『デュース・ワイルド』 ネタばれストーリー解説 D







またお待たせしましたが、ついに最終回です。もう説明的なダイアログはないので、解説はあまり必要ないかと思いますが、取りあえずお届けします。結構つまんないですよ(をい)。それに、マルコのセリフが一言もなかったような気が… (やる気失せるなぁ…)



Chapter 13: Bankrolls & Betrayals

アニーとボビーが抜き足差し足でマルコの家に忍び込みます。ピッキングで5秒で鍵を開けるアニーも手慣れたものですね。ジミー・ポケッツから(たぶん酒で酔わせて)聞き出したお金のありかに直行。キッチンの流しの下の棚を開けると、猫が出てきてアニーが驚いていますが、監督のお話では、この猫は本当にここにいたらしく、演出ではないそうです。

外で隠れて見張りをしているボビーの近くで、フィリーとあの怪しげなフレディーのおっさんが都合良く話をしていて、その内容がボビーに聞こえてきます。

フィリー:「お前らはもう俺たちと組んでるんだ。さあ、ボート置き場へ急げ」
フレディー:「わかった。おい、ボート置き場だ!」

と、非常に説明的なセリフを残して、フレディーは仲間を引き連れてボート置き場へ向かいます。フィリーのほうは、マルコの家に鍵を開けて入ってこようとしますが、アニーは寸前で首尾よく金を盗んで家から出てきます。ボビーは、「俺はリオンに(裏切者がいるって)教えに行かなきゃ。金を隠して、ボート置き場で会おう」と言って、アニーと別れます。

一方、金が無くなっているのを見つけたフィリーは、「マザー●ァッカー!」と悪態をつき、「ジミー・ポケッツのやろう〜! 裏切者め!」と叫んでます。マルコとフィリー以外に金のありかを知ってるのはジミーだけですから、すぐ疑われてしまいました。


Chapter 14: Showdown/Leon!

ボート置き場では、スクーチ君が、勇ましく鉄パイプを持って加勢に来ていますが、デュースの皆は、「お前は小さすぎる。帰れ」と追い返します。そうは言われても気になるので、スクーチは物陰に隠れて様子を見ています。

フレディーおじさん(あ、今見たらオジサンじゃなくて結構若いかもしれない…)が仲間とぞろぞろやって来ます。リオンは「来てくれてありがとう」と握手して歓迎しますが、そこにボビーがヨタヨタと足取りも重く走ってきます。リオン兄のように軽快に、とはいきませんね(とほ)。そして、フレディーと親しげに挨拶したかと思うと、仲間が持っていた棒を取って、いきなりフレディーに殴りかかります。「このクソ野郎はフィリーと手を組みやがった! 俺たちをハメる気だったんだ!」と、ボビーは珍しくデュースのお役に立ってます。

そこに、真打ちマルコ登場。スローモーションの戦闘モードに入って、あちこちで痛そうな殴り合いが繰り広げられます。画面が乱れてもう誰が誰だかわかりませんが、もちろんマルコのお相手はリオン。映画と分かっていても、「ああぁぁぁ、そんなに殴らないでぇ〜」とお願いしたくなるほど、鼻血が出てもボカスカ殴ってますね。

そして、倒れたリオンの上に、ナイフを出したマルコがのしかかって来ます(このシーンのマルコ、かっこいいですね。そして今回ほとんど唯一のアップ…)。リオンはヤラれそうになりますが、ドラッグで死んだ弟アリーにボビーの顔をダブらせます。ここでマルコを殺らなければ、アリーと同じことがボビーにも起こってしまう、と底力を出したのでしょう。マルコを投げ飛ばし、もうマルコが動かなくなっても殴りつづけます。膝で、マルコの鼻に何度もケリ入れたりして…(あぁぁ〜 もう堪忍したってぇな…)

ところで、このボビーがドラッグで死ぬという想像のシーンは、「リオンにとってのホウレン草だ」、と監督はおっしゃってますが、ちょっと古いですよ〜監督…(皆さん、ポパイの話は知ってますか?)

