〜イヌ(6)  高お(たかお)神社の和犬
「高おかみの神(タカオカミノカミ)」を祀る神社に和犬像が置かれている。
「高おかみの神
(タカオカミノカミ)」は、山の尾根筋の神で、深谷の「闇おかみの神(クラオカミノカミ)」と 共に(両者は同一神ともいわれる)、降雨・止雨、地中蓄水・湧出など、すべての水の動きや働きを司る水神である。龍-1の項参照
栃木県、特に宇都宮市やその周辺には、高おかみの神(タカオカミノカミ)を祀る神社が多い。
高おかみ神社」と書いてほとんどは「たかお神社」と称されている。農民はこの水神を祀って、旱魃には降雨を長雨には止雨を祈り、稲作の無事豊穣を願った。
これらの神社のうち、下掲の4社に和犬像が奉納されている。
その由縁についての説明は全くない。
この地区の高お神は、高おかみの神を祀るので有名な丹生川上神社(奈良県吉野郡)から勧請されたもので、
丹生明神の神使の和犬が置かれているのかもしれない。 表記できませんが、この文字が「おかみ」です。
高お(たかお)神社(河内町立伏)

この「たかお」神社に石造りの和犬像が奉納されている。
奉納されている和犬に関しては勿論、神社に関しての案内板など全くない。
(和犬像の奉納年なども不明だが、下掲の神社の像と同時期の明治後半の奉納と思われる)

拝殿の前に、和犬一対と和犬風狛犬一対の像が奉納されている。
神前で4者が会談をしているような雰囲気である。
(写真右上)
拝殿回廊の和犬
拝殿の回廊右側に2体、左側に4体の小ぶりの和犬石像も奉納されている。


栃木県河内郡河内町立伏(リュウブク)142
JR宇都宮駅からグリーンタウン行きバス、立伏下車
高お(たかお)神社(宇都宮市大網町)

神社入口の石の社柱に「村社高お神社」とある。旧大網村の村社である。
拝殿の前に一対の山犬風和犬像が奉納されている。
左像は顔が破損しているが、右像は
牙を剥き長い尾をゆったりと巻いている

和犬像
奉納 明治28年(1895)11月21日

栃木県宇都宮市大網町263
JR宇都宮駅から今市車庫・日光東照宮方面バスで中徳次郎バス停下車、歩35分