2019年11月 三重県
安濃川発眼卵放流


 twitter で報告している通り、今回はお手伝い要員が確保できず、一人での放流となりました。
 ここ数年、台風の被害が続発し、発眼卵の入手に苦労する年が続きましたが、今回は無事に発眼卵が無事入手できましたので、5000粒の放流となります。
 この日は天気も良く、そして暖かい日でした。年々、放流する日が暖かくなっていることに少し不安を感じます。

 放流は4箇所に分けて実施しました。内、一箇所には新型のボックスを投入しました。通常のバイパートボックスは、内部が卵を入れるスペース(上段)と、孵化した稚魚が下に落ちるスペース(下段)の二つに分かれています。
 当方が使用している虫かご改造型ボックスも、上段と下段を園芸用ネットを改造したもので区切っています。しかし、気のせいかもしれませんが、年が経つにつれて、上段に入れる発眼卵にカビが発生し、卵が死んでしまうケースが多くなる傾向があると感じています。

 色々な原因があるかと思われますが、ネットに付着した細菌やカビなどの汚れを、掃除しきれていないのが主な原因ではないかと考えました。また、経年劣化により、ネットに細かい傷やささくれが発生し、それらが卵を傷つけているのかもしれません。

 そこで、前回より実験しているのが、この育苗トレーを使った方法です。
 目的としては、発眼卵が孵化するまでの間、卵が触れる部分については、毎回新品の物を使おうという考えからです。
 自然の卵は、川底に小石に囲まれて埋まっているわけですので、そこまで気を使う必要はないのかもしれませんが、この方法で死卵が少なくなるなら安い物です(育苗トレーっ大量に入ってるのにすごく安いのです)。

 育苗トレーは、底部分に排水用の穴が開いているものがほとんどですので、まずはその穴が卵が零れ落ちない大きさであること(5mm以下)が条件です。
 次に、水通しを良くするため、育苗トレーの何カ所かに、スリット状の切り込みを入れています。
 透水性の悪さから来る酸欠が少し心配ではありますが、仮にも10年程度発眼卵放流を続けている経験上、アマゴの発眼卵は、そこまで水の通りを気にする必要はないのではないかと思っています。完全に泥や砂に埋もれない限り、多分酸欠では死にません。

次に、ボックスの作成(改造)方法自体を見直しました。

 これも最初期の頃より使っている方法ではありますが、虫かごにネットを固定する際、ナイロンバンドではなく、ホットメルト接着剤を使う方法です。
 当サイトで公開している虫かご改造ボックスは、適当な管理下においても5年間(5回)程度の耐久性は軽く有しています。しかし、経年劣化で壊れてくる部分のほとんどが、ナイロンバンドの劣化による破損です。
 釣り人の皆様ならご存知の通り、ナイロンは耐水性という面ではあまり良くありませんので、作る手間は少し増えますが、今後はこの方法に切り替えようと思います。

 これも、同じく前回から実験している、大型育苗箱を使った放流方法です。
 こちらには育苗トレーでの仕切りなどは使わず、そこら辺の小石を適当に詰め込んで、卵同士があまり付着しないようにしています。
 大きさからすると、一箱で5000粒ぐらい放流できそうな気もしますが、さすがに怖くてできません。

 この日は、3時間程度で放流は終了。天気にも恵まれました。


翌週11月10日

 Twitter でも報告した通り、3箇所の発眼卵放流ポイントでは特に異常はありませんでした。
 唯一、1つのポイントの前には県外ナンバーの車が停まっており、なんだろうと思っていたところ、放流ポイントの小さなプールのすぐ近くで、犬を遊ばせている方がいました。
 県外かつ冬の片田舎の、それも有名ではない川でなぜ?という気はしましたが、邪魔になるのも悪いと思い、そのポイントだけ確認せず、この日は帰宅しました。


翌週11月17日

前回見れなかったポイントに近づきます。
すると・・・ボックスを入れていたカゴが河原に引きずりあげられているのを発見しました。

 この瞬間少しパニック。かなりの独り言が漏れていたと思います。
 過去の放流記や動画を見ていただければ分かると思いますが、石を詰め込んだカゴの中にボックスを配置して水中に沈めており、さらにそのカゴの周りには、流出しないよ岩を並べ、カゴには流失防止用のロープを張ってあります。

