軌跡~-_科学と旅_-~

小中学生対象のロボット競技 世界大会レポート

〜 FLL Open Asian Championship 2008 〜

Report of a World Robot Contest for Children
- FLL Open Asian Championship 2008 -


FIRST LEGO League (FLL)とは

FLL(FIRST LEGO League)[1]は,米国のNPO法人FIRST (For Inspiration and Recognition of Science and Technology)とLEGO社とが連携し,1998年から始められた,子供たちのための「科学教育プログラム」である[2].当初は米国内でスタートしたが,徐々に各国に拡がり,日本は,2004年から参加している.日本での運営は,NPO法人青少年科学技術振興会(FIRST Japan)[3]が行っている.参加資格は,新年時点で9〜14歳(地域によって若干異なる)の子供であり,10人までで1チームを構成する.毎年度9月にテーマが発表されてスタートし,各国内での予選を経て,4月から5月にかけて,米国アトランタ及び他の1,2か所で世界大会が開催されている.

FLLを「科学教育プログラム」と書いたのは,単にロボット競技だけの大会ではないからである.FLLは,リサーチ・プロジェクトとロボット競技の2項目から構成される.

リサーチ・プロジェクトでは,毎年世界で社会的に話題となっている課題が設定され,子供たちには,その課題について調査し,自ら問題の解決策を考え,その結果を周りの人たちと共有する活動が求められる.

ロボット競技では,LEGO社から市販されているロボットキット”マインドストーム(MINDSTORMS)”[4]を用いて製作したプログラム制御のロボットを使用する.そして,指定箇所を押す・引く,物体を運ぶといったミッションが複数設定され,制限時間(2分30秒)内で自作のロボットによりそれらのミッションを遂行し,その成功状況に応じた得点が与えられる[5].

FLLの競技会では,(a)リサーチ・プロジェクトの成果に関するリサーチ・プレゼンテーション,(b)ロボットの構造,プログラム,ミッションの遂行方法(戦略)等を説明するテクニカル・プレゼンテーション,(c)チームの役割分担と協力によるプロジェクト遂行活動を紹介するチームワーク・プレゼンテーション,(d)ロボット競技,の4種を行い,それらの総合得点を競う.

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