Personal analyze 諸分析 .

    (3)字一色におけるダブル役満発生率


問題 : 字一色におけるダブル役満発生率は、いくらか。

 字一色という役を和了することができる確率がいくらぐらいあるのかよくわかりませんが、今回の問題はそういうことではなく、純粋に数学的な組み合わせの問題として、字一色の和了形の中でダブル役満、具体的には、字一色+大四喜/字一色+小四喜/字一色+大三元になる組み合わせの数を問います。
 
 なお計算を簡略化するために、四暗刻(単騎も含む)と四槓子と天和と地和については考慮しません。一応、ベースのルールとしてはFMAJAN/RT麻雀公式戦ルールとします。

 もう少し具体的に言及すると、
  東東東白白白発発発中中中北北 → 字一色+大三元 
  東東東南南南西西西白白白発発 → 字一色のみ
 というような感じで、ダブル役満になるパターンと、ならずにシングル役満で終わるパターンがありますが、その組み合わせ数比は如何ほどか?という問題です。
 
解答
 各面子のパターンには、明刻、暗刻、明槓、暗槓の4通りがありますが、今回は「純粋な数学的な組み合わせ」の問題ということで、「明刻と暗刻」「明槓と暗槓」の各区別はしないで計算することにします(面前か副露かの区別はしないという事です)。しかし、14牌あがり形と槓が少なくとも1つ以上混在する15牌〜18牌あがり形とは区別して考えます。

しかし、結果として、上述のような槓の混入について気にする必要は全くありません。
というのは、求める字一色でのW役満発生率では、分子に当たるW役満の方も、分母に当たる字一色全体の方でも、同等に槓の発生パターンが考えられるため、一番簡単な3枚パターン(明刻・暗刻)のみを計算すれば、結果として比率は正しく求められます。
 
[字一色全体の組み合わせ数]***************(A)
7種類の字牌で、4面子と1雀頭を選びますから、全体の組み合わせは、
7C4 * 3C1 = 35 * 3 = 105 通り

[W役満:大四喜となる組み合わせ数]*******(B)
東南西北で4面子は確定、残りは雀頭の組み合わせだけであるから、
3C1 = 3 通り


[W役満:小四喜となる組み合わせ数]*******(C)
刻子となる3種類の風牌を4種類の中から選び、残り1面子は、三元牌から選びます。雀頭は残り1種類の風牌に限定されている。
4C3 * 3C1 = 4 * 3 = 12 通り

[W役満:大三元となる組み合わせ数]*******(D)
三元牌で3面子は確定、残り1面子を4風牌から選び、雀頭はさらにその残りの3種類の風牌から1つを選びます。
4C1 * 3C1 = 4 * 3 = 12 通り

したがって、求める発生率は、

(B+C+D)/A = (3+12+12)/105 = 27/105 = 9/35 (約 0.257)

 これが私が想定していた解ですが、結果的に、想定解に穴」がある事が判明し、出題の文章のままでは、正確な解答が、(おそらく)計算不能になると思われます。m(_ _)m
この字一色七対子を対象に入れた場合の計算については以下にまとめます。

字一色七対子
 これ自体の組み合わせ数については、麻雀牌1枚1枚を別物とし認識する計算方法で、計算が可能と思われます。しかし、そうすると、槓が少なくとも1つ以上混在する手牌との確計算において、同じように確からしくない根元事象同士を同列にってカウントすることになりますので、よろしくないようです。

 もう少し具体的に云うと、14牌の手牌と15牌の手牌というのは、槓が1つ入っているかだけかの違いですが、同列のものとしてカウントできません。なぜなら槓の発生率(仮に、Kとします)。k1.K2.K3.K4が不明であるからです。4面子の手牌だけを考える場合ですと、それが分母分子に両方とも来ますから、うまく消せて、槓の発生率に依存することなく、計算できます。それが、七対子の組み合わせ数が、分母に加わると、うまく打ち消せなくなって、計算不能に陥ります。(゚o゚;
-------------------------------------------------------------

