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     (29)ツモ牌層理論


 先日の某大手スポーツ紙の何切る。

  二萬三萬六萬六萬九筒九筒一索二索三索三索五索中中 ツモ一索 ドラ九筒

 東の1局の6巡目、西家の手牌。これまでの5回のツモで、中六萬三索と引き、この一索ツモでチートイのイーシャンテンになったとこ。さぁここで何切る。と云ったって、常識的にはチートイとチャンタの両天秤で五索切りだろう。

 と思いつつ解説みたら、「つい五索を切りたがる。しかしここまでのツモが中六萬三索なら、これはトイツがのびるツモ牌相そこでその傾向をもう少し追いかけるため、ここは打二萬でチートイに狙いをしぼる」 はぁ?(@_@)

 打五索では常識的すぎて、面白くもなんともない。そこで奇をてらってチートイ決め打ちの二萬回答。しかし単に「トイツ場だから、チャンタには目もくれずチートイを決め打ち」ということなら、二萬 or三萬ではなく二索 or五索でもいいことになる。そこで持ち出すツモハイソー

 先般、近代麻雀にツモ牌相理論の短期連載があった。その中に、こんな下りがある。

シュンツになりやすいターツは、トイツになりにくい。
シュンツになりにくいターツは、トイツになりやすい。


 この伝でゆくと、この手牌の中で、もっともシュンツになりやすい=もっともトイツになりにくいのは二萬三萬のターツということになる。

 このコラムにはそこまで書いてないが、「これはトイツがのびるツモ牌相」という一文は、これが、チートイに的を絞るにしても、五索 or二索でもなく、二萬切りとする理由だろう。

 ただ三萬ではなく二萬先打ちとしたのは、すでにトイツになっている牌(この場合は六萬)のスジ牌(三萬)もトイツになりやすい、というスジトイツ論のためか? いや、これはさすがに深読みか?

 いずれにしても、何を基準にどんな解説をしようと自由だけんど、近麻の取材記者をして、「(他人には)深すぎて理解できない!!」というツモ牌相打法を、彼氏は会得しているとでも云うのかな....

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