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潮の引いた砂浜でイソハマグリを掘る島のおばあ。僕らが少し海岸を歩いている間に、たっぷり2日分の味噌汁の具になる量を採っている。キャリアから来る腕だ。
とりあえず、先の必須収集アイテムを完成された方は
今度は狙いを絞ってちょっといいものを探してみましょう。
アサガオガイ。小さな青紫色の巻貝。殻は蝸牛のもののように薄く脆いので採取には注意が必要。北風に打ち寄せられる。貝のくせに海面にぷかぷか浮かんで漂流生活を送っている。空気を自分の粘液で包んで作った泡の筏につかまって浮かぶ。新しい漂着個体ではこの透明な筏が口のところに残っている。
ヒカゲヘゴの幹。木本のシダ類。西表では至る所に自生しているシダであるが、やっぱりこんな風に海岸に漂着するのは珍しい。鱗模様が可愛いので持って帰ろうと思ったが、意外に重く、断念。このまま、他の植物の着生床として使え、インテリアには良さそう。
ホウガンヒルギの種子。南方のマングローブ、ホウガンヒルギの種子。種子が枝に付いていた証拠のヘタがあるものとないものがあり、形も球体を何片かに割ったようにそれぞれイビツである。 調べれば、名前の通りの砲丸型のまん丸な果実の中にこの種子がいくつも向かい合って入っていることが分った。多くは軽く、発芽能力は失われているようだ。
ニッパヤシの種子。西表島を北限とするヤシ科のマングローブの種子。硬い殻に包まれた下部には繊維が揃って伸びる。漂着する数から言っても、西表に生えるニッパヤシのものだけではないだろう。下部の繊維部分を利用して、そのまま机の上の小さな塵掃きとしてどうだろう。
カエルチャン。と勝手に呼んでいる。プラスチック製ブイの小型のもの。見たまんま。色々な色を集めてカエル牧場なんてのも面白いではある。
流木。形のいい流木はそれだけでもう芸術品ですね。波に洗われ、砂に埋もれ、柔らかい部分は腐り落ちて、硬い芯の部分だけが残ったもの。世に流木マニアは多いですが、ここ西表は本当にイビツな形をした流木が結構拾えます。で、それはキャンプの時のいい薪となってしまう。もったいないので、いいものは拾って帰りましょう。ただし、重いです。
ガラス玉。よく雑貨屋さんや喫茶店でインテリアとして飾ってあるアレです。今のプラスチック製のブイが出来る以前のブイはこんなガラス製だったのですね。当然ですがこっちの方がいい。でも、探している人も多くて、滅多に拾えません。破片はよく見かけるんですが。こんなの未だに作ってて使ってる国、どこかにまだあるんでしょうか。
シロツブ、もしくはハスノミカズラのマメ。直径1,5センチ程の完全球形から楕円球の形をした硬いマメ。最初は何かの卵と間違う。薄い灰色のものをよく拾う。サヤに連結していたヘソの部分を中心に同心円が連なった微かな模様がある。自生地は確認済み。何処かで紹介します。
シャカトウの炭化した果実。こういうのは稀少ですね。夏頃、西表でも味わえる果実です。いくつもの小さな種の周囲にあま〜い白い果肉が詰まってる。ただ外皮の食感が悪くて綺麗に食べなければいけないので、こんなふうに硬くなってたら食べやすくていいのにと思います。おそらくは南方からでしょう。
カショウクズマメとその仲間。直径2.3〜3センチほどのマメです。非常に硬く、模様も赤茶で無地のもの、黒に赤のマダラ、赤に黒のマダラと様々です。無地のものはもしくは別種かもと思っています。何れもマメの縁にがま口状の黒い筋が通っています。西表にも自生しますが多くは陸地で見ます。
ナンテンカズラ。4センチほどの黒く平たいサヤに2センチ内外の黒くて硬いマメがほとんど一つだけ入っている。サヤも硬いが薄く、手で簡単に割ることが出来る。上に紹介したハスノミカズラやシロツブと同じ仲間でジャケツイバラ科。よく見れば、同じように細かいひび割れのような線が並んでいる。
ハカマカズラのマメ。1.5センチ以下の黒いマメで数は拾えない。形は球形に近いものから俵型まで色々。マメの縁はがま口状になる。種子自体は浮かないことから、おそらくサヤに入ったまま漂流し、打ち上げられるのだろう。サヤもよく拾う。西表に自生。
デイゴと思しきマメ。デイゴは沖縄の春を彩る朱色の美しい花ですが、マメ科の植物ですから、ちゃんとこんなマメを作ります。ぱっと見た感じ、小豆に似てますね。ただ、とても大きなものもあり、違う種類も混じっているのでは、と疑いを持って見ています。
シナアブラギリの種子。扁平な楕円球で縦縞状に小さな突起が連続する。主に黒いものが多いが、稀に茶色や白いものも拾える。アブラギリは油を採る高木で、沖縄にも自生しているモノがあるようだが、多くは台湾産のようだ。漂着するものは軽く、発芽能力は失われている。海流散布型の種子ではなさそうである。
モダマ。初心者ビーチコーマー達の憧れ。モダマハンターまで出現するほど人気のある大きく硬いマメで、直径6センチにも達する。形は円形、楕円、ハート型、四角っぽいものと様々で色も臙脂から黒と変化に富む。裸のマメの状態で拾うことも多いが、10月初めの落果の頃には北風に乗り、左のようなサヤが分裂した袋に入った状態で多くが漂着する。サヤはこの袋が10以上も連なっており、長さは1メートルを超える。西表では沢沿いに自生し、ヒメモダマと呼ばれる種類であるそうだが、漂着モダマにはヒメモダマとは違う形のものも多い。そういうものを狙って探すようになれば、かなりの玄人。因みにモダマとは「藻玉」と書き、自生しない内地では漂着する際、海藻にまぎれて上がるものだから、藻に関係のあるものと見ていたらしい。印籠の根付(帯に挟んで落ちないようにする為のもの)などに利用され珍重されたようだ。ヨーロッパでは「ラッキービーンズなどとも呼ばれたらしいが、西表でさえ、拾えるとラッキーな気がする。
ウミショウブの果実。6月〜8月の大潮の頃、海の浅瀬の藻場に群生するウミショウブが花をつける。
雄花の生み出した花粉入りカプセルを受け取った雌花はその後、このような果実をつけるが、やがてそれは海に漂い、漂着する。勿論大部分は海底に沈み、中に詰まった種子から発芽するのであろう。
果実についたゼンマイ状の部分で他のものに巻きついて流れ出るのを防いでいるのかも知れない。
イモガイ類の貝殻。これはタガヤサンミナシ。リーフエッジや藻場などの浅瀬にはこのようなイモガイ類が生息している。イモガイは肉食の貝で、猛毒の吹き矢を使って獲物を襲ったり、自分の身を守ったりしている。
多くは非常に綺麗な貝殻である為、採集したくもなるが、人間を即死させるほどの毒の持ち主なので、海の中にいるものは採集しない方がいい。打ち上げられたものを拾うのが安全。