3/17 三重県
安濃川

■発眼卵放流実施効果調査■


3/17 先々週先週に引き続き、発眼卵放流後のアマゴ生育状況調査。

ただし、放流した魚(卵)と思われる個体は見当たらず、ほとんど源流部のアマゴ生息状況調査になっているが・・・。


先週同様やたら風の強い中、安濃川に到着。
はじめから結果は期待していないので、今回はあるものを試してみることにした。


自作ファールドリーダー

 ものすごーく今更な感じではありますが、最初はスレッドを使って50cm位の、短いのを作ってみたんですよね。しかし、これが結構面白かった。
しかも、手で持って振り回してもきちんとターンする。

ならば実際に使える9ftぐらいのを作ろうと思い、100円均一でミシン糸を購入し、約30分ほどかけて初めて作ったファールドリーダーがこれ。
ちなみに、雑誌や他の紹介サイト等では、板に穴を開けたりして結構本格的な道具を作っていますが、管理人は畳につま楊枝をザクザク突き刺して作りました。

結構普通に作れますので、皆さんお試しアレ。(奥様に見つかってぶっ殺されても責任持ちませんが)


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 自作ファールドリーダー9ftに4Xのフロロティペットを30センチ継ぎ足し、そこから5X・6X・8Xといつものシステムにして釣り開始。
記念すべき第1投目・・・なんか、スゲーふにゃふにゃする(汗)

ターンしない訳ではなく、とにかくふわふわっとした感じでフライが着水する感じ。今まで使ってきた市販リーダーとはかなり別物。ただし、水面に与えるインパクトは、かなり少ないように感じた。

浮力はフロータントをすり込んであるため、思った以上に浮く。反面、全体に柔らかいので風にかなり弱い。30分ほど使ってみて(カワムツ1匹釣れず)、ようやく慣れてきた。
使いこなすコツは”とにかくゆっくり、ストロークを広めに、優しくキャスティングする”こと。

上手くタイミングが合えば、かなり綺麗にターンオーバーします。ついでに、もう一つ気が付いたこと。

ファーストアクションのロッドとは、相性最悪(汗)

SAGEのTXLで、ゆっくり優しく振るなんて、F1マシンでエコドライブしてるのも同然。
おそらく、グラスロッドやフリーストーン等、柔らかいロッドで使ってこそ真価を発揮しそうな感じだ。また、自作なので素材やテーパーデザインを変えれば、ファーストアクション向きのリーダーも作成可能なのではないかと思う。
その他には、構造上表面が編み目でザラザラしているので、フライラインの重さでリーダーがトップガイドから抜け落ちてくる事が無い。
うまく作れば、リーダーだけでキャストするような小場所でも対応できそうだ。



 放流ポイント付近を釣り上がってみたが、稚魚の姿や1年魚と思われる魚は確認できず。
途中、小さなプール横の水溜りのような場所で、大量の小魚を発見し、「もしかしたら」と思ってカメラを沈めてみたが、案の定カワムツの学校だった。



放流ポイントの調査から、安濃川最上流部におけるアマゴ生息状況調査に切り替える。
とにかく上へ上へ。薮を掻き分け、岩をよじ登り、3歩でまたげる沢に到着。リーダーは性能重視でマキシマに交換した。

フライはおそらく何でもいいと思うが、チラホラ飛んでいた#18ぐらいの小さなカディスを参考に、#16のパラシュート・フローティングピューパを結んだ。・・・マッチシテナイ・ハッチ。

魚の姿が見えず、ここぞというポイントでも反応無く、それでもズンズン進んでいくと、ようやくフライに魚が飛び出した。

綺麗な魚体の15cm。
放流ポイントでこんな魚が沢山釣れたら、2年前放流した発眼卵から育った魚かもしれないのだが・・この支流(沢)の下流には砂防堰堤が設置されている。飛び越えてきたとは思えない。