さて、怒り狂ったフィリーが遅れてやってきて、「ジミー・ポケッツ! マザー●ァッカー!」と叫びながら、銃でジミーを撃ちます。これが裏切者ジミーの惨めな最後となりました。

一方、マルコをやっつけたと思って油断しているリオンの後ろから、マルコがナイフで忍び寄ります。隠れていたスクーチ君が、「リオン!」と叫んで鉄パイプを投げ、受け取ったリオンは振り向きざまにマルコに渾身の一撃。鈍い音がして今度こそマルコは死んだようです(ほろほろ…)。死に顔が映りもしません(ひどい)。

リオンに銃を向けるフィリーを、ボビーが後ろからバットで殴って、バイパーズの連中はあらかた片付いた模様。そこに、アニーがやって来てボビーと抱き合い、味方の勝利、悪人の死、そして美女(ぷっ)の登場という、典型的なハッピーエンドとなりました(しかし、そうは問屋がおろしませんが)。

リオンがスクーチの活躍を誉めて、おやすみを言ったところに、フリッツィー親分の部下が現れ、「よう、リオン。フリッツィーは警告しただろう」と言うなりリオンに発砲。ボビーが飛び出しますが、リオンは既に事切れているようです…


Chapter 15: Goodbye/No Junk

そしていきなりリオンのお葬式。ハリウッドのセレブがたくさん眠っている墓地で撮影されました。ほとんどのカットが上から下を見下ろすアングルになっていますが、それというのも LAの墓地はちょっと見渡すと椰子の木がいっぱいあって、お話の NYという設定と合わないからだそうです。

ボビーの語りが入ります。「この週は葬式がたくさんあった。マルコ、ジミー・ポケッツ、そして、俺の兄、リオン…」
デュースとバイパーズの両方のリーダーが死んだことで、戦争も終結、やっと平和が訪れましたが、兄弟のママは息子を二人も失ったことになりますね…

ところで、おカマのベッツィーはどうなるんでしょうね(←これでも結構気に入っているんですよ)。お葬式でも殆ど顔が見えないし… 今まではギャングのリーダーの女ということで、結構イイ思いをしていたんじゃないかと思いますが(極道の妻じゃあるまいし)、これからどうなさるのかちょっと心配です。

さて結局、兄弟のママはボビーのおじさん(ママの兄か弟?)と暮らすことになり、ボビーはアニーとアニーのママと一緒に LAに行くことにしたようです。そして、デュースのみんなと最後の涙の別れをした後、ボビーはスクーチ君にデュークのサイン入りグローブをプレゼントします。泣きそうなスクーチに見送ってもらって、車で LAに向かうところで終わりかと思ったら、まだオチが…

店から出てきて車に乗り込んだフリッツィー親分の上に、コンクリートブロックを降らせるボビー。「兄貴の死をムダにはしない」ということで、親分に1発お見舞いしたようです。ちなみに、監督のお話ではフリッツィー親分は死んではいないけど、大怪我をしたということになっているようです。それから、ブロックを降らせるところは撮っていますが、車に当たるシーンは映らず音だけが入っていますので、またたぶん予算の都合で、今回は車を壊していないんでしょうね。

しかし、マフィアの親分にこんなことしたら、LAだろうとどこだろうと追いかけてきてヒドイ目に遭わされると思うんですが大丈夫なんでしょうか? まあ、屋上から「ザマーミロ」って感じでにんまり笑ってるボビーが(めずらしく)カッコ良く見えないこともないですが。

最後に監督は、「僕たちは、金も時間もなく、ブルックリンの代わりに LAにいたけど、撮影の間、楽しんだよね」と結んでらっしゃいます。





【コメント】

監督の貧乏話をさんざん聞かされた後では気の毒になってしまって、「低予算の割によく頑張ったわね」と慰めてあげたくなります。まあ、映画的にはそれほど悪くないと思いますし、ノーマンも違うタイプのキャラクターを見せてくれたので、良しとしたいと思います。

ただ、残酷で切れ者で強いはずのマルコが、ジミー・ポケッツの裏切りを最後まで知らずにあっさり死んでしまったのは、ちょっと腑に落ちない感じです。クライマックスでもっと何か盛り上がるのかなあ、と期待していたのですが、なんだか不発弾みたいなサエない終わり方。裏切者はリオンではなかったと分かってマルコとリオンが和解、仲良く手を取ってブルックリンの街を仕切ったり…(しないでしょうな)。

ところでこの作品、よく考えたら兄弟愛映画なんですよね、処刑人と同じように。でも、その意味では全然萌えないんですけど、どうしてでしょう? 監督も、「ドーフとレンフローの美しい兄弟愛でキマリだぜ〜!」って感じで撮影に臨んだけど、レンフロー君の変わりようを見てびっくりしたクチではないでしょうか…?(勝手な推測) とにかく私は、「(レンフローに)だまされた〜」感が強かったです。




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