Mahjan talk 雀話

    (12)何でも鑑定団


 平成12年2月の下旬、東大阪市の大阪商業大学で麻雀関係の会合があった。集まったのは8人程だが、何でも鑑定団みたく、麻雀研究ではおそらく日本最高レベルの集まり。

 すごいメンバーなので記念写真を残しておこうと思い、近くで簡易カメラを買っておいた。それでバチバチ撮ったのであるが、解散してから気がついた。う〜ん、当然ながらカメラマンであるσ(-_-)は写ってなかった....最後に全員で記念写真を撮ったから、ま、いっか....(*.*;

 3時間ほどで会合が終わった頃、大阪市教育委員会委員と、大阪市演芸資料館の学芸員の人が、メンバーの1人である江橋教授を訪ねてみえた(もちろん事前にアポ済み)。

 話を聞いていると、演芸資料館に寄贈されたモノの中に古い時代の百人一首で源平かるたと呼ばれる種類のモノがあり、その価値を江橋教授に鑑定してもらうためにみえたということであった。

 そもそも演芸資料館は、上方歌舞伎とか落語・浪曲など芸能関係の資料館。何でそこに百人一首などがあるかというと、名代の役者、落語家浪曲師の遺品も大量に寄贈されており、その遺品の中に、百人一首などもあるというわけである。そして持ち込まれた百人一首は、先代○沢○造の遺品で、死後、遺族から資料館に寄贈されたものという。

 ではなぜ麻雀研究者の集まりにその百人一首が持ち込まれたと言うと、実は麻雀研究といっても、メンバーによって興味の対象は様々であるからである。

 たとえばルールや歴史に興味を持っている人、それも麻雀以前の中国古代ゲームに興味を持っている人、あるいは麻雀成立以後の歴史やルールにに興味を持っている人、またルール/歴史より用具に興味を持っている人もいる。江橋教授は、その用具/カードの研究では世界的権威。カードと名がつけば、なんでもござれである。そのウワサを聞きつけて大阪市のお二人が訪ねて来たというわけである。

 机の上に置かれた百人一首は、名品と言うだけに桑の木の箱に入ったなかなか立派な代物。で、その鑑定の結果。

「う〜ん、これは言われるような古いモノではありませんね〜、明治はありません。だいたい大正の中期でしょう」
「・・・・江戸はありませんか?」
「だってこれは印刷モノですよ」
「(゜C゜)」
「ほらこの部分をよく見てください。この部分が**となっているでしょう」
「・・・・」
「でも印刷にしてはよく出来ていますよ」
「偽物ですか?」
「いや、大正時代に造られたと言うだけで、別に偽物というものではありません」
「しかし遺族から聞いた話では、先代広○虎○が誕生したときにお祝いに送られた江戸時代作の名品ということなんですが....」
「それは遺族の方が、何かの勘違いしてみえるのでしょう」
「では価値としてはどれくらいでしょうか」
「まぁ、いいとこ3,4千円でしょう」
「(-_-).....

 百人一首の話はまことに残念な結果。しかし更に話を聞くと、多くの名人の遺族から寄贈された遺品の中には麻雀牌もいくつかあるとのこと。正直いって、価値はあんまり期待できないが、機会があったら見に行くことにした。

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