さらに釣り続けてチビを1匹追加。

この2匹を釣るのに、2時間半を費やす。
大きな川でゆったりロッドを振り、流れるフライを目で追う釣りとは違い、木の枝や岩を避けながら小場所を徹底的に狙うため、体も目もとにかく疲れる。


しばらく反応もなく、やる気がどんどんなくなってくる。

次のポイントで終わりにしよう・・・。引き返すことばかりが頭に浮かぶ。
小さなプールにたどり着き、せり出した岩の下の影にフライを叩き込む。

フライが消えた・・・ように見えた。

ロッドを軽く立てると、小刻みな振動が手に伝わってきた。









長くピンと伸びたヒレは、閉鎖された厳しい環境を生き延びた証だろうか(尾鰭を写し損ねたのが凄く悔まれる)。冬の厳しさからか、肌色はあまり良くなく少々痩せているが、初夏には素晴らしいプロポーションになっていることだろう。

岐阜県や長野県まで遠征しても、これほど綺麗な魚は滅多にお目にかかれない。本当に、地元の川でこんな綺麗な魚が釣れることは、素晴らしいことだと思う。


 地元の川を飛び越えて、雑誌に載った有名河川に遠征するのもいいが、少し目を凝らせば近くの川に綺麗な魚は残っている。おそらくこの川だけではなく、全国に同じような名も無き小さい川はいくらでもあるだろう。

それをネットで公開することは、場荒れを招く恐れが当然あり、本来は好ましくない事なのかもしれない。
少なくとも、これまでの渓流釣りの世界では、釣れる川を安易に教えないのは常識だった。自分だけ、又は一部の親しい仲間だけで秘密にしておく事で、独占的に楽しむ風潮があった。

 しかし、その結果はどうなのだろう。
地元の釣具店はバスと海釣りを除いて衰退し、人があまり訪れない川は廃棄家電や自動車の最終処分場と化している。自分の町を流れる川の上流にアマゴが泳いでいる事を知らなくても、長良川の早春のライズポイントは知っている。
何かおかしいのではないだろうか?
 地元の川に目を向けて、それらが抱える諸問題を真剣に考えてくれる人、つまり問題意識(改善の意欲)を共有できる人達が増えてくれるよう、情報を共有することも今後は重要になってくのではないだろうか。

そもそも、「安濃川で綺麗なアマゴが釣れます」なんて情報を発信したところで、管理人自身には釣りにくくなるデメリットこそあれ、メリットなど何もない。ゴミも増えるかもしれないし、それなら一人でコッソリ楽しんで、川は秘密で自慢気に写真を載せていたらいいことだ。

では、なぜ情報を発信するのか。

 これから2〜3年で、渓流を含めた釣り人口は爆発的に増えると私は予想している。
正しくは、団塊世代の大量定年退職により、それまで中々釣りに行けなかった人や、退職後の新しい趣味として釣りを始める人、つまり60歳前後のお金も見識も時間もある、平日釣り師が増えるはずである。

そうなると、渓流では今までどおりの大量放流、根こそぎ持ち帰りのやり方で、釣り場が維持できるわけが無い。

需要を満たすだけの、新しい制度が必ず必要になってくる。
具体的には尾数制限の導入、産卵場所や天然魚生息地の徹底的な禁漁・監視体制、釣りたい要望を満たすための特別放流区域の創設(大量放流で持ち帰りOKだけど日券¥2000とか、C&R区間の新設)などであるが、いずれも県の漁業調整規則や漁協の遊漁規則、つまり文字をいじればすぐにでも実現可能なことである。

 我々に出来ることは何か。

一人で出来る活動の限界を見極めた上で、根拠のしっかりした実現可能な新制度の案を行政側に提示すること。


放流自体は実現可能であった。しかし、その後の密漁の監視や生育状況の調査は、一人では不可能である、というのが一つの結論だ。


放流したまま「後は知らん」では済まされない。

次の一歩をどうするか。





・・・・いや、本当にどうしよう(汗)


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