Piller stone 柱石 

    (7)アガリ見送り


 状況はあまり重要ではないけれど、まぁいちおうオーラスの北家のAさん、7千点沈みの3位、満貫をアガればプラスの2位には浮上する、ということにしておこう。で、そのAさんが中盤、下記の手でリーチ。場には三索1枚切れ。ドラは九筒ということにしておこう。

  中中三索三索八萬八萬八萬六索六索六索一筒二筒三筒

 ほどなく対面のBさんより中がでた。一瞬迷ったが、高めでもあるし裏ドラが乗る可能性もある。そこでロンしたが、結局は3200点止まりであった。何はともあれゲームが終わり、成績記入となった段階で、最後の親であったCさんも含めた会話。

A「やっぱ、中見逃しでツモにかけるべきだったかなぁ
B「そりゃそうだろ、中でロンすれば、マイナスの3位確定じゃないか
A「だよな〜。それで俺もちょっと迷ったんだ。でも裏が載るかもしれないと思って・・
B「乗るか乗らんか、そんな不確定なモノに期待してるようじゃあ
C「そう云うけどな、実は俺は六筒九筒でテンパイしてたんだ。見逃しなんかしてたら、俺に満貫振ったかも知れんぞ」
A「そうかぁ、じゃ、やっぱアガって正解か・・・

 Aさんがアガって正解かどうか分からないけど、ちょっとピントがハズレた発想のような気がする。

 Aさんがアガった手、裏がアンコで載れば結果オーライの大喜び。そりゃ誰だってそうだ。しかし裏の話はアガってみなけりゃ分からない。そして現実には載らなかった。しかしアガリに迷いがあるから、載らなければ「あぁ残念、裏は載らないのか」、あるいは「やっぱ、見逃しすべきだったかなぁ」という話になる。

 この迷いがある人は、思い切って見逃し、みごとツモれば「やったぜベービー」と喜ぶにしても、逆にCさんに満貫でも放銃してラスに落ちれば、「あぁ、アガっとけば良かった・・・・」とグチが出ることになる。

 正直言って見逃すか見逃さないか、その場にならなきゃ分からない。誰だってリーチ時点ではツモリ三暗刻を念頭に置いている。たとえ中でも、できればロンアガリなどしたくない。しかし場にはプレーヤーにしか感じることの出来ない場の匂いというものもある。

 そこでたとえ立直時点ではツモアガリのつもりであっても、匂いにしたがって中or三索でロンしたとすれば、もはや裏が乗るかどうかは関係ない。大げさに云えば信念を持ってロンする。あとは乗れば乗ったで、マンモスラッキというだけの話。

 逆に匂いに従い、信念を持って中を見逃したとする。となればその後、親リーがあろうが、ドラポンがあろうが、大放銃によるラス目への転落があろうが、関係ない。万が一みごとツモれば、これも同じくマンモスラッチというだけの話。

 見逃しが是か非かではない、そのメリハリがあるか無いか。それが無ければただのドンジャラになりかねないと思ふ次第だ。

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