ときどきヤフーオークションを見に行く。σ(-_-)のことだから、行くのは麻雀関係が多い。とくに麻雀牌のコーナーはよく見に行く。よほどのことがない限り入札することはないが、時には「えっ、こんなものまで?」と思うようなものまで出品されていて、結構 面白い。
それはいいが商品は ほとんどがアマチュアの出品。そのせいか、あきらかな間違いが結構 目につく。その中でも多いのが、出品者は「象牙」と云っているが実際は合成樹脂、あるいは他の動物の骨という品物。しかしこれまでずっと見てきた印象では、出品者がウソを云っているというより、知識が無いため本人も象牙と思いこんでいると言う感じ。
まず象牙だという触れ込みであるが実はそうではないと云う牌は、すべて裏打ちが竹の牌。たしかに象牙牌だって竹で裏打ちしてあるが、むかしは牛骨、鯨骨、合成樹脂、すべてが竹で裏打ちされていた。しかし現在は全体が合成樹脂でできている。そこで出品者は、竹の裏打ち牌はすべて象牙牌と思っているのだろう。それにしても、いくら竹の裏打であっても、合成樹脂は合成樹脂、一目見れば分かりそうなものだが。
きっと出品者は、全体が合成樹脂の牌しか知らない若い人に違いない。こういう合成樹脂の牌は、程度にもよるが骨董市場というか古道具店でだいたい5千円前後が相場(骨董品としての価値はない)。新品同様のモノでも1万円も出せば購入可能。
しかし場末の古道具店などでも、こういう合成樹脂製を象牙と称して数万円で売っていることがある。この場合は、象牙ではないことを承知でやってる。そもそも一口に象牙牌といっても程度/状態/箱/彫りなどの問題があるので一概に言えないが、一般相場として最低5万円以上はする。そこでキチンと揃っていて状態もまぁまぁのモノが数万円(2〜3万円)と云われたら、もうその時点で話がおかしいと思った方がいい。
σ(-_-)もむかし韓国へ行ったとき、ぶらりと入ったソウルの骨董店でそんな目にあった。店の人が「象牙牌、あります」といって出してきたのが、あきらかな合成樹脂牌(なんと(株)かきぬまのマーク入りの自動卓用牌(笑)。韓国でお目にかかったのには懐かしかったけど(^-^;)。(おいおい)と思って、「ジスイズ ノット アイボリー」と得意の英語で軽く云うと、「ノーノー、アイボリー!」という。
σ(-_-)は人を疑うことを知らないので 単に店の人が勘違いしているだけと思い、もういちど「ノット アイボリー、ジスイズ プラスチック」とやった(合成樹脂という英単語を知らない....)。するともっと今度はもっと断定的な口調で、「ノー、プラスチック!ジスイズ アイボリー!」と云う。ここに至って、初めて「あぁ、σ(-_-)を普通の観光客だと思って、いっぱい食わせようとしているな」と気がついた。
(ふん、誰にモノを云ってるのか分ってるのか)なんてことも思ったが(笑)、知るわきゃない。そこで「ノーサンキュー、バイバイ」と云いながら店を出た。すると店の外まで追いかけてきてσ(-_-)の前に立ちふさがり、牌を押しつけるようにしながら「ジスイズ アイボリー! アイボリー!」を連呼する。もうあきれてしまってスタコラサッサと退散した。
余談はさておき、いずれにしてもこんな合成樹脂牌でも裏が竹というだけで(たとえ出品者に悪意は無くても)ヤフーで象牙として結構 高額で出品されていることがあるので注意した方がいい。
次が鯨骨牌。鯨骨牌は20世紀初頭、アメリカで麻雀ブームが発生したとき、材料の牛骨が足りなくなって代用品としてかなり造られた(当時アメリカは世界有数の捕鯨国だった)。鯨骨だろうがなんだろうが骨には違いない。しかし鯨骨は表面に茶色っぽい筋が入ったりすることが多く、牛骨牌に比べてデキがよろしくない。そこでこれも一目見れば鯨骨牌と分かるものが多い。しかしそんな鯨骨牌でも、ヤフーでは象牙として出品されているのを見かけるのでこれも要注意。
問題は牛骨牌、一般的に象牙には特有の斑(ふ)や筋がある。こういう特徴で牛骨と象牙を見分ける。しかしチラッと見ただけで象牙/牛骨の判別のつくものもあるが、ジロジロ見てもわかりにくいものもある。そして値段も一般論としては象牙の方が高額であるが、程度/状態/箱/彫りなどによっては牛骨でもン十万円というモノもある。そしてたしかに掘り出し物もある。
ということで、少しでもオークションの参考になれば幸いだ。
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