『デュース・ワイルド』 ネタばれストーリー解説 C






またもお待たせしました。今回は長かったです〜(疲れ)。物語もそろそろ佳境に。次回で最終回の予定です。


Chapter 10: Trust & Consequences

バイパーズの襲撃から一夜明け、呆然としつつも街の人たちは荒らされた通りを片づけています。デュースのメンバーの1人が玄関前の階段に座ってリオンに、「俺たち何かしなきゃ。弱みを見せると、バイパーズだけじゃなく他の奴らにも付け入る隙を与えてしまうよ」と言いますが、リオンは、「どうしたらいいか分からない」と途方に暮れた様子です(やけに弱気なお兄ちゃん)。

海岸でデートのボビーとアニー。もちろん LA のサンタモニカ・ビーチですが、監督は NY のコニーアイランド・ビーチのつもりで撮影してます。砂浜で寛ぎながら、「どこかステキな場所に逃げ出したい。マイアミとか」とアニーが提案し、ボビーは「俺なら、ロサンジェルスに行くな」なんて言ってます。ドジャースを見に行くためですね。そして、「君が行くなら俺も行く。今日にでも」と、結構本気です。

そこにいきなりバイパーズの連中がやってきて、暴れるボビーを物陰に運び(重そう…)、1発殴ったところで、マルコ登場。「ム所でお前みたいなタフガイどうなるか知ってるか? エロ本みたいに回し読みさ」ですって… ど、どどどどどういう意味かな〜?? その後のジミー・ポケッツのセリフ、「ページが全部手垢まみれになるぜ」というのも意味深ですね。いやぁ〜私には分からない世界だわぁ〜(ふっ)。

砂浜に押さえつけられたボビーの顔がひょっとこみたいなんですけど、ナンとかならなかったんでしょうか、監督…

「やめて!彼を放しなさいよ!」とマルコに飛びついたアニーに、あろうことかマルコは肘鉄をかまします。女を殴る事なんか屁でもない極悪人マルコ。

それから次のマルコのセリフ、「知ってるか、ボビー? お前の兄貴は公衆トイレでこの尻軽女とヤッたんだぜ」ということですが、どういう意味でしょうね? 別にリオンとアニーとの間に何かあったという話はなかったと思いますが、単に兄弟の仲に亀裂を入れるためにマルコが作った話なんでしょうか。

マルコはナイフでボビーの首に傷をつけ、「リオンに言っとけ。俺がぶっ殺しに行くってな」と言い残し、去って行きます。極悪非道のギャングのボスの割に、軽くナイフでなでるだけで許してくれるなんて甘ちゃんの扱いですね。

さてバイパーズのアジトで、マルコとジミー・ポケッツがビール片手に話をしてます。「ちょっと聞いていいか?」と始めて、ジミー・ポケッツが「もちろん」と答えても、マルコは、じーっとジミーの顔を眺めてビールを飲んだりして、なかなか質問を切り出しません。ひっじょーにビビってるジミー・ポケッツ(たら〜り)。

「お前の妹はデュースの野郎と付き合って何やってんだよ!」と声を荒げるマルコにジミーは、「け、計画の内だよ。リオンを見張れ、って言ってただろ? (妹に探らせるのが)1番の方法だと思って…」と苦しい言い訳をしてます。マルコは腑に落ちないながらも、「俺をがっかりさせるようなマネするなよ、ジミー」と、いちおう納得したようです。

そこにジミーの回想シーンが入ります。ヤクを売ってる現場を警官に押さえられたジミーは、ム所へ行きたくないばかりに、なんとマルコを売ります。裏切者は、このジミー・ポケッツだったんですね。だから、マルコに探るようにジッと見つめられるたび、動揺してあわあわしていたのです(→動揺した理由はマルコの妖しい視線のせいだったのかも知れませんが… でへ)

ちなみに、ジミーを捕まえようとした警官の声は、監督のものだそうです。アメリカではエキストラに一言でもセリフを言わせると、出演俳優として高いギャラを払わないといけないので、また制作費を節約するための苦肉の策だったんでしょうね(涙)。