 槓の発生率を考慮せずに、手牌15牌〜18牌のパターンについて単純に場合数を一応、計算してみました。

[ア]字一色全体の組み合わせ数
<a>14枚パターン(槓=0)
 7種類の字牌から4面子を選び、それぞれの刻子は4枚の中から3枚を選びます。雀頭については、残り3種類の字牌から1つを選びます。
  7C4 * (4C3)^4 * 3C1 *4C2 = 35 * 256 * 3 * 6 = 161280 通り
 
<b>15枚パターン(槓=1)
槓子になる字牌を7種類の中から1つ選び、残り6種類の字牌から3面子を選びます。雀頭については、残り3種類の字牌から1つを選びます。
 7C1 * 4C4 * 6C3 * (4C3)^3 * 3C1 * 4C2
 = 7 * 1 * 20 * 64 * 3 * 6 =161280 通り


<c>16枚パターン(槓=2)
槓子になる字牌を7種類の中から2つ選び、残り5種類の字牌か
ら2面子を選びます。雀頭については、残り3種類の字牌から1
つを選びます。
 7C2 * (4C4)^2 * 5C2 * (4C3)^2 * 3C1 * 4C2
 = 21 * 1 * 10 * 16 * 3 * 6 = 60480 通り

<d>17枚パターン(槓=3)
槓子になる字牌を7種類の中から3つ選び、残り4種類の字牌か
ら1面子を選びます。雀頭については、残り3種類の字牌から1
つを選びます。
 7C3 * (4C4)^3 * 4C1 * 4C3 * 3C1 * 4C2
 = 35 * 1 * 4 * 4 * 3 * 6 = 10080 通り

<e>18枚パターン(槓=4)
槓子になる字牌を7種類の中から4つ選びます。雀頭については残り3種類の字牌から1つを選びます。
 7C4 * (4C4)^4 * 3C1 * 4C2= 35 * 1 * 3 * 6 = 630 通り

<f>七対子パターン(槓=0)
(4C2)^7 = 6^7 = 279936 通り

(単純合計組み合わせ数)
 =161280+161280+60480+10080+630+279936 = 673686 通り

しかし、これらは、同じように確からしい根元事象同士ではありませんから、やっぱり単純に加えるのには、無理があるように思います。

一応、七対子問題についても、ある程度考慮したということで、御勘弁願えれば幸いです。(^^;)

この分析の題意は、W率を計算する事により、実際のRT公式戦での発生率と比較し、またその期待値から、字一色の評価の正当性を検証できればいいな、というものでした。

(1)公式戦データ
 私が集計 が終わっている第5期〜第11期を通算して、
 シングル役満字一色: 8回( 8/12=67%)
 ダブル 役満字一色: 4回( 4/12=33%)

 (内訳) 字一色+小四喜  2回
       字一色+大三元  2回
   
 単純な組み合わせ数比では、
  シングル役満字一色 :26/35 (74%)
  ダブル  役満字一色 : 9/35 (26%)
 
 です。この計算上の理論値からはやや離れましたが、回数が全体で12回の話ですから、信頼区間どうとかいうレベルの話ではないようです。ただ、総半荘数は14000半荘以上有りますから、逆説的にはなりますが、それなりの意味(重み)はあるとも言えます。

 小四喜と大三元の回数が同じ2回ずつというのも、計算上の12回ずつと対応しており、興味深いです。

(2)期待値
            確率   点数(子)
 シングル役満字一色 :26/35 (74%) 32000
 ダブル  役満字一色 : 9/35 (26%) 64000
 
 期待値=(26/35)*32000 + (9/35)*64000=40228= 約40200 点

  字一色は、通常役満に、さらに満貫1個分上乗せの期待値である事がわかった(→五倍満相当)。これはこれで絶妙のバランスであると考えたい。
by 多摩(ターニア)98/9/27

以前へ  以降へ  目次へ