Manner 牌品 

    (8)音がしましたね


 アドバイスと云うかなんと云うか、とにかく人に何かを言えば、内容の如何を問わず掣肘された方はあまり気分がよろしくないのは当然で・・・・そこでσ(-_-)もどうしてもアドヴァイスせざるをえない状況に出くわしても、出来るだけ柔らかく、丁寧に、遠回しに、婉曲にするようにしている(つもり....)。

 しかしあまりに遠回しにすぎて、意図が通じないときもある。特にこういうケースで難しいのは、相手の方が年長者の場合。

 ある麻雀の会で先モーションの人がいた。弱ったことに、この人が年上の人・・・・

先モーション
 東家の打牌が卓に着く前に、南家がツモのモーションを起こして、手を伸ばしてくること。すると西家は東家の打牌が南家の伸ばした腕の陰となって確認しにくい。

 これが若い人であれば、まぁ、それなりに注意もしやすい。もちろん注意するとしても優しくソフトに。むかしσ(-_-)が毎回言われたような「おい、若僧、手が早い」なんてことは2回に一回ぐらいしか云わない。(笑) しかし無条件に尊敬の対象である年長者となると、これがなんとも難しい....

 しかし見ていると南家のAさんの先モーションのため、西家は私(東家)の打牌を確認するのに四苦八苦。ゲームに支障があるとなれば、放っておくわけにも行かない。そこで意を決して声を掛けた。

「あの、、、Aさん」
「は?」
「手を伸ばすのが少し早いようで....
「?」
「Aさんの手の陰になって、西家さんが私の打牌を確認しにくいみたいです....
(少しムッとした感じで)遅いのは文句云われないけど、早いのは文句云われるんですねぇ」
「いえ....遅いのもよくはないですけど」
「なら、どの段階で手を上げればいいと云うんですか」
「まぁ、私の打牌が卓に着いてコトンと音がしたくらいで....」
「・・・・・・・」

 やりとりが終わって次局が始まった。σ(-_-)が第一打牌をしたとたん、Aさんが耳に手を当て、身をかがめ、σ(-_-)の顔を見上げながら「音がしましたね?」

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