Mahjan talk 雀話

    (164)前にバッタリ


 むかし富士桜という小兵のお相撲さんがいた。小兵力士が大型力士と対戦するとき、まともでは体力負けする。そこで立ち会いで変化したり 足を飛ばしたり、さまざまな技を繰り出すことになる。しかし富士桜は、いつもまっすぐ突進していた。そこでついた綽名が突貫小僧

 必ずと云っていいほどまっすぐ突っ込んでゆくので、逆に大きい相手の方が変化したりハタキ込みをかけたりする。とうぜん富士桜は前にバッタリ。起きあがると お腹に砂がベッタリ、ということが多かった。しかしσ(-_-)は、そんな富士桜の相撲が大好きだった。もしσ(-_-)が相撲取りだったら、とても あの相撲は真似できないい。飛んだり跳ねたりしてるに決まってる。

 この前の純麻雀会、σ(-_-)は南家。12巡目、下家(西家)Nさんが九筒切り。続いて対門(北家)七筒切り。一瞬の間があってNさんがロン!。開けられた手を見るとこんなの。
  一筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒
 六筒 七筒のシャボか?...)と思って見ていると、手牌を確認し直したNさん、「あ、アガってない....

 こういうチョンボ、純麻雀では手牌を立て直してゲーム続行となる(ただしNさんはアガリ放棄 and その局終了までツモ切り)。その後、この局はσ(-_-)が安い手をツモアガって終了した。ゲームが終わってから聞いてみたところ、九筒を切る前はこんな形だったという。

 一筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒七筒九筒
 かなり受け入れの余地がある形で、ここへ六筒 をツモ。とりあえず九筒 を切るのは問題ない。しかし問題はマチ。もちろん上級者ともなれば、六筒 をツモった時点で 九筒を切って三筒 六筒マチ ”くらいは瞬時に分かる。しかしσ(-_-)やNさんレベルでは、そうは行かない....(ノд`)
 そこで出来るなら、九筒 を切る前に寸秒でも時間が欲しい。しかし純麻雀ではノータイムでの摸打が基本となっている。手を止めることができないから、Nさんもマチを充分チェックできないまま九筒 を切った。そいで“次のツモまでにチェックしなければ!”と思ったとたんに下家が打七筒。一瞬、迷ったと云うが、なんとなく六筒 七筒 のシャボがありそう。そこで思い切って“ロン”、そのまま前にバッタリ....結局 このアガリをフイにしたのが祟って、マイナスでゲームセット。

 という結果にはなったけど、σ(-_-)はNさんの選択が好き。もしこれがσ(-_-)だったら、とりあえず七筒 を見送る可能性大....そのためにアガリを逃すかも知れないが、それはσ(-_-)がヘボなんだから仕方がない....しかし同じアガリ損ないとなっても、前にバッタリのNさんの方が潔(いさぎよ)い。(^-^;
 

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