されて収集運搬するには、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

ただし、再生利用する産廃を処理する場合には許可は不要となり、具体的には次の場合が該当します。
  1. 再生利用することが確実な場合
  2. くず鉄、空きビン類など再生利用を目的とするものの場合
  3. 排出事業者が自ら処理する場合

 収集運搬業の許可は 「保管積替え」 を行う場合と 「収集運搬」 のみがあり、また処理する産廃により 「産業廃棄物収集運搬業」 と 「特定産業廃棄物収集運搬業」 の種類があります。

「特定産業廃棄物収集運搬業」 とは、健康・環境に被害を及ぼす毒性、感染性を持つ産廃を扱う場合(例えば、廃石綿:アスベスト)になどが該当し、許可要件も厳しくなります。

許可の種類は、

 □ 新規許可 ・・・ 現有処理業以外の種類の許可(特定)を取得する場合も該当します。
 □ 更新許可 ・・・ 許可の有効期限は5年です。
              引き続き営業する場合には期限満了の30日前までに申請を要します。
 □ 変更許可 ・・・ 同一処理業の範囲内で扱う産廃の種類を増やす、積替え保管を新たに行うなど。

となりますが、所在地、役員、車両などに変更を生じた場合には、変更届出が必要です。

 産業廃棄物収集運搬業を行おうとする場合には、
  1. 事業の施設、申請者の能力が一定の基準を満たしていること
  2. 欠格要件に該当しないこと
が要件となり、「申請者の能力」 については、「厚生労働大臣が指定する講習会」を修了しておく必要があります。

要件が満たされるようであれば、数々の申請書類、添付書類を作成し、主たる事務所を管轄する保健所に提出しますが、申請に係わる手数料は、新規の産廃収集運搬で81,000円、更新で73,000円となります。
なお、審査における標準期間は60日となるようです。

 産業廃棄物収集運搬業では、特に次の罰則(産業廃棄物処理法)に注意しておくことが必要です。

  1. 廃棄物の不法投棄 (5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金)
  2. マニュフェストの交付、記載、保存義務に違反 (50万円以下の罰金)
  3. マニュフェストに虚偽の記載 ( 〃 )
  4. 虚偽のマニュフェストを交付 ( 〃 )
  5. 基準に適合しない廃棄物を処理し、その工程でマニュフェストに係わる義務違反が行われた (その支障の除去等にかかわる措置命令)

 元請業者から収集運搬を委託された下請け・孫請け業者は処理業者として許可が必要となります。特に、解体工事業、下水道工事業などの業者は建設業許可と産業廃棄物収集運搬業の双方の許可を取得しておく必要があります。

弊事務所では、産廃収集運搬業の会社設立、許可・更新・変更に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代理して行います。



 浄化槽工事業者登録

 水洗トイレなどの浄化槽工事、浄化槽清掃を営業するものは、「浄化槽工事業者登録」「浄化槽清掃業者許可」 を受けなければなりません。また、浄化槽保守点検業務を受託するには、「浄化槽保守点検業者登録」 が必要となります。

ただし、建設業許可の、「土木」、「建築」、「管工事」のいずれかを取得している場合には、許可取得後、開始届け(特例浄化槽工事業者の届出)を行えば浄化槽工事業者となりますが、浄化槽整備士を各営業所ごとに常勤かつ専任で設置しなければなりません。

 浄化槽工事業者の登録要件は、
  1. 欠格要件に該当しないこと
  2. 営業所ごとに浄化槽設備士がいること
となり、都道府県知事に届け出ます。
登録に関する手数料は、新規33,000円、更新26,000円となります。

登録の有効期限は5年で、引き続き浄化槽工事業を営もうとする場合には期限満了の30日前までに更新登録の申請をしておく必要があります。

また、次の事項に変更があつたときは、変更の日から30日以内に都道府県知事に届け出る必要があります。

  1. 氏名、名称、住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  2. 営業所の名称及び所在地
  3. 役員の氏名 (法人)
  4. 浄化槽設備士の氏名、及び浄化槽設備士免状の交付番号
 浄化槽工事業の登録業者が「土木工事業」、「建築工事業」もしくは「管工事業」のいずれかの建設業許可を取得した場合には、その登録の効力を失うこととなります。この場合には、速やかに「特例浄化槽工事業者」の届出を行わなければなりません。

 浄化槽清掃業者の許可要件は、
  1. その事業の用に供する施設及び清掃業許可申請者の能力が、環境省令で定める技術上の基準に適合するものであること
  2. 欠格要件に該当しないこと
となり、市町村長の許可を受けます。