Chapter 11: Brothers/Best Stuff

アパートの窓越しに、アニーがセクシー・ダンスをボビーに見せてますが、どー見ても妖怪ダンス(…)。アニーが指でハートのマークに矢が刺さったジェスチャーをして、投げキスまで送ってますが、かわい子ブリッコでちょっと不気味…(失礼) この窓越しのシーン、なぜかパラマウントの裏撮影所が都合が悪くて使えなかったので、またアンバサダー・ホテルのボール・ルームにセットを作って撮ったそうです。屋内なのに、街の喧騒や風がさり気なく入れてあって、本当に建物の合間という感じが出ていますね。

部屋ではボビーがリオンに、「彼女と付き合ったことあるのか?」と、訊いてます。マルコに言われたことを多少気にしているんでしょうね。もちろんお兄ちゃんは、そんなことない、と答え、「あの娘はお前の女だ。好きなようにしたらいい。ただし気をつけろよ」と、大人の発言。やっと弟離れしたんでしょうかね。

そして、「いつだってお前のそばにいる。お前は俺の弟だ」と一気に萌えムード♪ 見詰め合う兄弟2人! リオンはボビーの首の傷を見つけ、ボビーはマルコに襲われたこと、そしてマルコがリオンをやっつけにくると言っていたことを伝えます。

リオンは腹をくくったのか、「俺に何かあったら、ママをここから連れ出すと約束してくれ」と言います。ついでに、「愛してるよ、ボビー」「俺も愛してるよ」などと、妄想女にはたまらん会話を交わしてくれてますが、何故か全然燃えないんですよね…(やはりボビーの健康優良児フェイスがいかんのだろうな)

さて、たぶんマルコの家だと思いますが、ヤクの取引が進行しています(しかしショボい家ですねぇ、マルちゃんらしくない…)。マルコが札束をびしっと渡し、モーリスとかいうヤクの売人が、ブツを置きます。ジミー・ポケッツが味見することになり、ヘロインですから注射器の用意をしようと立ち上がりますが、マルコに「何やってんだ! 鼻から吸え!」と怒鳴られ、コカインみたいに吸引します。モーリスは、「ブルックリンで最高のブツだ。10倍に薄めてもブッ飛べるぜ」なんて言ってますから、また不純物でも混ぜてあこぎな商売をする気なんでしょうね…(やれやれ)

ところでノーマンは黒いタンクトップみたいなのを着ていて、体の線がとてもきれいに見えますね♪ ハラもすっきりへこんでいますが、ガードルでもはいているんでしょうか?(ぎょえ!→自分で言っといて今更…) ム所でのたるんだお腹は見せないほうがよかったと思いますが…(そこがイイのよ、というデ●専の方もいらっしゃいますけど (^^;))

取引が終わって、フィリーとジミー・ポケッツは台所の流しの下に、金をしまいます。床板が弛んでいて、その下に物を隠せる空洞があるようです。

さて、ジミー・ポケッツの家で、ついに兄妹のママ(デボラ・ハリー)が登場。頭のおかしいママをやらせたら天下一品ですね。なぜかクリスマス・ソングにこだわっているママは、真夏だというのに「ジングル・ベル」を歌っています。そのママにちょっかい出してるアホのジミーに、「あんたホントに負け犬ね」と、アニーが軽蔑したように言います。

どうもジミーは、大した才能もないのに自己顕示欲だけは強く、ママやアニーに自分を認めさせたくてしょうがないタイプのようです。聞かれもしないのに、フリッツィー親分と手を組んでいること、親分がマルコたちに4万ドルの前金をくれたこと、さらにその金は彼の家の秘密の場所に隠してあることまで、ぺらぺらと得意げにアニーにしゃべってしまいます(「内緒だぜー」なんて言いながら。ホントどーしようもないお調子者)。一方、キラリと目が光るしっかり者のアニー。「もう1本ビールどう?」なんてやけに愛想よく勧めてますので、たぶん酔い潰して秘密の隠し場所を聞き出すつもりなんでしょうね。

