Mahjan talk 雀話

    (23)お巡りさん


 麻雀では、よく「7巡目にドラを切った」とか、「5巡目に早いリーチがかかった」というような文章が登場する。ところがこの「巡」が、よく「順」という字になっているのを見かける。

 最初の頃は、「あ、誤字みっけ」とか、「あ、変換ミス」という感じで見ていた。しかし最近は、ごく普通にこの「順」という字を見かける。それでも自分の意識の中では「誤字」とか「変換ミス」という程度の意識でしかなかった。

 ところが先般、或る人がGoogleという検索エンジンでチェックしてみたところ、「巡目」で375件、「順目」で 354件という結果が出たという。う〜ん、これはほとんどタイスコア。もはや「順」も市民権を得ていると云った状態だ。まぁどうこう云っても始まらないが、小言幸兵衛としては見過ごしにもできん。一言文句は垂れておこう(笑)

 お巡りさんとは 「巡査」の通称というか愛称みたいなもの。巡査とは、地域を回する察官。巡回だから行きっぱなしではない。かならず戻ってくる。麻雀だって、東南西北と一回りして必ず東に戻ってくるから「巡」という。
  
 1巡目       2巡目

 /東\      /東\
南    北 → 南    北
 \西/      \西/

 「順」とは順番(番に順う)とか耳順(じじゅん=耳に順う)という表現でも分かるように「何かに従う」、ま、大体は前に従うという意味だ。前に従うのだから、イメージとしては直線的である。お巡りさんも、お順りさんになったら交番を出たっきり戻って来られない。(笑)

 もちろん順でも東南西北(1順番目)→東南西北(2順番目)・・・と云って言えない事はない。しかし「巡(めぐ)る」という適切な表現があるのに、「1順/2順とは、1順番目、2順番目という意味だ」と言い張るのはいささか強引。それではまるでK葉理論だ。

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