いかに牌式が便利な存在であろうと、清一色における聴牌形の全解明を手作業で行うのは不可能である。もちろん今なら家庭用パソコンでチョイチョイだが、昭和50年頃にそんな便利なものはない。
そんな状況のところへマイコンなるものが登場!。おお、コンピュータなら計算はお手の物。さっそく電気街へマイコンなるものを買いに走った。(笑)
「すいません、マイコンのことで聞きたいのですが」
「はい、どんなことでせう」
「マイコンって何でも計算できるんですよね?」
「まぁ、そうですね」
「たとえば麻雀のテンパイ型なんかも計算できるでしょうか?」
「(?。?)」
「たとえばこれは何待ちで、これは何待ちかということを分類するという....」
「え〜と、あのですね、コンピュータは何でも計算できますけど、プログラムというものが必要です」
「そのプログラムってのも、ここで売ってますか」
「いや、特殊なものはお客さんの方で作るンですよ・・・・」
「(@.@)」
というようなわけで訳が分からず、そのときは買うのを断念。その後、マイコン教室へ通ったりしていた昭和55年の夏、友人がシャープのMZ80P3なるマイコンを購入した。「こりはチャンス!」というので、その友人を説き伏せ、清一色の全聴牌型の検出にチャレンジすることになった。
友人も衝動買いしたものの、マイコン and プログラムのことは何も知らない。それでも悪戦苦闘の後、昭和56年の夏、ベーシックによるプログラムで清一色の全聴牌型を検出することに成功した。(^0^)/
さっそく8月、この成果を「コンピュータによる清一の全解明」と題して月刊プロ麻雀で発表した。するとそれからわずか3カ月後、「麻雀の常識を破る本」という新書本が出た(二見書房・S57/11/15・朝日ゲームサイエンス227p)。これはたしか朝日新聞の麻雀好きな記者連が会社の大型コンピュータを利用して、清一を分析をしたというもの。
朝日新聞の総力をあげた(?)というだけあって、ある意味ではσ(-_-)の分析よりはるかに詳しかった。しかしなんだかんだと言っても基本は同じ。わずか3カ月の差で朝日新聞に勝った( ̄^ ̄) しかしそのときの朝日の大型コンピュータ、いまとなっては私の愛用PCの半分の能力もないだろうな・・・・
いまならちょっと手慣れた人ならちょいちょいと数日間で検出できるデータと思うが、せっかくなので、また蔵から出してきた。(^0^;
<<<手牌四張>>>
◎マザー型4式
|
分類 |
牌式 |
型式 |
牌姿 |
* |
1 |
04M01 |
400000000 |
--- |
1111 |
未槓子 |
2 |
04M02 |
220000000 |
DW |
1122 |
純面子 |
3 |
04M03 |
130000000 |
DTP |
1222 |
純面子 |
4 |
04M04 |
111100000 |
DT2 |
1234 |
純面子 |
5 |
04M05 |
112000000 |
DT |
1233 |
純面子 |
※型式や純面子のことは、またいずれ。
聴牌型
一門聴・・・135型 二門聴・・・102型 三門聴・・・12型
総数・・・・・249型 全和了型・・・135型
聴牌型イコール和了型数とならないことに妙な気がするかも知れないが、これはアガリ牌は異なっても和了形は同じになるものが多々ある為。
<<<手牌七張>>>
◎マザー型11式
|
分類 |
牌式 |
型式 |
牌姿 |
面子型 |
1 |
7M01 |
340000000 |
DPJ |
1112222 |
純面子 |
2 |
7M02 |
124000000 |
DTR |
1223333 |
純面子 |
3 |
7M03 |
133000000 |
DTPK |
1222333 |
純面子 |
4 |
7M04 |
223000000 |
DWP |
1122333 |
純面子 |
5 |
7M05 |
111400000 |
DT |
1234444 |
純面子 |
6 |
7M06 |
112300000 |
DTR |
1233444 |
複面子 |
7 |
7M07 |
122200000 |
DR |
1223344 |
複面子 |
8 |
7M08 |
111130000 |
DT2R |
1234555 |
純面子 |
9 |
7M09 |
111220000 |
DW |
1234455 |
複面子 |
10 |
7M10 |
111112000 |
DR |
1234566 |
複面子 |
11 |
7M11 |
111111100 |
DT3 |
1234567 |
純面子 |
聴牌型
一門聴・・・1037型 二門聴・・・1046型 三門聴・・・・248型
四門聴・・・64型 五門聴 ・・・・・11型
総 数・・・・2406型 全和了型・・・・996型
面白いことに、一門張より二門張のほうが数が多い。
手牌七張となると、筋待ち型が登場する。これは各筋とも純面子型7式、複面子型5式の計12式。そのうち二五八聴12式を記す。
純面子型(型式省略)
. . .