アパートのベッドで盛り上がろうとするリオンとベッツィー(またも、うへぇ〜)ですが、何故かリオンは「その気にならないんだ」なんて言ってます(やっぱり おカマさんとは出来ないんですね〜 ←だから違うって…)

しびれを切らしてベッツィーは帰ってしまいます。リオンが送っていく、と言うのを振り切って、夜の通りを独りで歩くベッツィーの前にマルコが…。はにかんだ笑みを浮かべて、おずおずとベッツィーを口説いてます(うはーッ!まさに悪魔の所業!)。「ム所にいた間、君のこと考えてた。人生に何かスィートなものが欲しいんだ。君みたいに」とかナンとか美辞麗句を並べて、ベッツィーの頬を撫でたりして、くっそーっ! おカマのクセに破格の扱いじゃないですか〜〜ッ!!(違)

すっかりその気になって(そりゃそーでしょう)、「私はリオンと付き合ってるのよ」と、困ってみせるベッツィーさんを、思いっきりぶん殴るマルコ! 「(ビンタが)よかったか!?」なんて聞かれても、「ええ、もちろんですとも!」と即答してはいけませんよ(え)。
→(やり直して、)マルコ、ひど〜い。いきなり豹変するんだから…。やっぱり(たとえおカマでも)女性を殴っちゃいけませんよマルちゃん(足蹴にするなら構いませんが)。

監督のお話ですと、元々の脚本ではこの2人は以前付き合っていた、という設定だったそうですが、やはり話の流れと合わないということで、それっぽいセリフをカットしたそうです。まあでも何となく2人には昔ナニかあったと思わせるような雰囲気がありますね(おカマだろーと何だろうと、ゴリちゃんよりマシ)。それからこのシーン、朝の4時半に撮影したそうです。ノーマン、ベッツィー役の人、撮影クルーの皆さんご苦労様です…(ほんと大変なんですねぇ、映画の撮影って)


Chapter 12: Annie's Plan/Betsy

プールでホットなラブシーン中のボビーとアニー。水で髪が張りついているボビーの後姿がタマちゃんみたい…(肉厚な肩の部分とか特に) 暑苦しいだけなので早送りしたいところですが(^^;)、アニーは重要な計画を打ち明けてます。ブルックリンから出て行くために、マルコの金を全部盗もうという大胆なアイディア。「お金の隠し場所を知ってるから、手伝って欲しいの」というアニーに、ボビーももちろん協力する、と約束します。

さて(マルコに襲われて)ボロボロになってアパートに戻ってきたベッツィーを見て、リオンはぶち切れます。「誰にやられた?」「何をされたんだ!?」と何度も聞いてますが、そんなの見れば分かるでしょ。マルコの仕業、とベッツィーの口から聞いて、「ぶっ殺してやるーッ!」とアパートを飛び出すリオン。

リオンはフィリーの所に車で突っ込んで、マルコを探しますが、フィリーはマルコの居場所を吐かないので、「真夜中、ボート置き場に来るよう言っとけ」と伝言を残して立ち去ります。

翌日、フリッツィー親分がお呼びということで、リオンはフリッツィーの店に連れて行かれます(ママは心配そう)。「この前ちゃんと言ってきかせたのに、フィリーの家に車で突っ込むとはどういうことだ?」と親分はお怒りのご様子。そして、もうバイパーズやデュースなんて言ってないで、大人になれ、と命令しますが、リオンは立ち上がって「それは出来ません」とはっきり言い返します(ひえ〜ヤバいですよ〜、兄貴)。

そこにマルコが呼ばれて入ってきます。フリッツィー親分は、「握手しろ。これからは仲良くするんだ」などと、無理難題を要求。リオンはもう怒りで卒倒せんばかり。マルコのほうは、だらしなくチキンを食いながらリオンの前に立ち、指を1本1本舐めたりして(あわあわ…)この表情がまた憎ったらし〜!(でも、かわいーの♪) コメンタリーによりますと、この時点でノーマンは既に山ほどチキン・ウィングを食べていたそうで、ほんとは吐きそうなのをこらえてたのかもしれません。ドーナツ食べたりピザ食べたり役者稼業も大変です。