また、申請書及び添付書類の記載事項に変更があつたときは、変更の日から30日以内に市町村長に届け出る必要があります。

 浄化槽保守点検業者の登録要件は、

  1. 条例で定めた欠格要件に該当しないこと
  2. 営業所ごとに浄化槽設備士がいること
となり、都道府県知事、又は市町に届け出ます。

登録の有効期限は条例で定められており、引き続き浄化槽保守点検業を営もうとする場合には期限満了の30日前までに更新登録の申請をしておく必要があります。

弊事務所では、浄化槽工事業の会社設立、登録・更新・変更に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代理して行います。



 電気工事業登録

 電気工事を自ら施行する場合には、電気工事業の登録を受けなければなりません。つまり、電気工事を請け負い、電気工事業者である下請けに施行させる分には建設業の許可だけでよいのですが、自ら施行する場合には電気工事業登録(届出)が必要となります。

 電気工事業の登録は、建設業の許可の有無や電気工事の種類により異なってきます。

建設業の許可が無い場合
登録電気工事業者 工事の種類、一般用電気工作物のみの工事、または一般用電気工作物及び自家用電気工作物の工事を行う場合。

都道府県知事に申請して登録を受けます。
通知電気工事業者 工事の種類、自家用電気工作物のみの工事を行う場合。
都道府県知事に、営業開始を通知します。

建設業の許可がある場合
みなし登録電気工事業者 工事の種類、一般用電気工作物のみの工事、または一般用電気工作物及び自家用電気工作物の工事を行う場合。

都道府県知事に届出を行います。
みなし通知電気工事業者 工事の種類、自家用電気工作物のみの工事を行う場合。

都道府県知事に営業開始を通知します。

 電気工事業の登録は都道府県知事に対して行いますが、営業所が2県以上にまたがる場合には経済産業大臣登録となります。

登録の有効期間は5年で、引き続いて営業を行う場合には更新の手続が必要です。
登録手数料は22,000円となります。(知事)

 電気工事業登録では、電気工事士がいることが要件となります。

 □ 第1種電気工事士 ・・・ 第2種に加えて、自家用電気工作物の工事
 □ 第2種電気工事士 ・・・ 一般工作物(600V以下の家屋・商店、50Kw未満の小工場)

また、特殊電気工事従事者認定証の交付を受けた第1種電気工事士は、ネオン・非常用予備発電装置等、特殊電気工事を施工することができます。

 電気工事登録業者が建設業許可を取得すると、「みなし業者」となりますので新たに電気工事業開始届出を行わなければなりませんので注意が必要です。
また、建設業許可の更新をした場合にも、許可申請書の写し、許可通知書などを添付して電気工事業の変更届出を提出する必要があります。

 電気工事業者に対しては次の義務が定められています。

義 務 概 要
 主任電気工事士の設置 一般用電気工作物に関する電気工事を行う営業所ごとに、主任電気工事士をおかなければならない
 無資格者の従事禁止 電気工事を行うために必要な資格のない者を、電気工事の作業に従事させては成らない
 電気工事業者でない者への請負の禁止 電気工事を、電気工事業者でない者へ請け負わせてはならない
 
 電気用品の使用の制限 電気用品取締法において定められている所定の表示が附されていない電気用品を使用してはならない
 器具の備え付け 営業所ごとに、絶縁抵抗計など所定の器具(※1)を備えなければならない
 標識の掲示  営業所及び電気工事施工場所ごとに、所定の事項を記載した標識を掲示しなければならない
 帳簿の備え付け 営業所ごとに、所定の事項(※2)を記載した帳簿を備えなければならない
 
 ※1 備え付け器具
 □ その営業所が、一般用電気工作物のみに関する電気工事を行う場合
  1. 絶縁抵抗計
  2. 設地抵抗計
  3. 回路計
 □ その営業所が、一般用電気工作物及び自家用電気工作物に関する電気工事を行う場合
  上記1〜3に加えて、4.高圧検電器 5.低圧検電器 6.継電器試験装置
  7.絶縁耐力試験装置(ただし、6及び7については借用で足ります。)
 
 ※2 帳簿の記載事項
  帳簿に記載しなければならない事項は次のとおりで、保存期間は5年間です。
  1. 注文者の氏名又は名称及び住所
  2. 電気工事の種類及び施工場所
  3. 施工年月日
  4. 主任電気工事士等及び作業者の氏名
  5. 配線図
  6. 検査結果

弊事務所では、電気工事業の会社設立、登録・更新・変更に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代理して行います。