(1) 011111110 2345678
. . .
(2) 011121100 2345567
. . .
(3) 001121110 3455678
. . .
(4) 020031100 2255567
. . .
(5) 020001130 2267888
. . .
(6) 001130020 3455588
. . .
(7) 031100020 2223488
複面子型(型式省略)
. . .
(8) 201111100 1134567
. . . ^ ^
(9) 021111100 2234567
. . . ^ ^
(10) 001131100 3455567
. . . ^ ^
(11) 001111120 3456788
. . . ^ ^
(12) 001111102 3456799
^ ^
※ ^ ^ 部分は余剰面子
#ブラウザの都合で和牌門がズレていたらゴメンm(_
_)m
<<<手牌十張>>>
|
分類 |
牌式 |
型式 |
牌姿 |
1 |
10M01 |
244000000 |
DR |
1122223333 |
2 |
10M02 |
334000000 |
DKR |
1112223333 |
3 |
10M03 |
114400000 |
DR |
1233334444 |
4 |
10M04 |
123400000 |
DTR |
1223334444 |
5 |
10M05 |
133300000 |
DWR |
1222333444 |
6 |
10M06 |
222400000 |
DT |
1122334444 |
7 |
10M07 |
223300000 |
DR |
1122333444 |
8 |
10M08 |
111340000 |
DTR |
1234445555 |
9 |
10M09 |
112240000 |
DTR |
1233445555 |
10 |
10M10 |
112330000 |
DTR |
1233444555 |
11 |
10M11 |
122230000 |
DR2 |
1223344555 |
12 |
10M12 |
222220000 |
DW4 |
1122334455 |
13 |
10M13 |
111124000 |
DTR |
1234556666 |
14 |
10M14 |
111133000 |
DT2R |
1234555666 |
15 |
10M15 |
111223000 |
DWR |
1234455666 |
16 |
10M16 |
112222000 |
DR |
1233445566 |
17 |
10M17 |
111111400 |
DT2 |
1234567777 |
18 |
10M18 |
111112300 |
DR2 |
1234566777 |
19 |
10M19 |
111122200 |
DT3 |
1234556677 |
20 |
10M20 |
111111130 |
DT3S |
1234567888 |
21 |
10M21 |
111111220 |
DW |
1234567788 |
22 |
10M22 |
111111112 |
DS |
1234567899 |
聴牌型
一門聴・・・・4765型 二門聴・・・・5086型 三門聴・・・・1797型
四門聴・・・・ 622型 五門聴・・・・・229型 六門聴・・・・ 30型
七門聴・・・・・・・2型 八門聴・・・・・・・・2型
総数12533型 全和了型・・・4475型
手牌十張における筋待ち型は147聴で113型。逆型である369型が同数であることは当然として、二五八型が1型多い114型であるのが面白い。
<<<手牌十三張>>>
※型式省略
分類 牌式 牌姿
(1) 13M01:144400000 1222233334444
(2) 13M02:234400000 1122233334444
(3) 13M03:333400000 1112223334444
(4) 13M04:113440000 1233344445555
(5) 13M05:122440000 1223344445555
(6) 13M06:123340000 1223334445555
(7) 13M07:133330000 1222333444555
(8) 13M08:222340000 1122334445555
(9) 13M09:223330000 1122333444555
(10) 13M10:111244000 1234455556666
(11) 13M11:111334000 1234445556666
(12) 13M12:112234000 1233445556666
(13) 13M13 112333000 1233444555666
(14) 13M14:122224000 1223344556666
(15) 13M15:122233000 1223344555666
