Other stone 他山石 

     (24)センスの一打


 どっちか云うと、ブータレが多いこのコラム....(-_-) しかしブータレばかりではない。いいものはいい。というわけで、本日は素敵な、何切る。

 東の1局、北家の2巡目、いま發をツモったところ。さあ、何切る。

四萬九萬三筒四筒四筒七筒九筒一索五索七索八索九索發  ツモ發 ドラ一索

 789サンシキやらチャンタやら、遠いところでは索子の一通やら、345サンシキやらいろんな可能性が見える。しかしまぁ、もっとも可能性が高そうなのは、789サンシキドラ一索入りメンツを抱えたチャンタというところ。

 そこで単純に、絶対切らない方がいいと思えるのは、九萬三筒七筒九筒一索七索八索九索發の9枚。となれば候補は四萬四筒五索の3枚。いろいろ意見はあるだろうけど、まぁ、一般的には四萬五索が第一候補。

 そいでσ(-_-)なんかは一般的だから、まず四萬五索を切る。だって四筒は、ひょっとして發が刻子になったときの雀頭候補。しかしセンスのいいプレーヤーなら四筒を切る。じっさい回答も四筒切りだった。

 理想型と云えばキリがないけど、いちおう夢見るテンパイ型は、こんな形か。

 八萬九萬七筒八筒九筒一索一索七索八索九索發發發

 少し現実的にすると、こんな形など。
 八萬九萬七筒八筒九筒一索二索三索七索八索九索發發

 八萬九萬七筒八筒九筒一筒二筒三筒七索八索九索發發
   
 八萬九萬七筒八筒九筒三筒四筒五筒七索八索九索發發

 となれば2枚ある四筒、1枚は利用価値がうすい。ならばここで四筒を切っておくのがセンスの一打。別に、早めに四筒を処理しておき、ひょっとして将来二筒五筒待ちになったとき二筒をおびき出しやすくする、なんて考えからではない。第一、序盤に四筒四萬五索などと切り出していたら、二筒なんぞ、出てこんぞ。

 このあと2,5筒を引いてしまえば話も変わるが、基本的には四筒2枚落とし、ツモによっては三筒落としの構想だ。

 もちろんどうせ切る四萬四筒五索なら、どういう順番で切っても、たぶん大勢に影響はない。 それどころかアンコる可能性を残し、四萬五索四筒の順に切ってゆくのもアリという感じ。要は四筒をいま切るか、四萬五索の後に切るかという問題。

 そこで仮にσ(-_-)がこの手を後ろで見ていた場合(もちろん着席して(笑) )、プレーヤーがノータイムで四筒を打ったら、(へぇ、センスがいいなぁ)と感心する。
ノータイムで四萬五索を打ったら、(うん、順当では)と思うだろう。
ノータイムでも九萬を打ったら、(げえっ、でもノータイムで打っただけマシか....)と思ふ。

少考してから四筒を打ったら、(うまいけど、ヘタかも...)
少考してから四萬五索を打ったら、(そんなもん打つのに考える必要があるのか)
少考してから九萬を打ったら、(尼寺へゆけ....)

 もちろんノータイムで四萬五索を打ったプレーヤーにしても、とうぜんチャンタは念頭にあるだろう。そこで四萬五索を処理したあとは四筒に手をかけ、結果的には大同小異の手に育ってゆく。

 しかしこの時点で何を選択したとしても、それがノータイムでの選択であったかどうか。あるいはノータイムであっても何を選択したのか。その違いが雀力の差。

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