Laboratory 研究室 

     (28)麻雀ハンデキャップ


 ゴルフというスポーツにはハンデキャップというシステムがある。要は上手と下手(へた)が一緒にゲームを楽しむためのシステムである。囲碁・将棋ではハンデキャップという表現はしないが、2子とか3子、あるいは角落ちだとか香落ちだというように、ハンデキャップを導入した遊び方がある。

 このようなハンディキャップの導入は、たった1ゲームで実力差がハッキリでるゲームで可能なことで、麻雀ではちと難しい。しかしむかし、それを麻雀に導入した人がいた。

 昭和50年代、月刊宝石という雑誌があった(って、いまでもあるかも....)。その宝石誌に照井保臣(てるいやすおみ)という人が、10年以上、麻雀コラム(戦術論)を書いていた。
※照井氏は、のちに麻雀新撰組にも入会した人。

 昭和58年、そのコラムが連載100回(9年かかったという)を迎えたとき、編集部から、「百回記念に、なにか面白い企画はありませんか」と聞かれたという。そこであれこれ考えた末、照井氏が思いついたのが、この麻雀ハンデキャップ制度。

 どのようなものかというと、まず4人が何回か普通にゲームする。このゲーム数は実力が出ていると認識されるゲーム数というだけで、特に指定はない。しかしまぁ、実力が出ていると認識されるゲーム数といえば、常識的には100ゲームは必要だろう。

 そしてその成績(得失点)を全部、記録しておく。それによって平均得点を算出する。その平均得点を次の表に当てはめてハンデキャップを算出する。
   
平均得点 HC 平均得点 HC
+18000以上 -1000以上 19
+17000以上 -2000以上 20
+16000以上 -3000以上 21
+15000以上 -4000以上 22
+14000以上 -5000以上 23
+13000以上 -6000以上 24
+12000以上 -7000以上 25
+11000以上 -8000以上 26
+10000以上 -9000以上 27
+9000以上 -10000以上 28
+8000以上 10 -11000以上 29
+7000以上 11 -12000以上 30
+6000以上 12 -13000以上 31
+5000以上 13 -14000以上 32
+4000以上 14 -15000以上 33
+3000以上 15 -16000以上 34
+2000以上 16 -17000以上 35
+1000以上 17 -18000 36
0以上 18 ***

 この表にしたがって互いにハンデキャップを算出すればいいが、それはあくまでプライベートハンデ。そこでもし公式ハンデを取得したい人は、下記宛に官製ハガキで「資料請求」と書いて申し込む。すると後日、申請書類とともに手数料振込用紙が送られてくる。(^-^;

  〒150-****
  東京都渋谷区○○2-*-*
  日本ハンデキャップ認定協会


 そして無事ハンデキャップを取得したならば、次からのゲームは次のようにして行う。

 まずABCD4人が普通通り卓につく。点棒も通常どおり配分する(2万5千持ちでも3万持ちでも良いが、とりあえず3万持ちとする)。このときAがハンデ10、Bがハンデ17、Cがハンデ22、Dがハンデ30だとする。

 そこで一番ハンデの高いAが、BCDにそれぞれハンデ差分の点棒を渡す。つまりAはBに700点、Cに1200点、Dに2000点渡す。BはCに400点、Dに1300点渡す。CはDに800点渡す。するとゲームスタート時の各自の持ち点は次のようになる。

C
26,100 29,000 30,800 34,100

 これでゲームするわけであるが、なかなかよく考えてあるし、面白いと思った。しかしこの話を初めて耳にしたとき、まず思ったことは、「まったく普及しないだろうな」ということ。

 麻雀なんて初心者とベテランが対等にゲームして、初心者が勝つことはいくらでもある。1ゲームや2ゲームで実力差がハッキリ出るゲームではない。そんなものにハンデなんて、無意味に思えたからである。

 それにじっさいジャンブルをするとき、「俺は○○というハンデを認定されている。Aは俺よりかなり強いから2千点くれ。Bは俺よりちょっとだけ強いから5百点くれ。Cは初心者だから千点くらいやっとくよ」なんてこともあるわけない。(笑)

 また低いハンデなど、誰も貰いたくもない。すると高いハンデをもらった人が、「俺は○○というハンデを認定されてるよ」と誰かに自慢(?)するだけのモノで、実用性は無いといっていい。そのようなものを手数料を払ってまで、ほしがる人がいるとは思えなかった。そこでまったく普及しないだろなと思ったのであるが、実際そのとおりだった....

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