2018年11月10日・17日 三重県
安濃川発眼卵放流


 昨年は、台風の影響で発眼卵が手に入らず、放流断念となった。今年こそはと気合を入れていたところ、再び台風と集中豪雨の被害が各地で多発し、川の荒廃や養魚場の被害をかなり気にしていた。

 幸いにも発眼卵が手に入り、今年は放流が実施できることになったが、夏の異常な豪雨は、もはや異常ではなく、毎年発生する災害として備える必要があるかもしれない。

 さて、本当は昨年試してみたかったことがある。それは、新型ボックスの投入だ!
 


ど〜〜ん!



どや!この経験と英知を結集した、新型ボックスの雄姿は!見せてもらおうか、FlyHighFisherの新型ボックスの性能とやらをとか言いたくなる出来栄えでしょう!


 まぁ、どっからどう見てもタダの育苗箱やけどな(←オイ)。2個合わせて、両端に穴を開け、ナイロンバンドで固定しただけの代物。

で、ご開帳すると中はこんな感じ。お前、魚じゃなくて野菜でも育てる気かと突っ込まれそう。
なぜ、このようなボックスに行きついたかというと、放流の更なる省力化を狙っての事。

 ご承知の通り、我が国の釣り人口は減り続けています。子ども達も、釣りをする子は本当に少なくなり、皆、釣りはスマホのゲームで楽しむものだと思ってるかもしれません。
 釣りを好きになってもらうには、川に来て釣りをしてもらわねばなりません。釣りに来たら、釣れなきゃ楽しくありません。川に魚を増やしたいけど、今の方法(成魚放流)は、設備と金と労力が掛かります。釣りする日券も高すぎて、「ちょっと釣りに行こう」と思えない金額設定です。

 今後の漁協のことを考えるなら、あるいは漁協がなくなった川での放流をどうするか考えれば、なるべく簡単で安く、手間がかからない方法、かつ効果の高い放流方法を検討する必要があります。虫かご改造型でも良いのですが、もっと大量に放流したい。それが新型ボックス作成の理由です。

 前置きが長くなりましたが、新型ボックスの詳細は後日報告したいともいます。作り方も、2月ごろ公開予定。大失敗だったら、記事書く意味ないからね。


 さて、放流当日の安濃川は、それまでの秋晴れが嘘のように土砂降りの大雨だった(泣)
 昼過ぎに晴れてくるとの予報を信じ、安濃ダム湖畔の湖水荘でちゃんぽん麺を食って時間を潰していたが一向に止まず、半ギレで川へ入った。
 多分、2006年からの放流の中で最悪の天候。しかも、今年はお手伝いがいないので、全部自分1人で作業する必要がある。


それほど増水はしていないが・・・

 放流は4カ所に行うため、最初に放流ポイント最下流部の、支流との合流点に到着。
 しかし、この雨による増水で、支流からはかなり濁った水が流れてきている。林道修復工事の影響が残っているようだったので、支流への放流は断念した。

雨が止まないので、車のテールゲートの下で作業開始。検卵の制度が素晴らしく、見た限り死卵は1つもなかった。

器具を消毒し、卵をボックスに入れていきます。毎回言っている気がするが、イクラ丼を作っているのではない。

保護用のカゴに石を詰め、砂の堆積が少ない場所に設置。今日は増水しているので、カゴ全部が水没する深さに設置した。最後に、流失防止用のロープを張って終了。


そして、放流ポイントの最上流部に、新型ボックスを設置する。

新型ボックスを簡単に説明すると、育苗トレーの周囲にある穴はホットグルーで塞ぎ(上半分は仔魚脱出用に少し開けておく)、中に入れる育苗ポット(セルポット)は、孵化後、仔魚が通り抜けられるように、縦長の切れ込みを入れてある。放射性物質のマークではないよ。

長いこと発眼卵放流をしていると、死んだ仔魚や死卵からカビが発生し、団子状に大量死することを目にする。そのため、卵や仔魚をなるべく広範囲に散らしたい。これが目的の1つ。
次に、なんとなくだが、バイバート・ボックスは長年使っていると、プラスチック表面の劣化か、稚魚を殺す細菌かカビが消毒しても残るのか、孵化率が徐々に低下していく気がする。

そこで、卵と孵化直後の仔魚が接する部分は、毎回新品に取り換えた方が良いのでは、と考えたのがこのボックス導入の目的その2。そう、中に入れる育苗ポットは、1回毎新品に取り換え、使い捨てにするのである

なんという画期的アイディア!(←自画自賛) ええい、FlyHighFisherの新型ボックスの性能は化け物か!とか驚いてよいぞ。

さらに、1つのセルには、重ならないように入れて発眼卵が25個ほど入ります。今回使用したトレーだと、育苗ポットをビッシリ敷き詰めると、77セルありますので、単純計算、この新型ボックス1つで1925粒、1つのセルにもう少し卵を入れ、積層構造にすれば、5000粒を一度に放流できる計算です。

リスクヘッジの点から、なるべく分散して放流したいのは山々ですが、前記の通り省力化を目指すなら、大量放流用のボックスが必要と考えました。

卵の量・水流の当たる位置による孵化率の違いを調べるため、卵はバラバラに量も変えて入れてみます。卵を入れ終わったら、鉢底ネットで覆い、その上に少し大きめの石を置いて完成。

さあ、吉と出るか凶と出るか。
2月になり、新型ボックスの事に触れないボックス回収の記事がアップされたら、何も言わず優しく見守って下さい(汗)


一週間後、様子を見に行ってみると・・・

虫かご型に1粒死卵が発生していたが、育苗トレー型は死卵は見られず。いきなり全滅とかしてたら卒倒するところだが、とりあえずは良かった。幸運を祈る!



〜放流資金援助のお願い〜

単刀直入に申し上げますと、発眼卵の単価が値上がりしました!1粒2円 → 3円にっ!
それまで5000粒1万円でしたが、今回は1万5千円を安濃川に沈めてきました。今後、5円ぐらいに値上がりしないか心配です。つーか、最初5円だったのを、値切って3円に勘弁してもらいました(笑)
よそでは、アマゴ稚魚の窃盗まで起きてますから、ホンマ笑い話じゃありません。

現金だと色々ややこしいので、ご賛同いただける方が見えましたら、下記のURLからお買いものしていただけると嬉しいです。
1000円の購入が、3粒ぐらいの卵に変身しますので、何か消耗品でも買ってやって下さい。
いやっ!バンブーロッドとかパソコンとかヴィトンのバッグとか高額なものは、本当に買わなくていいですよ!本当に!
(チラッ)

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