中国御伽草子 西遊記



西遊記 第二章解説

(*1)増長天王
四天王のひとり。他には持国天<じこくてん>、広目天<こうもくてん>、毘沙門天<びしゃもんてん>(多聞天<たもんてん>)がいる。四天王は須弥山の中腹で警護している地居天<ぢごてん>(地上にいる神)なので位は低いといっていいだろう。兜率宮などがある空中に住まう神は空居天<くうごてん>という。

(*2)托塔李天王
毘沙門天の俗称。

(*3)なた・漢字表記
なた
托塔李天王の第三子。

(*4)牛魔王
このとき赭黄袍を持ってやってきたのは独角鬼王で、牛魔王六兄弟はこれ以前に悟空を訪れ、兄弟の契りを結んでいる。どういう人たちで、どういった経緯で、何が目的であったのかとか、詳しく書かれていないので(本当に数行程度の登場なのだ)はぶいてもよかったのだが、牛魔王は後にも出てくるので、ここで登場させておいた。

(*5)かんようとう・漢字表記
かんようとう

(*6)捲簾大将
原作では赤脚大仙と会ったことになっているのだが、後に捲簾大将が重要な意味を持って登場するので、あえて身代わりになってもらった。

(*7)兜率天宮
仏教では弥勒菩薩(天界で説法をし、釈迦の入滅から五十六億七千万年後に下界へおりて人々を救済するといわれている)のいるところ。道教では太上老君(老子つまり、道教の開祖)がいるところ。

(*8)二郎真君
道教の神。梅山の六兄弟や千二百の神兵を引率している。

(*9)劫<こう>
仏教で時間を表す言葉。一大劫というのは一世界が消滅する時間のことをいう。この地球が誕生して滅びるまでというのだから相当な時間だ。一大劫に一度だけ救済のために仏が姿を見せるといい、劫というのは一大劫の80分の1を示す。だから玉帝はそうとう長生きしている。長生きとは変に思われるかもしれないが、天人も輪廻の対象になり、寿命というのがある。しかも、天界といっても地上からあるレベルの高さまでは消滅の対象となっている。玉帝は消滅をまぬがれるところに住んでいるといえるようだ。
ちなみに一番短い時間の単位は刹那<せつな>といい、存在が生じる時間のことで1秒よりも遥かに短い。

(*10)オンマニハツメイウン・漢字表記
お札
梵語の音訳。「ああ蓮華の上の宝珠」という意味。このような言葉を真言という。仏の言葉なので中国語に訳さずに原語のまま発音する。


西遊記表紙  前のページ  次のページ

(C) Sachiyo Kawana