Mahjan talk 雀話

    (48)長打法


 イチローがメジャーでMVPを獲得した。いや、すごいすごい。イチローはアメリカンリーグだが、ナショナルリーグではサンフランシスコジャイアンツのボンズがMVPとなった。

 ボンズはホームラン新記録も打ったし、長打率もベーブルースの0.847を上回る0.863の新記録だという。そこでこちらもMVPは文句なし。う〜ん、ボンズがイチローと同じリーグだったら、イチローもMVPを取れなかったかもしれない。いや〜、イチローは運までいい。(^^;

 ところでこの長打であるが、これは2塁打以上、つまりロングヒットのこと。この反対は単打(シングルヒット)だ。こんなことは誰でも知っている。しかしσ(-_-)には、以前から不思議で不思議でたまらんことがあった。

 それは戦前の麻雀書を読んでいると、どの本にも「早めに字牌を打ち出し、数牌をチーポンして(安くても早アガリを目指す打ち方を長打法といい、字牌を大事に抱え込み、じっくり大物手をねらう打ち方を短打法という」と書いてあったからだ。

 まぁ、「どの本にも」というのは大げさだけど、とにかく早アガリや打ち方についてふれてある本にはそう書いてあった。

 しかし短打=シングルヒット(早アガリ)、長打=ロングヒット(大物ねらい)というなら話は分かるが、どうして短打がロングヒット(大物ねらい)で、長打がシングルヒット(安く早アガリ)なんだ。。。。

 どこかにその理由が書いてある本が無いかと思ってあちこちの本を読んでも、どこにも書いてない。中国人にも聞いたが、誰も「分からない」というばかり。そりゃそうだろな。中国人といってもσ(-_-)より若いのばっかしで、戦前の麻雀のことを知ってるわけがない....とにかく理由がさっぱり分からず、そのことを思い出すと頭が痛かった。

 そんなわけでずーっと疑問だったが、どうしようもないので放っておいた。そして数年前、戦前に出版された或る中国文献をボヤーっと読み返していたら、ある記述が目に飛び込んできた。なんとそこには一言、「数牌を短牌、字牌を長牌と言う」と書いてあった。おお、なんでいままでこの文章に気がつかなかったんだ!(もちろん書いてあったのは中国語)。

 すなわち長打とはロングヒット(大物手をアガる)ではなくて、「長牌(字牌)を打ち出す=数牌をチーポンして早アガリ」、短打はシングルヒット(安い手で早アガリ)ではなくて、「短牌(数牌)を打ち出す(字牌を抱え込んで大物ねらい)」の意味だった。なーるほろ、これで永年の疑問がようやく解けた。(^-^)V

 それからさっそく辞書にその由を書き込んだ。それ以来、偏頭痛もすっかり治って安眠している。(笑)

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