 測量業登録

 測量業を行うには、個人、法人、元請、下請に関わらず国土交通大臣に登録しなければなりません。

測量業とは、「基本測量」、「公共測量」又は「基本測量及び公共測量以外の測量」を請け負う営業をいいます。

登録要件は、申請する営業所ごとに1名以上の測量士が常勤でいることが必要となります。

登録の有効期間は5年で、満了の日の30日前までに更新登録の申請を行わなければなりません。
登録免許税は90,000円です。

 登録後は資本金や役員などに変更があった場合、届出が必要となります。また、毎期の決算後に財務諸表や業務経歴書などの報告書の提出が義務付けられています。

弊事務所では、測量業の会社設立、登録・更新・変更に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代理して行います。



 建築士事務所登録

 建築の設計・工事の監理を行うには建築士事務所登録を受けていなければなりません。

登録は都道府県知事にい、同じ都道府県内に2つ以上の事務所がある場合でも、その事務所ごとに登録を受けなければなりません。

 登録の要件は社内に建築士がいることです。その建築士の資格により、1級建築士事務所登録、2級建築士事務所登録、木造建築士事務所登録に分かれます。

なおこの登録区分により、設計などができる建築物の構造・規模が違ってきます。

また、常勤・専任の管理建築士(その建築事務所の業務に関する技術的事項を総括し、開設者に対し技術的観点から必要な意見を述べる者)を置かねばなりません。

登録手数料は、一級建築士事務所 15,000円、二級・木造建築士事務所 10,000円です。

 登録の有効期限は5年です。更新登録を行う場合は期限満了日の30日前までに申請が必要となります。

また、名称、所在地、管理建築士、開設者などに変更があった場合は、所定の期限内に届出をしなければなりません。

弊事務所では、建築士事務所の会社設立、登録・更新・変更に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代理して行います。



 建物管理業登録

 建物清掃、ガスなどの測定、飲料水水質検査、貯水槽清掃、動物防除などの業務を受託する業者は、一定の要件を満たしている場合に登録することができます。

ただし、登録を受けた業者は登録表示ができるということであり、建物管理業の営業は、登録の有無に関わらず自由に行うことができます。

建設業付帯事業として、経営多角化目的で事業展開する場合などに進出したい分野です。

 登録業種は次の6区分があります。
  1. 建築物清掃業
  2. 建築物空気環境測定業
  3. 建築物飲料水水質検査業
  4. 建築物飲料水貯水槽清掃業
  5. 建築物ねずみ昆虫等防除業
  6. 建築物環境衛生一般管理業

弊事務所では、建物管理業所の会社設立、登録・更新・変更に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代理して行います。



 建設コンサルタント登録

 主に土木(建築コンサルタントは含まない。)に関する20の登録部門の全部又は一部について建設コンサルタントを営む者が、一定の要件を満たした場合に、国土交通省大臣の登録がうけられます。

ただし、建設コンサルタントの営業は、登録の有無に関わらず自由に行うことができます。

建設業付帯事業として、経営多角化目的で事業展開する場合などに進出したい分野です。

 登録の要件は次のとおりです。
  • 登録を受けようとする登録部門ごとに、常勤・専任の技術管理者を置くこと
  • 財産的基礎又は金銭的信用を有する者であること (法人の場合は資本金が500万円以上かつ自己資本が1,000万円以上、個人の場合は自己資本が1,000万円以上)

登録の有効期限は5年間です。引き続き登録を受けようとするときは、有効期間満了の日の90日前から30日前までに登録の更新の申請を提出しなければなりません。

登録された者は、変更届、毎業年度終了後に現況報告書・変更届等の書類を提出する義務があります。

弊事務所では、建設コンサルタントの会社設立、登録・更新・変更に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代理して行います。



 地質調査業者登録

 土木建築に関する工事に必要な地質又は土質について調査等を行う地質調査業を営む者が、一定の要件を満たした場合に、国土交通大臣の登録が受けらます。

ただし、地質調査業の営業は、登録の有無に関わらず自由に行うことができます。

建設業付帯事業として、経営多角化目的で事業展開する場合などに進出したい分野です。

登録の要件は次のとおりです。
  • 地質調査の常勤・専任の技術管理者を置くこと。
  • 登録しようとする営業所ごとに、現場における地質又は土質の調査及び計測を管理する常勤・専任の現場管理者を置くこと。
  • 財産的基礎又は金銭的信用を有する者であること (法人の場合は資本金が500万円以上かつ自己資本が1,000万円以上、個人の場合は自己資本が1,000万円以上)

登録の有効期限は5年間です。引き続き登録を受けようとするときは、有効期間満了の日の90日前から30日前までに登録の更新の申請を提出しなければなりません。

登録された業者は、変更届、毎事業年度終了後に現況報告書等の書類の提出義務があります。

弊事務所では、地質調査業の会社設立、登録・更新・変更に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代理して行います。

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