橋本元総理大臣が歯科医師会から1億円をもらっていた。報道によれば、例によって国会議員が大好きな料亭の一室で、橋本元総理大臣が時の歯科医師会長から直接1億円の小切手を受け取ったそうだ。よく云えばヤミ献金だが、普通に云えば完全な収賄。
もちろん認めては大変なので、記者に追求された橋本元総理大臣は「知らぬ存ぜぬ」と白を切っている。橋本派も幹部が緊急会見して、「会計担当者が記載を忘れていただけ。橋本議員は関係ない」と派閥ぐるみで白を切る。
それでは、「そんな重大な失態をした担当者の責任は?」と記者に聞かれて
「いや、けしからん」
「“けしからん”だけですか」
「いや、実にけしからん」
まるで禅問答。そりゃあ罪をかぶった会計担当者、報酬として裏金を渡すことはあっても、まさかクビにはできんわな。
知人とそんな話をしていたら、「“白を切る”とはどういう意味か」という話になった。ワケを話すのは簡単だが、面白いから考えてみろと云った。すると知人Aが、
「“白”は白状の“白”。白状を切るのだから、白状の反対でウソをつく」
なるほど、考えたな。しかし、それは間違い。白状の“白”は、“申す”とか“云う”という意味。そこで自白、告白は、“自分で云う”、“はっきり(告)云う”などの意味となる。
すると今度は知人Bが、「わかったっ」。
「おお、なんだ」
「いま親がとをポンしている」
「なぬ」
「そこへ対面がを切ったら、親に当たった」
「・・・」
「見ていた奴が、“お前、なんでを切ったんだ”と云ったら、“そんなモン、切った覚えはない”と云い張った。そいでウソをつくことを白を切るというようになった」
いや、大いに笑った。もちろんBさんは冗談で云ったんだけどさ。それにしても面白かった。
#Bさんは、ココで「福がクルっ」と云った人。(^-^;
シラを切るというのは、よく「白を切る」と表記される。そこで色の白の意味と勘違いされる。しかし色とはまったく関係がない。また「切る」もcutt(カット)の意味ではない。
「しらを切る」の「しら」は「知らない」の略(白は、単なる当て字)。「切る」は、「言い切る」の「切る。そこで「しらを切る」は、「知らないと云い切る」の意味となる。
さて、橋本元総理大臣は、最後までシラを切り通すことができるでしょうか。
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