Mahjan talk 雀話

    (36)ネット麻雀の効用


 なんと云っても、メンバー集めの苦労がないこと。有名な東風荘では毎晩数千人がプレーしているという。話に聞くと昼間だって対局が行われているそうだ。フリー雀荘なら出かけることが必要だが、ネット麻雀なら手が空いたときにすぐ楽しめる。

 また自分の成績が記録されるのも大きい。実戦でも記録をとっておくことは可能であるが、そこまでやるのはなかなか大変。これがネット麻雀ならあなたにおまかせである。

ただσ(-_-)の経験からいうと、「ネット麻雀で好成績、実戦でも好プレーヤーとは限らない」、「実戦で好プレーヤー、ネット麻雀でも好成績」ということである。理由はよく分からない。敢えて推測すれば、ネット麻雀と実戦では似て非なるものということなのだろう。

 考えてみると、ネット麻雀の卓はパソコン画面の中にある。とうぜん全体の状況が把握しやすい。またソフトによって表示法は異なるが、チーポンロンはパネルで意志確認される。おまけに或るソフトの場合はノーテンではリーチ/ロンパネルが出ない。当然ノーテンリーチはもとよりチョンボはしたくてもできない。そのかわり、多門張の清一でもアガリ牌が出ればロンパネルがでる。プレーヤーが待ち牌が分からなくてもまったく問題ない。アガリ点だってPCにおまかせ。計算にモタついてオタオタすることもない。要するに、なにかとPCに依存している部分が大きい。

 しかし実戦では卓は1メートル四方もあって、目が行き届きにくい。もちろんパネルなんてありっこないので、チーポンチャンスも見逃しがち。計算だって迅速が要求される。こんなところが、「ネット麻雀で好成績、実戦でも好プレーヤーとは限らない」という原因なのかも知れない。とはいうものの、ネット麻雀には実戦では望むべくもない大きなメリットがまだ二つもある。

 その一つは牌譜の再現
 実戦でも記録を取っておけば、あとで動きを把握することは可能である。しかしその記録通りに実戦を再現するなどきわめて困難。1局再現するだけで半日はかかるうえ、再現要員が数人は必要である。1ゲーム再現となると、ヘタすると数日仕事。ところがネット麻雀(といっても東風荘だけらしいが)では、これが容易かつリアルに再現できる。

 σ(-_-)は東風荘には参加していないので話を聞くだけだが、、東風荘ゲームについては牌譜再現のフリーソフトがいくつかあるらしい。それを使うと、自分の摸打はもちろん、同卓プレーヤー全員の手牌/摸打まで再現できるそうだ。これはもう最高に素晴らしい。ネット麻雀、最大のメリットだ。この話を聞いた時は、思わず参加したくなった。

 もう一つの大メリットはリアルタイムの観戦
 実戦でも観戦はできる。しかし座った状態で観戦できるのは2人のプレーヤーの手牌/捨て牌。もちろん立ち見であれば残り二人の捨て牌も観戦可能であるが、観戦記者でもないのに立ち見は失礼。ましてや観戦者は路傍の石、感想を漏らすのはおろか、表情一つ変えてはならない。

 しかしネット麻雀ならプレーヤーの手牌こそ見えないものの(これもプレーヤーの許可があれば、可能とか)、4者の捨て牌が一望できる。それぞれの手を推測しながら、どんな一人言を云うのも勝手放題。(^0^;

 この観戦でさらにベリーグッドと思ったのが、複数による観戦。
 先般、知人と二人で観戦した。捨て牌だけみながら、互いにプレーヤーの手牌を推理しあった。
「これは**か○○待ちだと思う」
「いや、△か□待ちだろう」
あるいは
「きっとこれはブラフで、実は降りてると思う」
「いや、本物だって」

 二人とも大ハズレだったり、どちらかの推理が当たることもあるが、それは二の次。ゲームの進行につれてリアルタイムで感想を述べあえる。観戦相手がその局をどう理解しているかよく分かってすごく勉強になった。しかし実戦でこんなことやったら、叩き出されることは間違いない。

 なんといってもネットゲームはネットゲーム、根本的なところで実戦には一歩を譲る。しかし実戦では不可能なことが、ネット麻雀で可能なことが非常に素晴らしい。

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