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Studio : mongkolfilm
Theatrical Release : 11 August 2005
DVD Release date : 24 February 2006
Screenformat :
Anamorphic widescreen - 16:9
Language : Thai (5.1 Doliby Digtal Surround)
Subtitle : Thai
Special Features:
・ Disc 1
・ AUDIO COMMENTARY
・ ACTION SCENES MULTI - ANGLE (4)
・ Disc 2
・ 5 TAKES OF LONG TAKES HISTORY
・ WORKOUT WITH TONY JAA
・ CAST & CREW INTERVUEW
・ "Ong-Bak" World Tour (50 minutes)
・ LIVE PERFORMANCE BY TONY JAA
(IN FRANCE, JAPAN, KOREA, TAIWAN, USA)
・ NEW PERFORMANCE OF
"TOM-YUM-GOON" (IN KORIA)
・ GUINESS WORLD RECORDS
・ THEATRICAL TRAILER (3)
・ TOM-YUM- GOON TRIVIA
・ POSTER GALLERY (12)
・ PHOTO GALLERY (45)
・ DVD CREDITS
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・ 辺境で象と共に暮らすKham (Tony Jaa)。日々を静かに暮らしていたが、祭りの日に彼の
家の父象と小象が盗まれてしまう。盗んだのがオーストラリアはシドニーに本拠があるチャ
イニーズ・マフィアだと知ったKhamは単身、シドニーに乗り込む!
…というストーリーですが、『Ong-Bak (『マッハ!!!!!!!!』(2003))』同様シンプルでストレートな
物語なんですが予算もスケールもアップしただけでなく、映像美やストーリー展開という映画
としてのレベルUPも果たしているですよ。
この監督の前作が憂国映画『Born To Fight (『7人のマッハ!!!!!!!』(2004))』だったので観る
前はその度合いが強くなったら… と危惧してましたが、そうはしないであえてその意も志も
あるんだけど直接的な表現は抑え目にして小象に託した事でストーリー展開のシンプルさと
相まって異国の私にも感情移入しやすくなったと思います。
またねぇ… 象と共に暮らし、生きてゆく生活を非常に詩的に、美しく描いていてそこでの
トニー・ジャーの笑顔が… ホント、いい笑顔なんですよ… そこを丁寧に描いて見せてくれ
るからこそ、その悲しみも怒りもまた… っとアクションにもグッとくるですよ。
そして『Ong-Bak』では古式ムエタイのようなシンプルな打撃と交差の格闘術だったんですが
今作はそれに加えて合気のような、いなしつつ捌きつつも「極めて折る」というサブミッション
要素を加えてより武道的に映えるものとなったアクションを、一対多数の格闘とカポエラや
青龍刀使い、そして元WWEのネイサン・ジョーンズらとの一対一との戦いを織り交ぜながら
映画的にバランス良く配置した事でメリハリとテンポが良くなっているんです。その分、
『Ong-Bak』の街中でのようなアクロバット等は分量そのものは少なくなったものの質としては
何ら劣るものでもなく、見せ場としての格闘とアクロバットを分けてたっぷり見せてくれますよ。
まぁ欲を言えば、耳に残るキャッチーなサビのあるスコアが欲しかったんですが… いや、
、スコア自体はちゃんと場面に合っていて、その使い方の演出もオーソドックスで安定している
んですけど例えばジャッキーの『A計画』のテーマや『Once Upon A Time In China』の黄飛鴻
のテーマのように一発、耳に残って盛り上がるスコアがあればもっと… っと。
多分、GW頃に日本で公開される筈ですから『Ong-Bak』で燃えた人ならば特に、未見の人
もお話として独立した別のものですから是非に、繋がりの無いアクション映画ですからマー
シャルアーツ系好きなら是非に、ゼヒ観てくださいませ〜
私的には前作のヒロイン?ムエ役の女優さんやサングラスのチンピラ役の人がカメオ出演
してるとか、所々でのユーモアや遊び心が楽しかったですし、モチロン格闘シーンには燃え
ましたね〜 クライマックス前の寺院内での、炎と水の中での一対一の戦いでトニー・ジャー
が現代のブルース・リーになったと思いましたよ!
気になる人は日本公式サイトをチェック!!
