今回は少しマニアックな話。
日本の一般麻雀の得点は、端数切り上げ処理をして算出する。計算の仕組みは周知のことと思うけど、
話の都合があるので最初から書く。ウザイと思われる方は、下の説明は読み飛ばし可。(^-^;
たとえば、南家が次のような手をツモアガリしたとする。
ポン ツモ
基本点は 20(符底)+2( ポン)+2(ツモ)=24符である。この時点で30符に切り上げる。アガリ役はタンヤオ
の一翻+場ゾロ(二翻)=三翻なので、30符を3回倍々計算する。すると240点となる。この時点で300点に切り
上げる。これが西家と北家の支払い額。
東家は散家の倍額を支払うが、300点×2=600点ではない。300点をまた240点に戻してから、倍額にする。
すると480点となる。これを500点に切り上げる。これが東家の支払額。すると南家の得点は結果的に1100点
となる。
一般麻雀の場合、これがツモアガリの最低得点。百点棒の支払い本数から、俗に3本5本(さんぼんごほん)
と呼ばれている。基本点段階で1回、倍々計算したあとで1回、計2回の切り上げを行うので、ダブル切り上げ
とかダブルアップと呼ばれている。またこの計算法では30符六翻のアガリは子で7680点、切り上げて7700点に
なる(親の場合は11600点)。しかし一般麻雀の場合、30符六翻については この時点で3回目の切り上げを行い、
7680点を8000点、11600点は12000点とすることも多い。この場合はトリプル切り上げ、またはトリプルアップと呼
ぶ。と講釈を垂れまくったところで、ようやく本題 (^0^;
現在二十二麻雀(アルシーアルマージャン)と呼ばれる古典麻雀では、こんな端数切り上げ計算はしなかった。22符
は22符、24符は24符としてきっちり計算した。そこでこれは精算法と呼ばれた。昭和4年、日本麻雀連盟(以下、
日雀連と)が結成されたとき、とうぜん精算法で計算されていた。
どんな計算法でも慣れてしまえば同じだが、慣れるまでが一苦労。そこで昭和7年、試験的に四捨六入法が
導入され、翌昭和8年から正式採用となった。以来、日雀連は、ずっとこの方式で行われていた。
二十二麻雀に一翻縛りはない。そこで下記のような役ナシの手でもツモアガリOKとなる。
ポン ツモ
基本点は20(符底)+2( ポン)+2(ツモ)=24符。役ナシなので倍々計算もナシ、この24点が直接 得点計算に
直結する。四捨六入法なので、まず4符は切り捨てとなる。残るは符底の20点。そこでアガったのが散家(子)で
あれば他の散家から20点づつ、東家からその倍額の40点、合計80点の得点となる。これが二十二麻雀の最低
得点。点棒の支払い本数から俗に24(にしん)と通称されていた。
2004年、そんな二十二麻雀の世界に80年振りの大変動が。なんと最初の段階における符計算が四捨六入法
から端数切り上げ法に変わったのだ。
上記の手で云うと、基本点は24符(20(符底)+2(ポン)+2(ツモ))。この4符を切りあげて30符。子1人の支払
いが30点、親が60点支払うので合計は120点となる。これが改正後の二十二麻雀の最低得点(通称は36(さぶろく)
なのか)。
しかし役があって倍々計算した場合でも、そこでの端数は切り上げしない。いや、“しない”というより、する理由
がない。つまり最初の段階で1回しか切り上げを行わないので、シングルアップということになる。いずれにせよ、
この改革によって点数計算はグンとシンプルになった。
単にシンプルになっただけでなく、ゲームでの影響もかなり大きい。たとえばピンフアガリの場合、これまでは
門前のロンアガリで240点、ツモアガリで160点であった(散家)。要はピンフ手をツモアガリすると、得点が低くなっ
ていた。それがこの改訂の結果、両者とも240点となった。
また食いピンフとなると、これまではロンアガリで160点、ツモアガリで80点と ダブルスコアの差が生じていた。
それがこの改訂でロンして160点、ツモって120点となり、状況がずいぶんと改善された。イヤ、実に結構な改
革かと。#食いピンフの場合でも両者同額(160点)になる名案があるんだけど、採用してくれないだろうなぁ....
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