葉っぱのフレディ

レオ・バスカーリア作
みらい なな訳


-いのちの旅ー
この本はとてもすばらしい絵本です。

フレディは、葉っぱに生まれて、たくさんの友達の葉っぱを
知り、みんなそれぞれ違う事を知ります。

夏になると、葉をたくさん茂らせて、来る人たちに木陰を作ってあげました。

秋には、それぞれ美しい紅葉。同じ木に、いっしょに生まれた葉なのに、みんな違います。
             〜みんな違ってみんないい〜金子みすず

友達のダニエルが、教えてくれます。
「生まれた時は同じ色でも、いる場所が違えば、太陽に向く角度も違う。風の通り具合も違う。月の光、星明り、一日の気温、なにひとつ同じ経験はないんだ。」
霜が降りてやがて冬。

引越しの時期。「ここにいたい」というフレディにダニエルが言います。
「僕たちは、葉っぱに生まれて葉っぱの仕事を全部やった。」と。

「ねえ、ダニエル、僕は生まれてきてよかったのだろうか?」
「僕らは春から冬までの間、本当によく働いたし、よく遊んだね。
まわりには月や太陽、星が・・・人間に木陰・・・秋には紅葉・・・
それはどんなに楽しかった事だろう。
それはどんなに幸せだった事だろう。」
フレディは一人になって、はじめて大きな木の全体を見ます。
そして、ダニエルが言った
「いのちは永遠に生きている」という言葉を思い出します。



枯葉のフレディは、雪のとけ水と混ざって養分となり、木を育てる力となるのです。

フレディ、それは私たちです。
私たちは、仕事をなし終えて死ぬけれど、永遠の命の中につながれています。
それは人間も、全ての生き物も、あるいは非生物・物も皆同じ。
生命・文化をつなげていく事で、大いなる“いのち”の中に生かされているのです。
だから、個体としてはなくなるけれど、それは、永遠の命の中に生きているのです。
この絵本が言っていることは「妙法蓮華経」と同じです。
   

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