・ っと、
まずは普通にオススメをしてみましたが… まぁこういう感想なら公開後にいくらでも出てくる
と思うので、私が観ていて感じた、思った事をダラダラと。
『Ong-Bak』の時にはタイ人向けの感情移入の為の味付け程度の設定だと思っていた仏教
やムエタイ等のタイの歴史や文化がどうやらそれだけではなく、もうちょっと複雑な製作者の
思いが入っているのでは? っと思ったのが同じ監督&プロデューサーの『Born To Fight』
で、既に観た方なら分かると思いますが憂国映画として突っ走ったじゃぁないですか。
で、本作、お話的には戻って一見快活なアクション映画に撤したようではありますが、単純
な勧善懲悪ものではないシコリというか苦さを感じる部分が結構あるんですよ。
例えば登場人物で、台詞のある登場人物の人種と喋る言葉を書くと
・ タイ人 … タイ語
・ タイ系オーストラリア人 … タイ語、英語
・ 中国系オーストラリア人 … 英語、中国語(多分、北京語だと思うんだけど…)
・ 中国人 … 中国語
・ オーストラリア人(白人) … 英語
・ スーストラリア人(白人)の僧侶 … タイ語、英語
ってなるんですがコレ、最後までお互いの言葉は理解出来てないし、しようともしてないん
ですよ。日本映画のみならず普通こういう異国モノや異文化もので他国人が出る場合、吹替
えなり無理矢理でもそのお国の言葉を喋らせるなりするけれど、この映画はそういう事はし
ないんです。結果、タイ映画なのに英語だけ、中国語だけっての場面がかなりの分量がある
んですが、そうする事で示された溝と言うか隔たり、壁は結局最後まで埋まりも壊されもしな
いんですよ。
そして、劇中におけるオーストラリアで白人や中国人らが主人公らに見せる差別的態度が
変わるものでもないので、今回は警察官役でコメディパートも担当するPetchtai Wongkamlao
が、劇半ばで殺された白人の相棒の替わりにと最後にタイ人(系?)の新しい相棒が配属さ
れる、ってのをやられたってハッピーエンドか? ったらそうとは限らないじゃぁないですか。
確かにオーストラリア人(白人)の僧侶とかも出るので全くの断絶とは言えないんですが、
中国系オーストラリア人と中国人との確執とか、あんまり単純ではないんですよね。
そもそもの発端である政府の役人と密輸組織の繋がりが断たれたわけでもなく、敵の若頭
なんか組織との繋がりを知る警察署長を殺して逃亡したまま。今回のヒロインにしてもそれ
までの生活の事を思えば今後の未来が決して明るいものになるとは言えず、オーストラリア
の麻薬ディーラーも捕まっておらず、そして密輸された動物を喰らっていた連中にも御咎め
も無く、攫われた上にヤク漬けにされていたタイの女の子らが無事帰国したというシーンも
見当たらず、そして主人公は小象を奪還出来たものの… ってなっているんですから、私に
はラストでKhamの跪いて叫ぶ姿は勝利の雄叫びとはとても見れないんですよ…
確かに主人公についてのその事、それ自体は終わったけれども、それ以外の事について
は何も解決もしていなくて今も、誰かがとって代わっただけで、何処かで悪事は続いてる…
ってお話に思えたんですよね。
そういう意味で私はこの映画、3作目までの『Once Upon A Time In China』シリーズと凄く似
た印象を感じたんですよ。勿論、民主化運動の台頭と政府の弾圧、そして返還を目前として
いた90年代の香港の情況の元に作られた『Once Upon A Time In China』シリーズと現在の
タイの情況とが同一だと言う気はありません。んなわきゃない。でも、やろうとした事は、この
映画が単純な愛国映画、自国賛歌賛美映画ではない、そうはしなかった、ってのも込みで
そんなに違わないんじゃないかなぁ… っと思うんですよ。
そういう姿勢っか志を愛国的、右翼的だと敬遠したり揶揄したり馬鹿にする人もいるかも
しれませんが… でも、「それってどうよ?」って思うんですよ。やろうと思えばもっとゴリゴリ
に出来たのは既に『Born To Fight』があるように出来たんですよ。しかし、ああいう風にしな
かった。現状に対する問題提起だけなら攫われるのが象でなくたっていいし、あそこまで詩
的に描く必要は無いし、そもそもアクションっ〜エンターテイメントにする必要は無いんです。
しかし、あえて今回はこういう作品にした、という判断や意識ってのかな? は一体どんな
ものだったのか… というのは日本人の私には解らない事だとは思います。ただ、攫われた
象を思うに、決してタイという国に限った問題意識ではない、と思うんですけどね…
まぁ穿ち過ぎた見方かもしれないとは思います。
しかし、エンターテイメントとして素晴らしい見世物になってはいても、いや、エンターテイメント
として素晴らしい見世物にした上で、する事で、伝えようとしたもの、心意気、想いってのに
ついて考えてみてもいいんじゃぁないんでしょうかね?
