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叙情曲シリーズ


荒城の月


演奏時間 4:41



「荒城の月」は、滝廉太郎が音楽学校の懸賞募集に応募して当選した作品です。
23歳10ヵ月という短い一生の中で、『荒城の月』、『花』、『雪やこんこん』
など、数々の名曲を残した滝廉太郎。
彼は「富山で過ごした幼い頃が忘れられない」と語っていたそうですが、
この「荒城の月」のモデルとなったお城については、富山城址の他に
大分県竹田市にある岡城址がそのモデルだと言う説もあるようです。
滝廉太郎は少年の頃この岡城に遊び、そのイメージで世界的名曲「荒城の月」を
作曲したのだとも言われています。
今も竹田市内には廉太郎関係の施設が数多くあるそうです。
伝統的音階をもちいて日本的情緒をあますところなく表現したこの曲は、
日本の心の歌として親しまれてきました。今日歌われる「荒城の月」は大正7年に
山田耕作が編曲したもので、原曲では2小節目のホ音にシャープがつけられています。


荒城の月
 作詞 土井 晩翠
 作曲 滝 廉太郎

春高楼の 花の宴(えん)
めぐる盃(さかずき) かげさして
千代の松が枝(え) わけいでし
むかしの光 いまいずこ

秋陣営の 霜の色
鳴き行く雁(かり)の 数見せて
植うる剣(つるぎ)に 照りそいし
むかしの光 いまいずこ

今荒城の 夜半(よわ)の月
かわらぬ光 たがためぞ
垣(かき)にのこるは ただ葛(かずら)
松に歌うは ただ嵐

天井影は かわらねど
栄枯(えいこ)は移る 世の姿
写さんとてか 今もなお
嗚呼(ああ)荒城の夜半の月