久しぶりに40年来の知人の○○さんと飲んだ。この○○さん、雀歴40年なのに点数計算がイマイチ。アガると、必ず「え〜と、点跳ねだから....イチロク・ザブニイ・ロクヨン....、2600」などとやってる。数え終わったころには、目の前に点棒が差し出されている。(笑)
どうして40年経ってもそうなのか不思議でしょうがない。飲みながらそう云ったら、「いや、オレにもわからん。わっはっは」、こっちもつられて「わっはっは」
その話の続きで、「そう云えば中国麻将には符計算が無いと聞いてる。そっちを始めてみようかな」という。
「中国麻将だって符計算はあるよ」と云うと、
「え、そうなのかっ」
「うん」
「ひい〜」(笑)
日本麻雀の点数計算は、符計算と翻計算の2重構造になっている。というより、これが中国から伝わった方法なので、そのまま踏襲しているわけだ。
二重構造なので、まずベースになる符底(20)に対子や刻子などのメンツ符を加算。そこに単騎とか辺張・嵌張・ツモなどのアガリ型符を加算する。これが符計算の部分。次の段階として、その符の合計(連底)を役の数だけ倍々勘定して(翻数計算)得点を算出する。
倍々勘定は連底(符の合計)を千点、2千点、4千点と倍にしてゆくだけだから比較的楽な計算。しかしその前段階の、符計算の部分がちと判りにくい。そこで点数計算がなんとなく苦手、という人がでてくる。
で中国公式ルールの点数は、○○さんのように符計算は無いと思って人がいるわけだけど、そうではない。無いのは翻数計算である。正確に云うと、「中国麻将だって符計算はあるよ」、ではなく、「符計算オンリー」
たとえば日本麻雀では、一九牌の明刻は4点、暗刻は8点である。中国麻将は、明刻・暗刻の区別なく1点となっている。そのあたりを表にすると、こんな感じ。
|
日本 |
中国 |
ツモ符 |
2 |
1 |
嵌張符 |
辺張符 |
単騎符 |
* |
* |
中張牌 |
一九字牌 |
役牌 |
日本 |
中国 |
日本 |
中国 |
日本 |
中国 |
対子 |
-- |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
刻子 |
明刻 |
2 |
0 |
4 |
1 |
4 |
2 |
暗刻 |
4 |
0 |
8 |
1 |
8 |
2 |
槓子 |
明槓 |
8 |
1 |
16 |
1 |
16 |
4 |
暗槓 |
16 |
2 |
32 |
2 |
32 |
4 |
日本麻雀では、この符の合計(連底という)を役の数だけ倍々勘定する。しかし中国公式ルールでは、アガリ役の翻もすべて符化されている。みんながよく知っている役で云えば、こんな感じ。
* |
日本(翻) |
中国(点) |
イーペーコー |
1(0) |
1 |
ピンフ |
1(0) |
2 |
タンヤオ |
1 |
2 |
チャンタ |
2(1) |
4 |
トイトイ |
2 |
6 |
ホンイツ |
3(2) |
6 |
サンシキ |
2(1) |
8 |
イッツウ |
2(1) |
16 |
※中国公式ルールでは、役満は64点か88点に設定されている。
このように中国麻将では、アガリ役は全部符化されている。翻が無ければ翻数計算も無い。その代わりすべての符の合算(符計算)という作業が必要となる。符計算が無いどころか、符計算だらけ。かなり頑張らないと結構習得が難しい。(-_-)
どうしてそうなったかという話は措いといて、中国麻雀にはもともと符役というものがあった。符役とは、アガったときに翻ではなく符を取得できる役のこと。たとえば嶺上開花や海底自摸は、中国古典麻雀ではもともと4符役であった。
それが時代の中で一翻役へと昇格した。麻雀が日本へ伝来したときはすでに一翻役となっていた。そこで日本麻雀には符役というものがない。アガリ役はすべて翻役となっている。しかし対子や刻子などの部分に符計算が残っている。
ゲームの勝敗を決めるのは得点であるから、点数は重要に決まっている。しかし点数は重要であっても、点数の算出方式は重要ではない。誰でも簡単に習得できる方式が良いに決まっている。
ゲームの世界にうといので、ゲームが終わった時点の得点で勝敗が決まるという盤上ゲームを思いつかない。そこでスポーツの世界で云うと、サッカーにしても野球にしてもバスケットにしても、得点の算出は容易である。
日本麻雀でも、麻雀は面白いけど得点計算は苦手という人は結構いる。前にどっかのコラムで新人プロaの、「点数計算もちゃんとできます」というコメントを見たことがある。それは結構なことだけど、プロのレベルって、そういう問題じゃないだろうとも思った....とは云ものの、そう云いたくなるほど符計算と翻数計算の二重構造は習得しにくいものであることはたしかだ。
その点、中国公式麻将は二重構造でないけれど、きわめて煩雑なのに変わりはない。とてもじゃないがσ(-_-)のようなロートルには、にわかに習得し切れない(○○さんクラスとなれば、もっと時間がかかるかも....)。そこでせっかくの中国麻将も、最初のうちこそもの珍しさでゲームされても、その部分がネックとなって放り出される事があるかも知れない。
大体からどうしてアガリ役が80種、アガリ点も88点までに設定されたかと云えば、中国のラッキーナンバーが8だから。そこで点数も88点まで、アガリ役も300ほどの候補から、もっと絞れば絞れたけれど80になるようにした(らしい)。
別に縁起を担ぐのは構わないけど、新たに中国を代表する競技用の麻将を作成するというなら、縁起や偶然性より競技性を重視してほしかった。
朕思ふに(-_-) このまま符計算オンリーで行くのなら行くでいいけれど、80種のアガリ役と1点役から88点役まで12種類もある区分けを、それぞれ半分くらいに絞った方が良いと思う。そこで中国政府から要請があればいつでも手を貸そうと思っているんだが、いまだに要請が来ん。(笑)
※純麻雀は、一翻1500点・二翻3000点というように、翻計算オンリー(符計算は無い)。
て、最後は純麻雀の宣伝か....(^-^;
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