・ …って、いつになく長い(苦笑)私の感想はさておき、DVDソフトとしては…
紙製のアウターケース(画像上段)とDVDケース(画像下段)とではデザインが違ってるトコ
からもぅこのDVDソフトの気合の入り方が解りますが、いざ再生してみるとチャプターが日本
版DVD並みに細かく設定されていたりタイ語のメニュー文字には必ず英語も書かれていたり
と細やかな配慮がなされています。まぁ本編にタイ語字幕しか無いのはタイ語がサッパリ解ら
ない私にはアレでしたが(苦笑)
・ 画質、音質は非常に良いんではないかと。
発色、鮮明さという点で言えば、これまで買って来たDVDの中でも普通に「良い」っと思える
ものでした。多分、マスターの状態が良いのと、機材とエンコードの性能が上がったからで
はないかな? 音質共々ノイズも無くいいものかと思いますよ。
・ んで、特典なんですが… 沢山あるのでザッと書きます。
まずDisc-1の「AUDIO COMMENTARY」は本作の監督とプロデューサーの二人によるもの
で、この音声解説用の字幕は無いようです。日本版だとカットされそうですな。
「Action Scenes Multi-Angle)」は、本編のアクションシーンを別のカメラで撮ってるのと、その
両方を同時表示のモードにと切り替えて観られる、というもの。ただ別カメラのは視覚的にも
画質的にもアレなのでメイキングに近いかと。本編再生冒頭に監督自らこのモードの説明を
してくれます(笑)んで、カメラのアイコンが出たらアングルボタンを押せ、っと。
Disc-2の「5 Takes of Long Takes History」は、中盤の敵のアジトの料理店にトニー・ジャー
が乗り込んで敵をぶちのめしまくる三谷幸喜ばりのワンカメラ&ワンカットの長回しのシーン
を、OKの出た5パターンを収録したもの。かなり長いシーンで壊れ物も多いしスタッフ泣かせ
でNGが出たら即アウトなのを5回もOKを出るまでやらせた監督のサドっぷりが素敵(笑)。
「Work Out With Tony Jaa」はジムでの準備運動などをトニー・ジャー自らが語る、というもの
で、気さくで真面目な彼氏の素顔が出ていますがワークアウトとしての参考資料にはなりま
せぬのがチョイと残念。
「CAST & CREW INTERVUEW」は残念ながらチャプターの無い一本ものですが監督、プロデ
ューサー、トニー・ジャー、そして敵役の方々まで出てます。もちっと尺が欲しかったかなぁ…
「Ong-Bak World Tour」は多分タイ本国でのTV特番を収録したもの。題名の通り『Ong-Bak』
の世界でのプロモーションの様子とスタジオでのインタビューとで進行するもの。そこで使わ
れたプロモーションの為のアクション等を収録したのが「Live Performance by Tony Jaa」。
全編タイ語で字幕無しなのが辛かったっす。
「GUINESS WORLD RECORDS」は本作のプロモーションの一環としてトニー・ジャーが一度
に●●●人の子供にムエタイを教える、というギネス記録を立てる様子を収めたもの。
「THEATRICAL TRAILER」は本国特報と本国&国際版予告編を収録。
「Tom Yum Goong Trivia」はタイ語がサッパリ解らんので判りません!
「Poster Gallery」はタイ本国のサイトにもあったものを縮小収録。
「Photo Gallery」は… セピア系トーンに統一して加工されたフォト、数はあるけど面白味が
あんまり無いかと。劇中と撮影中の模様と分けてくれてたらなぁ…
って事で、私の総合評価としては、
「本編はいいんだけどDVDソフトとしての満足度はちょっと… 」
ってトコですか。
個人的にこれでメイキングが収録されていたら最高だったんですが、既に去年の11月に
VCDでメイキングだけリリースしている事に配慮したのか、撮影現場の裏側や合間といった
ものはこのDVDに収録されてねぇんですよ、って事でちょっと物足りなかったな、と。
でも本編は本当にイカしますから、日本で劇場公開された時には是非に… っとオススメ。
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