Other stone 他山石 

    (5)なりゆきで打つ


 ある新聞の何切る問題。
 持ち点とか順位とか、何も考えなくてもよいという状況で次の手。

二萬三萬三萬六萬七萬八萬八萬八萬五筒七筒九筒一索二索  ツモ三索 ドラ九筒

 問題を見て「回答は三萬切りになっているだろな」と思った。解説を見ると、やっぱりそうだった。ほいで「このあと、嵌八筒を引けば五筒切りでリーピンドラ1。一萬 四萬 引きなら五筒を切ってリーチ・ドラ1。六筒 引きなら九筒 切りでリーチピンフ」というようなコメントがついていた。

 そりゃ三萬切りなら、そういうことになる。しかしこれは手順でも打ち筋でもなく、単なる手牌の整理法。一言で云うと、面白くもなんともない。。。

 別に三萬切りは間違い、なんて云うつもりはない。間違いとか手筋がどうのこうのという事とは別の問題だ。

 凧と麻雀はアガらなければ話にならん、とは云うものの実戦では必ずしもそうではない。いわゆる“なりゆきで打つ”こともよくある。そしてここで三萬を打ち、そのあと嵌六筒でも引いたら九筒を打ってリーチピンフ、一萬四萬 引きなら五筒を切ってリーチ・ドラ1、アガリは最高で3900(子のリー・ピン・ドラ1) or 5200((子のリー・ピン・ツモ・ドラ1)なんてのは、単なる“なりゆき”。

 “じゃあお前ならどう打つ”と云われれば、かなり高い確率で五筒を打つ。別に将来嵌八筒のマチになったとき、その吊りだしを考えてのことではない。第一、この手を嵌八筒でリーチする気などハナから無い。

 五筒を切ったあと、嵌八筒を引けば、そりゃ三萬を切って一萬四萬 に受ける。しかし先に、一萬四萬三萬でも引けばとりあえず嵌八筒 の仮り聴。五萬八萬 引きを待ってドラ単リーチ、最低52ねらい(子ロン)、 運よく先に九筒ツモなら感激リーチというところ。

 最初の選択でうっかり五筒ではなく三萬を切ったとしても、ことは一緒。一萬四萬引きならとりあえず嵌八筒の仮り聴、五萬八萬 引きでドラ単リーチ。

 そいじゃあ三萬切りでもおんなじでは、と思うかも知れない。たしかに三萬切りで一萬 四萬引きならその通り。しかしその場合、三萬暗刻引きにロスが出る。どうせ嵌六筒は期待してない。なら三萬暗刻引きも考えて五筒を打つ。

 別に“σ(-_-)の打ち筋はすごいだろう”なんてアホなことを云うつもりはない(よくありがちな手筋にすぎん)。しかし“なりゆきで打つ(こともある)”というのは、あくまで実戦での話。

 云いたいのは、こういう特に状況設定のない何切る問題で、なりゆきの手筋を講釈しても始まらんのでは、と云うこと。おまけに嵌六筒を引いてドラ切りリー・ピンでは目も当てられん。。。。

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