なぜ卵巣型の患者さんには、まず大量に送りつけられた指示書(ゴナドトロピン)を減らしてやる必要があるのでしょう?

 みなさんは童話「北風と太陽」ご存じでしょうか。

 卵巣とゴナドトロピンの関係はこれに似ています。

 

 旅人(卵巣)は常日頃から強い北風(ゴナドトロピン)に吹き付けられていて、コート(排卵・妊娠)をいっそうかたくなに着込んでいます。

 そこへより強い風(クロミッドやhMG)を送ってもあまり効果は期待できません。

 そこへ太陽が暖かな陽射し(女性ホルモンの補充 ; カウフマン療法など)を送ると旅人はコートを持つ手をゆるめるのです。

 最終的には風を送ってコートを吹き飛ばさなければ排卵・妊娠しないわけですが、ゴナドトロピンを低下させないと効果が出ないことがお分かりいただけるかと思います。

 40歳以上の患者さんは一般的にホルモン環境が卵巣型に近くなり、排卵誘発剤の効果が少なくなるのはこのためです。