 足が引っかかった程度で、カゴが水中から出てしまうことはありえません。明らかに人為的な行為です。
 周囲を見回すと、放流用のボックスが、岩の間に挟まっていました。

 

ボックスは両方とも踏み潰されたような形で割れて穴が開き、中に卵は一つも残っていませんでした。
そして、その近くに、似たような状況で岩に挟まった、もう一つのボックスを発見することができました。

周辺に散乱していた、ボックス内の仕切り用のネットやロープを回収し、とりあえずはゴミにならなかったことだけはホっとしました。

 

 そして、次に浮かんできた思いは、素朴な疑問。一体、誰が何のためにこういったことをやったのか。
 林業に従事する方など、山で仕事をする人たちの通行の妨げになったのでしょうか。放流した場所は、普段は人が入るような場所ではなく、ましてや水中に沈めてあるカゴが、何らかの邪魔になったとは思えません。
 ボックスは踏み潰されたような壊れ方をしたところもありますが、角の部分は意図的に割られているようにも見えます。また、噛み傷(?)のような、細い小さな穴のようなキズが何カ所もついています。

 先週見かけた犬が、河原に落ちていた虫かごを噛んでしまったのでしょうか。色々考えましたが、何があったのかよく分かりません。
 しかし、偶然三重県の田舎の川に、それも冬にやってきて、河原を散歩していたところ、見慣れないものが川の中に沈んでいるのを発見し、引き上げてみたら、中には魚の卵のようなものが入っており、よく分からなかったけども、とりあえず踏み潰して中のものを出してみた・・・・というのは、あり得ないことかと思います。

 考えたくはありませんが、おそらくは放流した卵を狙った卵泥棒(自分だけの秘密の川に撒くのでしょうか?)、もしくは、私のこのような活動に、何らかの不満をお持ちの方が、ボックスを破壊した嫌がらせ行為なのでしょう。大変悲しいことです

 ついでに、壊されたボックスは、いずれも放流前日に作ったばかりの新品でした。
 100均で買った材料のみで作られている安いものではございますが、そこに詰め込まれたアイデアや、創意工夫、作成にかかる時間はございます。
 今回の事で、放流を止めるとかへこたれるということはありませんが、次回からは放流の実施方法について、何らかの対策をしようと思います。(乾電池で動く防犯カメラがあるようなので、それを使おうかな?)

 よくニュースなどで見かける、市民の方がボランティアで植えたチューリップや、有志が植えた桜の木が切られたり踏み潰されるという事件がありますが、それと似たようなものなのかもしれません。




 最後にこれだけは言っておく。











俺は怒っている。
1000匹のアマゴが、訳の分からん理由で殺されたことに、強い悲しみを感じている。

何かご存知の方、ご一報いただけると幸いである。


ps 本当は、11月10日の時点で嫌な予感がしており、何枚か写真を撮影していました。予感が的中した11月17日、怒りに任せて撮影した上記車の画像を、モザイクなしで公開する寸前までいったのですが、人違いかもしれないので止めました。
 しかし、少なくともこの車の持ち主の方は、既にカゴが引き上げられていたか、ご存じの可能性は非常に高い。なぜなら、そのポイントは、人が歩けるスペースが6畳ぐらいの広さしかないので、目に入らない訳がないからである。本人に連絡を取るには、運輸支局に情報開示請求するか、弁護士照会を使うしかないのだが、色々制約があって面倒。しかも、車自体が借り物かもしれないし・・・。犯人探しはこれにて終了。






〜放流資金援助のお願い〜

現金だと色々ややこしいので、ご賛同いただける方が見えましたら、下記のURLからお買いものしていただけると嬉しいです。
1000円の購入が、3粒ぐらいの卵に変身しますので、何か消耗品でも買ってやって下さい。
いやっ!バンブーロッドとかパソコンとかヴィトンのバッグとか高額なものは、本当に買わなくていいですよ!本当に!
(チラッ)

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