さて、マルコはべろべろ指を舐めた方の手を差し出してますが、当然リオンは握手なんかせずマルコを睨みつけてます(→そ、その指、私に●●●らせて〜…という話は置いといて(^^;))。

マルコのほうもリオンと仲良くなんかしたくなくて、殺したいわけですから、握手する気はないのですよ。だから憎ったらしい表情(とべろべろ舐めた指)でリオンを挑発してるんですね。さらにトドメの、「俺のスィートなベッツィーはどうしてる?」というマルコの言葉に、リオンはマジ切れ。親分の前であることも忘れてマルコをぶん殴ってしまいます。ついでに親分に向かって、「皆を(ヤクで)殺せばいい!それでよく夜 眠れるな、この ●ァック!」と言ってしまい、まんまとマルコの思うつぼです(でもこれでも我慢したのよね、お兄ちゃん…)

マルコは、「俺がヤツを片づけます」と親分に言い、親分は何も言いませんので、リオンを殺す暗黙の了解を得たことになります。リオン危うし!

アニーの家では、ママがジングル・ベルのレコードをかけてご機嫌に踊ってらっしゃいます。この怪ダンスがまたスゴイ。デボラ・ハリー絶好調ですね。しかし、ママの異様なダンスと音楽にイライラしたジミー・ポケッツは、レコードを投げてぶち壊し、ママにつかみかかります。アニーは包丁を突きつけて兄を追っ払いママを守りますが、ジミーは悔し紛れに、「サンタなんかいないんだよ、マー!」と怒鳴ります。「あれはサンタだったわよぅ〜」と、泣き出すママを、「もちろんサンタはいるわ」と慰めるアニーですが、こんなママの面倒も大変ねぇ…

リオンはデュースの隠れ家でボビーに仲間を全員集めるよう言います。「今夜、決戦だ」というリオンの言葉に、ボビーは顔を引き締めて(といっても元々たるんでるので、引き締めようがないのですが)、「オーシャンサイド(地名)の連中に 22口径ピストルを用意してもらおうか?」と聞きますが、もちろんリオンは却下。仁義ある闘いですね(ほんとイイ奴です、お兄ちゃんは)。

マルコのほうは、「聖人(リオンのこと)が自分から十字架にかかりやがった」と、何もかも企んだとおりになったのでスキップせんばかりに嬉しそう♪ フィリーとご機嫌に祝杯をあげてます。そして、「みんなを集めろ。裏切者がやってくる。この時を3年も待ってたんだ」というマルコの言葉に、フィリーも「よっしゃ」と、こちらも決戦に向けて準備を始めます。

さて、アパートの屋上ではアニーが すげー顔で泣いてらっしゃいます(マジで恐いです。この間見た『陰陽師』の妖怪みたい)。多分さっきジミー兄とやりあったことで、もう耐えられない、と泣いているんだと思いますが、姐さん、その顔鏡で見たら涙も引っ込みますよ、きっと。

アニーは、金を盗んでここから出て行く計画を今夜やりましょう、とボビーに持ちかけます。決戦の夜ですから、今夜は無理だ、と初めは渋っていたボビーですが、更にすげー顔で泣き叫ぶアニーに押されて、結局計画を実行することにしたみたいです。

デュースの本部では、リオン始め仲間達が、これが自殺行為で、街の皆は俺たちのこと頭おかしいと笑ってる、などと自嘲的に話しています。でも、決戦をやめる気はないみたいですから、みんな良い子ですね。

さて、スクーチ君が隠れて話を聞いている姿が一瞬入りますが、これは別撮りです。スクーチ役の子は未成年ですから、夜働けませんので、プールのシーンを撮った後、(昼間に)このシーンを撮影したそうです。

デュース団は、あの胡散臭いフレディーおじさんと仲間達にも応援を頼んでいるみたいで、「フレディーが来てくれないと困ったことになる」なんて話しています。リオンは「奴は遅れたりしない。これが一大事だって分かってるからな」と律儀に言いますが、当てにしてはいけませんよ、お兄ちゃん…



(Dに続く…次回で最終回の予定です)







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