エピソード5 奇跡の逆転ホームラン!??


7月9日。旅行最終日。
本日我々は、午後13時半の那覇発高松行きの飛行機で、家に帰る予定なのである。
そう。予定。あくまでも予定。
そして、ここまで狂いまくってきた予定は、果たして最後まで我々をあざ笑うのか???否?


目覚めればホテルの窓の外は雨だった。
しかし、風はほとんどない。
TVをつけると天気予報。
ありがたいことに、台風6号は、沖縄本島をそれて、奄美大島付近に向かい北上中とのことであった!
神サマ!ありがとうございます!
ともかく、飛行機は無事飛びそうだ。めでたしめでたし。

が、外は雨である。
これから午後13時半の飛行機の時間まで、どこかでボーっと雨を眺めているしかないのだろうか?
これじゃモームの世界じゃないの・・・・・・・・。
と、ちょっとしょんぼりしていたところへ、奇跡は起こったのである。
朝8時を過ぎた当たりで雨はやみ、一気に天気が回復してきたのだ。
あれあれという間に、入道雲がわき上がり、沖縄の夏の空が現れた。
セミもここぞ!とばかりにワンワン鳴きだした。
我々はあわてて荷物をまとめ、フロントにあずけて、那覇の町へ飛び出す。
最後に大晴天の那覇。
奇跡の逆転ホームランだ!


汗をかきつつ、アーケード街や市場をのぞき、焼き物の店のならんだ壺屋通りを歩き回り・・・

やがて、「どうしても今度こそあの店を見つけようではないか!?」
ということになった。
あの店。

それは、台湾の精進料理のお店である。
その名も<金壺>という、なかなかナイスな店名だ。(お金が貯まりそうで、いかにも台湾らしい。)
ごくごく普通の大衆食堂なのだけれど、特筆すべきは
ここがたった500円で、食べ放題のバイキング台湾精進料理をやっている!ということ。
500円のバイキングである!
さぬきうどんもいいかげん安いけれど、500円で食べ放題のうどん屋というのは、私は知らない。
しかもその店、安いにもかかわらず、情報によると大変に美味しいというのだ。
これが行かずにおられようか???
・・・なのだけれど、我々は以前その店を見つけることができなかったのだ。一所懸命捜したのに。
あるはずなのに見つけられない店・・・。・・・まるで香川県のうどん屋のようである。

しかし、今回は天が味方してくださったよう。
店を探して路地裏をのぞき込む私達の目に、こんな看板が。



(夫の腹周りが見苦しくてすみませんが)
あったのである。ブラボー!!♪
矢印をたどって行くと



このような店が出現した。
あああああああああ、雨よけのテントを見てわかった!
何故以前、この店を見つけることができなかったか。
<中華食堂>って書いてあるんだもん!私は<台湾料理>だと思い込んでいたんだもん!
路地裏を横からのぞき込んで<中華食堂>って見えたら、「違う」と思ってパスするよ!

それはともかく、店内。
期待通りのバイキングメニューが、ズラッとそのカウンターに並ぶ。カウンターの上にも並ぶ。
これが500円!?
そう、ほんまに500円なのだった。



厨房の中のおばちゃんが、とっても明るい台湾人の店主さん。
地図を見ればおわかりになると思うけれど、沖縄と台湾はムチャ近い。
八重山諸島なんて、地形だけ見ていると、どうしてここが台湾ではないのだ??と思うほどだし
実際、沖縄には台湾からの旅行者も、ビジネスの人達も多い。
沖縄に永住している人も、もちろん多い。
このおばちゃんもそんな一人。

さて、ズラリと並んだ料理の数々。この上お粥とスープ(具がすごく多い)がお変わりし放題だ!
もう、どれを食べようか目移りするったらない。



そして、噂通りこれらはどれも、すっごく美味しいのだけれど

・・・食べていて「???????????????????」だったのは、
精進料理と聞いていたのに、「・・・・・イカ??」「・・・・・・・・・・魚???」
と思える物が続出したこと。
どう見ても、格子の切り込みを入れたイカの切り身に思える、これはいったい・・・??
と、まだ客が少なかったのを幸いに、おばちゃんに正体を聞いてみた。
答えは
「コンニャクよ〜。」



見づらいと思うけれど、真ん中の料理の、スプーンの上に乗ってる白い物体が
<イカもどき・正体コンニャク>である。
もちろん、素材がこんにゃくいもだということで、日本のこんにゃくとは製法が全く違うのだと思うけれど。
他にも、そうめんのような物の正体を尋ねたら
白い豆で作った麺だったとか、いや、台湾の珍しい食材と料理法に満ちたお店だった。
そう、写真には撮らなかったけれど、お店の中では台湾の食材も色々売っていて
<落花生のスープ>の缶詰など、思わず買って帰ろうか?と思うほど興味深かった。

そうそう、精進料理って、私は<肉・魚・卵>を使わないことだと思っていたのだけれど
このお店の台湾精進料理は、<肉・魚・卵>以外にも
<タマネギ・ニラ・ニンニク・春菊>は使わないそう。
香りがきつい・・・というか、精の付きそうなものはやはりダメということだろうか?
そういうわけで、ここの料理はどれも優しい味で、いくらでも食べられそうな感じだった。
500円なのに。
私が男子大学生なら、もう毎日通うなぁ、このお店!!!
(あ、精がつかないのは困るかしら。若い男の子だと。ほほほ。)

ともあれ、味はバッチリ。値段もバカ安。
お店のおばちゃんは気さくで明るく、店のお姉さん達も優しい<金壺>。
那覇へお出かけのご予定のある方は、ぜひぜひ足を運んでみてくださいませ〜〜。
私も、次に那覇へ来たら、また絶対に寄ろう!!っと。


そんなこんなで、天気は良いは、<金壺>でたらふく美味しい物にありつけたは、で
我々はもう上機嫌だった。
最後で逆転の満塁ホームランや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
神サマありがとう!!!!!!


そんな気分で那覇を後にしたのだった。

午後13時半。
行きとは違って、定刻通り、那覇発高松行きのエアーニッポンは、快晴の那覇空港を離陸した。
結局、予定通りに行ったのは、この高松・那覇間の往復だけやったなぁ〜・・・でも、まぁ面白かったさ!
などと思いつつ、我々は機上の人となったのだ。
そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


   <エピソード4へ戻る     エピソード6へ進む>         

   <ヘロヘロ旅行記>目次へ戻る

   トップページへ戻る