Other stone 他山石 

     (15)経験則....


 今日は別に文句でもなければ不満でもない。単なる感想みたいなもんだ。

 東の1局、南家、5巡目、一般高がらみのまずまずの手。

    三萬三萬四萬五萬五萬五筒七筒八筒八筒三索五索七索八索    ドラ四筒

 ところがここへ字牌を5枚連打したあと、6枚目の九萬で、親が早いリーチを宣言。
 こんな感じか↓
    南北北白西中九萬

 で、次の南家のツモが八萬

    三萬三萬四萬五萬五萬五筒七筒八筒八筒三索五索七索八索 ツモ八萬

 そこで何切る、と云うのが今日の問題。
 いずれにしたって待ちはさっぱり判らん。そこでいつかは放銃するとしても(~-~)、できれば一発は避けたい。(こんなもん、どうせ分からん。八萬ツモ切りだわさ)と思いつつ、回答というか解説を見た。するといわく。

 「まったくノーヒントでも、超A級雀士だけが持っているノーヒント対処法というものがある。たとえばダブリーを掛けられたとき、3とか7は切らないなどがそれだ。それと同様、この場合は三萬の対子落としで時間稼ぎをする。これは理屈ではない。過去の実戦から得た経験則だ

 う〜ん、これはなんとも....
 経験則と云う以上、理屈ではないから他人には分からなくても仕方がない。しかしいくら「経験則」といっても、“ダブリーを掛けられたとき、3とか7は切らない”と云っておいて、この手でいきなり“三萬の対子落としで時間稼ぎをする。これは理屈ではない”と云われても、単純に云って、さっぱりわからん...

 むかし先輩に「分からんときは真ん中を切れ」と聞いたことはある。これなんかも理屈ではない。「どうせ考えても分からない。そこでこの場合は、たとえ真ん中の牌でも自分が要らない牌をさっさと切れ」ぐらいのもんだ。しかしさすがに「早いリーチには、3・7を切れ」とは聞いた事がないし。

 朕、思へらく。たぶんここでの三萬対子落としというのは、「五萬 八萬はリーチ宣言牌の九萬の裏筋だから止めておこう。三萬九萬のなまくら筋だから、他の牌より通りそう」ということではないかと思うが。しかしこれで三萬が通っても、あとが無い。もう手はガタガタになってしまうから、ひたすら降りるしかない。しかし三萬を対子落とししたあと、そこで何切る?

 「三萬対子落としの間に、安全牌を引いてくる」なんていうのは、むかしあるプロの解説にあった「私なら次に絶対ドラを引いてくる」とおんなじ、オカルトの世界。

 たしかに「経験則」というものが、麻雀において重要な要素であることは間違いない。しかしいくら経験則に裏打ちされた「すばらしい閃き」であっても、それは各プレーヤー独自のモノ。第三者にはまず判らない。

 やはりこのような不特定多数の読者相手のコラムであれば、たとえば「万子、索子は筒子のアタリ」のように、いくら経験則ではあっても、多少は相手が「なるほろ」と思うような部分の記述が必要じゃないのかな、と思った次第だ。

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