「手牌7枚でもっとも効率のいい(テンパイチャンスがもっとも多い)イーシャンテン型はどんな形?」と問われても、瞬間的にはなかなか応えることが出来ない。もちろんすぐその形が浮かばなくても、その形を示されれば“ああ、そうだよね”という話になる。形が示されて“ああ、そうだよね”なら、実戦でその形がくれば迷うことはないはず。ところが、それがつい迷いがち。
ドラ(笑)
この形、打牌候補は。とはいうものの、切りはいささか筋ワル。一般的にはのどちらかとなる。どちらを選択しても、テンパイチャンスは5枚である。
切り がポンできて、がチーできる。
切り がポンできて、がチーできる。
要はのポン期待と、のチー期待のどちらをとるかという問題。もちろんテンパイチャンスは同じだし、どちらをとっても構わない。しかし両者を比べると、切りは残った手牌が厚過ぎる。そこで順当には切りとなる。そいならここから何切るか。
もちろん考える余地もない。黙って切りでとする。これでがポンできる。嵌がチーできる。がポンできてがチーできる。
そこで戦前、雀鬼と唄われた大先人沼崎雀歩氏は、全体を秤(はかり)に掛けて、「このようにポンができてチーができてポンチーが出来る形を残すべきだ、それが手牌7枚においてもっとも効率のいいイーシャンテン型」とし、これを「ポンよし チーよし ポンチーよし」の型と呼んだ。
昭和6年5月、菅野容夫(すがのやすお)という人が「一しゃん聴」(文雅堂)という本を著している。これはさまざまなパターンのイーシャンテン型をいろいろな角度から検証したもので、厚さ3センチにも及ぶ大変な労作(古書価格\4,000〜\8,000前後か)。興味のある人は古書店めぐりでも....
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