エピソード4 次の台風がやって来た! |
7月7日。新暦の七夕の日。 牛とヤギと孔雀に支配された黒島から、石垣島へ戻ってきた私達を待ち受けていた次の試練とは・・・・・・ 先に書いてしまおう。 タイトルの通りである。 次なる台風、<6号>の襲来であった!! もともと高松を旅立つ時から気にはなっていたのだ。 台風5号の大騒ぎの陰に隠れて地味に動く、天気図の下の方にある<台風6号>の存在。 丸一週間の休暇の間に、果たしてこの台風がどう動くのか・・・・・・・・??? それでも、黒島の2日間。TVも見なけりゃ新聞も読まない生活をしていた私達には 台風6号の動きなどかいもくわからなかったのだ。 そして石垣島へ戻ってみると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 とはいえ、そのドタバタが始まるまでには、まだ少し時間の余裕がある。 と、言うわけで、まずは石垣島での休暇の話から。 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 新暦の七夕の朝。(沖縄ではものごとは旧暦で動くことが多いので、あえてこう書きます。) 黒島から石垣島へ戻った我々は、すぐにレンタカーを借りて<米原>というビーチへ向かった。 ここは、砂浜から直接珊瑚礁へアプローチできる場所なので、 子供連れでも遊びに来れるビーチとして、とても人気のあるところ。 私達のように<出来れば足の立つところでしか泳ぎたくない!> という軟弱者にもピッタリな、シュノーケリングスポットなのである。 その米原の海で熱帯魚をからかって遊んでいると、 おお!犬連れの女性がやって来たではありませんか!! 立派なゴールデンレトリバーを従えた、私と同年輩かちょっと上の女性。 レトリバーやニューファンドランドなど、泳げる犬種を飼ってる人にとって、 <愛犬と海で泳ぐ♪>というのは憧れの図であろう。 その女性も、さっそうとゴールデン君を従えて泳ぎだした・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ と、犬かきでご主人様にヒョコヒョコついて行っていたゴールデン君、 ふと立ち止まって珊瑚の上に立った時から様子がおかしいのである。 こういう感じで水面下ばっかり見ているのである。 「泳いでいる魚が気になるのかな??」と思ったけれど、なにかすごく必死な感じなのだ。 キョロキョロと頭を動かして、水面のあっちこっちを必死で見ている。 それも、すごくイヤそうに。すごく困った感じで。 「???????????????????????What????」 と思った夫が、ゴールデン君に近づき、その水中で起こっていることの撮影に成功した! ちょっと見づらいかなぁ・・・? ゴールデン君の足元にいる、青や黒やベージュの魚の群がおわかりになるでしょうか? つまり、ゴールデン君。立ち止まった瞬間から、魚たちの猛襲を受けていたのである。 ツンツン、ツンツン、ツンツンツン!!!!!と。 ゴールデン君のフサフサした毛が海藻の林に見えたのであろうか? それともゴールデン君の足から、魚たちにとって美味しそうな匂いが漂っていたのか?? ともあれ魚たちの強烈な襲撃を受けて、ゴールデン君はパニックだったのである。 困惑した顔で水面を見ていた彼は、最後には怒って前足で魚をとっつかまえようとしだした。 さらには足元の魚に噛みつこうと水を噛みだした。 私と夫は、もう腹を抱えて笑うしかない。 「あんた、無理だよ! 北海道のヒグマじゃないんだから!!」 ああ、気の毒なゴールデン君。 やがてご主人様に「も〜〜〜、いいかんげんにしなさいっ!!」 と叱られて、また犬かきで泳ぎ去って行ったけれど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 教訓 珊瑚礁の海で、愛犬を泳がせてはいけない。 そう、犬は困惑するのです。 |
◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ さて、米原の海でよく遊んだ我々は、石垣市街地に戻り、本日の民宿へ向かった。 今日から2泊の予定。 民宿の名前は <民宿楽天屋>という。 素泊まりのみで、一人3000円。 リーズナブルさも魅力的な宿だけれど、ここは以前から、HPを見て ぜひぜひ泊まりたいと思っていたところなのだ。 建物自体は、古い。 が、そこを、気の利いた小物類で気持ちよく飾りあげている。 そういう住まいというのは、多くの人が憧れるところではなかろうか? これが民宿の入り口。 で、これが民宿を裏から見たところ。 屋内はこういう感じ。 何というか、ノスタルジー溢れる学生下宿といった風情である。 いや、実際に下宿だったのだろう。 部屋の中の飾り付けも気が利いていて 特に下の写真の<ハンガー掛け>など、アイディアもんである。感心してしまった。 そして我々はこういう部屋で、 畳に寝っ転がって、石垣島の青い空を見ながらダラダラ過ごしたのだった。 洗濯物がちょっと情けないですが。 こういう風に気の利いたインテリアを考えるオーナーなら、 たとえ建物が古くても小綺麗にしているだろうな・・・と、思っていたら ほんとうに小綺麗で気持ちのいい宿だった。 もちろん、風呂・トイレは共同だけれど、清潔。 そして、このいかにもアジアの安い宿といった風情のこの宿は 思った通り、個人旅行者にとって本当に必要なものが何か?を、とてもよく理解している宿だった。 例えば、旅に出るにあたって、私がまず気にするのは<洗濯が出来るかどうか??>なのだけれど もちろんここには自由に使える洗濯機がある。(50円で、粉石鹸まで売ってくれる。) 清潔な布団と、掃除の出来た風呂とトイレももちろん。 そして、「これこれ!」と思った、<誰でもいつでも自由に使えるポットの湯>。 そう、コーヒーや紅茶を飲むために、好きな時に好きなだけ使えるポットの湯。 これが廊下に置いてある。 旅にはいつも、モンカフェみたいな簡易式のドリップコーヒーを持っていく私には、これが嬉しかった!! ビジネスホテルなら電磁式の湯沸かし器のあるところが多いけれど、 民宿や旅館はお湯が自由に使えないことが、よくある。 好きな時に飲めるコーヒー。 これがあると、旅先でよりリラックスできるというものだ♪♪ さらには、ここには<自由にお使い下さい> と、爪切りまで置いてあった! そうそう、爪切りを忘れると、イライラするよね〜〜〜〜〜〜! 爪切りくらい買ってもいいのだけれど、家に帰ればちゃんとあるし・・・。 こういう感じで、この民宿のオーナーは、自分もずっと個人旅行をしてきた人なのだろう かゆいところに手が届くようなサービスのツボを心得てらっしゃる方なのだった。 (ちなみにオーナーは、モシャモシャのロングヘアーに髭の大男。 とても物腰の丁寧な、優しそうな方でした。奥様も、おしゃれで素敵な方。) というわけで、<民宿楽天屋>に興味がわいた方は こちらへ どうぞ。 <楽天屋のお部屋図鑑>というページには 私の下手な写真より、ずっと素敵な民宿の写真がいっぱいです。 ・・・と、のんきに過ごしていた我々。 が、翌日状況が一変する。 そう、台風6号のせいで! 翌日も、石垣島は快晴だった。 が、外へ出かけていた夫が、島の人から<6号大東島へ接近!>の情報を得てきた。 さぁ〜〜〜〜〜〜〜どうする!? というのは、この日は7月8日。 ここでもう一泊して9日の朝、石垣から那覇へ向かい、さらに那覇から高松へ帰る予定だったのだ。 が、もし台風が明日の朝、那覇へ接近していたら?? 石垣島は快晴でも、飛行機は欠航。我々は家へ帰れない。 休暇旅行というのは、行けないのはもちろんつらいけれど 休暇先から帰って来られない!というのは、さらにさらにつらく情けないものである。 というわけで、最悪の事態を想定して、我々は本日中に那覇へ行く決心をした。 たとえ台風で飛行機が欠航になっても、 石垣→那覇→高松 のチケットをキャンセル待ちでゲットするよりは 那覇→高松 をゲットするほうが楽なはずだから。 かくして、我々は石垣空港のチケットカウンターへ向かった。 レンタカーでたった10分。島ならではの近さである。 16時半の那覇行きのチケットを手に入れ、民宿へ戻り、本日の予約をキャンセルする。 当日キャンセルは全額がキャンセル料になるのだけれど、大男のオーナーは我々を気の毒がって 2人2泊で12000円のところを、9000円にまけてくれた。 ああああああ、ありがたや。 いい人です。オーナー! そ〜れ〜に〜しても、またしてもの予定変更だ。 ここまで予定通りに来られたのって、最初の高松→那覇間だけじゃないの??と呆れつつも 私達は快晴の石垣島を発って、夕方那覇へ。 那覇は曇りだった。 そして夜中にはついに雨が降り始めた。 TVの天気予報は、大東島を直撃しさらに進む台風の進路を描き出していた。 さぁ、明日はどうなるの??私達家に帰れるの?? <エピソード3へ戻る エピソード5へ進む> <ヘロヘロ旅行記>目次へ戻る トップページへ戻る |