(16) 13M16:222223000 1122334455666
(17) 13M17:111114400 1234566667777
(18) 13M18:111123400 1234556667777
(19) 13M19:111133300 1234555666777
(20) 13M20:111222400 1234455667777
(21) 13M21:111223300 1234455666777
(22) 13M22:112222300 1233445566777
(23) 13M23:122222200 1223344556677
(24) 13M24:111111340 1234567778888
(25) 13M25:111112240 1234566778888
(26) 13M26:111112330 1234566777888
(27) 13M27:111122230 1234556677888
(28) 13M28:111222220 1234455667788
(29) 13M29:111111124 1234567889999
(30) 13M30:111111133 1234567888999
(31) 13M31:111111223 1234567788999
(32) 13M32:111112222 1234566778899
聴牌型
一門聴・・・・14193型(七対子36型を含む) 二門聴・・・・14493型
三門聴・・・・ 6739型 四門聴・・・・2948型
五門聴・・・・1335型
六門聴・・・・ 392型 七門聴・・・・・・
79型 八門聴・・・・・・16型
九門聴・・・・ 1型
総 数・・40196型(七対子36型を含む) 全和了型 13277型(七対子16型を含む)
清一色の総組み合わせは93600型であるから、約4割が聴牌型となる。一門聴14193型の内、両般高とならない純粋の七対子型は126型。面白いことに両般高型も126型。和了型も両者同数の各18型。筋待ち型は147聴(369聴)が442型、258聴は451型。九門聴の1型はもちろん九蓮宝灯である。
分類 |
牌式 |
型式 |
牌姿 |
13M30C |
311111113 |
ZT3S2 |
1112345678999 |
同種牌36枚から手牌13枚を引けば、残牌は23枚。九蓮宝灯は、この残り23枚のいずれにても和了できる。そこで別名を張々可和(チャンチャンコホー=何でもアガれる)という。そしてこの張々可和型は、七門聴で2種類、八門聴で6種類ある。
この七門聴・八門聴の張々可和型は、むかし準九蓮宝灯とか、疑似宝灯とか呼ばれていた。しかし現在は七門聴型は七連宝灯(チーレンポートン)、 八門聴型は八連宝灯(パーレンポートン)と称している。
七連宝灯(型式省略)
|
分類 |
牌式 |
牌姿 |
1 |
13M17C |
0114141100 |
2344445666678 |
2 |
13M17C |
0141114100 |
2333345677778 |
no.1は九蓮宝灯で暗刻である1と9を、単純に筋である4と6に、no.2は3と7に移動させた型。
八連宝灯(型式省略)
|
分類 |
牌式 |
牌姿 |
1 |
13M18C |
014211130 |
2333344567888 |
2 |
13M18C |
031112410 |
2223456677778 |
3 |
13M24C |
311114110 |
1112345666678 |
4 |
13M24C |
031111411 |
2223456777789 |
5 |
13M24C |
011411113 |
2344445678999 |
6 |
13M24C |
114111130 |
1233334567888 |
no.3は九蓮宝灯で暗刻である1を単純に筋である4に、no.5は9を筋である6に移動させた型。
<<おまけ>>
麻雀牌136枚における手牌14枚の総組み合わせは425京型(425のあとにゼロが16)。しかしこれは白4枚にABCDという印をつけ、[A][B]と[A][D]では異なる組み合わせとした場合。しかし人間が見る限り、[A][B]
and [A][D]は同じ対子型。そこでこのようなダブリ型をカットすると、実質の組み合わせ数は102億型。
単なる組み合わせではなくて、アガリ型となる組み合わせ数は11兆3500億型(除・七対子)。とはいえこれもダブリをカットすると、実質は1億弱。両般高ではない純七対子のアガリ型は1兆5500億型。これもダブリをカットすると実質は171,844型。
国士無双の和了型は13億862万型。同じくダブリをカットすると実質はたったの13型。
PS:と書いておいたところ、百貫雀さんより「両般高ではない純七対子の実質アガリ型は5,379,616
通りではないか」というメールを頂いた。う〜む、なるほど。ということで訂正させて頂く。m(_
_)m
|