Treatis 論考

    (33)麻雀点数論 24
<平和8>


 このような現状に対し、一部には「門前ピンフのツモアガリのときだけ自摸の2符を否定する自模八計算は変則」として、あくまで平和加符のルール化を認めず、下記のような得点計算を主張する向きもある。
表39 原則固守式
門摸和 (20+2 ≒30)2(ツ モ)×4(ゾロ)×4=960≒1000
門栄和 (20+10) 2(ピンフ)  ×4(ゾロ)×4=960≒1000
副摸和 (20+2 ≒30)2(クイタン)×4(ゾロ)×4=960≒1000
副栄和 (20)   ×2(クイタンピン)×4(ゾロ)×4=640≒700
 これはこれで別に問題はない。とはいえ今までの経過で明らかな通り、原始麻雀では自摸2符が存在していただけで、ピンフ一翻はもとより、門前清摸和一翻および門前加10符も存在しなかった。摸栄逆転は、これらの後から付加されたルールと自摸符の相互作用で生じたものである。

 もとより摸栄逆転は門前清摸和一翻および門前加10符ルールの付加という原因によって生じた。そして自摸八計算平和加符は、その結果生じた摸栄逆転の是正を図るために考案された計算法である。

 すなわち是正措置である自摸八計算平和加符の不合理性を指摘し、原則計算法の正当性を論じるのは、原因を除去しないで是正措置の是非のみを論じていることになる。これはいささか本末転倒の論と云えよう。

 さらに言えば七対子においても、これが25符二翻であろうと50符一翻であろうと、特殊な得点計算法である事に変わりはない。

 ピンフにおける自摸八計算の不合理性を論じ、原則計算法の正当性を論じるのであれば、七対子にしてもの符底+対子符(+自摸符or門前加符)計算とか、七対子そのものの廃止を主張すべきということになる。

 そこでピンフというアガリを、たとえ一翻役でなくても何らかの形で得点にプラスさせ、かつ点数的矛盾を生じさせないとなれば、論理的な是正措置としてはほかに次のような方法が考えられる。

 一つは昭和5年、木村衛氏が提案した通り、ピンフ一翻から加10符役に格下げする事である(表27参照)。しかしもとよりこのような方式が現代麻雀に受け入らるとは考え難い。

 もう一案は、ツモ・ピンフ問題のネックとなっている自摸符そのものを廃するという方式である。
表40 自摸符廃止案(得点は子の場合)
門摸和 (20)×2(ツモ)×2(ピンフ)×4(ゾロ)×4=1280≒1300
門栄和 (20+10)   ×2(ピンフ)×4(ゾロ)×4=960≒1000
副摸和 (20) ×2(クイタンピン)×4(ゾロ)×4=700
副栄和 (20) ×2(クイタンピン)×4(ゾロ)×4=700

 表40の場合、門前アガリについては自摸八計算を導入したときと同じ結果になるので、その点は問題ない。しかし副摸和・副栄和において700点という得点が発生する。しかし前述した通り現代の一般麻雀には最低点1000という暗黙の設定があり、実戦ではすべて1000点で精算されている。

 この副栄和にしても、現実に1000点で処理されている現状において、「副摸和しても700点で精算」という方式を主張するのは、現状無視の論説となり、現代麻雀に受け入らるとは考えられない。

 そこで仮にこの点をカバーすべく、ピンフ型の副露アガリについては平和加符10符を導入すれば、副摸和・副栄和とも得点は1000点になる。しかしこれは副栄和に平和加符を導入した関東式と同じ結果となる。

 すなわちあえて自摸符を廃したとしても、門前アガリ・副露アガリとも、結局は現在の自摸八計算および平和加符による関東式と同様になる。これでは自摸八計算に代えて自摸符を廃した意味がない。

 そこで摸高栄低という基本から一般麻雀におけるピンフ問題を考えると、結局は、関東式の自摸八計算および平和加符による関東式が順当な方式ということになる。

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