リニューアル記念、第2弾。“子”の話に続いて“張”の話。
ゲームに使う直接の用具を将棋は駒といい、囲碁は石という。では麻雀はといえば、もちろん牌。この牌、本来は木札とか名札、あるいは看板という意味。で中国では牌より張(チャン)という字が用いられることが多かった。そこで麻雀用語にも張の字がついた用語が多い。
といっても張の使用法に定義などない。そこで牌とか面子、あるいはルールなどいろんなの意味で用いられている。それも死語同然の古い用法もあれば、近年誕生した俗語といっていい用法もある。
また同じ用語が異なった意味で使われたりもしている。とはいうものの、張は基本的には牌の意味で用いられている 。そこで分からない用語も張を牌と読み替えてみれば、まず意味は分かる。そんな張がつく用語の数々を(50音順)。
※片仮名のルビは中国語読み、平仮名は日本語読みのもの。しかし中国語読みといってもあくまで便宜的というか、日本語的な発音。そこで中国人の前で発音しても絶対に通じないので、そのつもりで。(笑)
【一張(イーチャン)】1枚の牌。
【一上張(イーシャンチャン)】向聴(シャンテン)が一つ上がる張(牌)、すなわち有効牌のこと。別名、一聴張(イーティンチャン)。
【一門張(イーメンチャン)】単騎待ち/嵌張/辺張の総称。単騎待ちと嵌張/辺張は、厳密には内容が異なる(手牌と同じ牌を待つ型と、手牌に無い牌を待つ型)。しかし待ち牌が1つである聴牌は、すべて一門張。手牌4枚で1037型、手牌7枚で135型、10枚で765型、13枚で14067型。
【引張(インチャン)】引っかけ牌(4を切って1待ちのときの4)。相手を“騙(だま)くらかす(名古屋弁(笑))牌。騙張(ピェンチャン)ともいう。
【五門張(ウーメンチャン)】待ち牌が5種ある聴牌。手牌7枚で 11型、10枚で229型、13枚で1335型。
【卞張(カーチャン)】嵌張の別名。“他家が必要と思われる牌”の意味でも使われる。
【嵌張(かんチャン)】“張(牌)を嵌(は)める” から嵌張。嵌(かん)は日本語読み。中国語の発音は嵌(チァン)なので、正式には “チァンチャン” 。しかし日本人には “チャンチャン” としか発音できない。(笑) そこで日本では “かんチャン” と発音する。しかし最近の最近の日本の麻雀書には、間張(かんチャン)という表記もある。厳密には “嵌(は)める” と “間(あいだ)” では少し意味が違う。しかしその方が日本人には わかりやすいかも。
【坎張(カンチャン)】嵌張と同じ意味。こっちは正真正銘 “カンチャン” との発音する。「坎(カン)」は “連係” というような意味の字だ。
【艱張(かんチャン)】対子 または搭子のうち、切り出された1枚。
【光張(かんチャン)】広義には34567の牌、狭義には357の牌を指す。光張は、光輝くくらい重要な牌というほどの意。日本では要張(ヤオチャン)と表現することが多い。広い意味で要張も間違いではないが、要張には有効牌の意味もある。
【九門張(きゅうメンチャン)】待ちち牌が9種類ある聴牌。いうまでもなく、九蓮宝灯のみ可能な聴牌。
【孤張(クーチャン)】単独牌の意。
【堅張(けんチャン)】自分に必要か不必要かに関係なく、絶対切る気のない牌。
【双絶張(シャンぜっチャン)】待ち牌8枚のうち、7枚が出切れている順搭(シュンター=両面搭子)。
【号張(ゴーチャン)】他家の動きをさぐるため、切られる牌。試(ため)しに切られる牌なので試張(シーチャン)とも云う。
【過張(コーチャン)】早い巡目に切られている牌。もちろんロッキードとは、何の関係もない。(笑)
【巧張(こうチャン)】役作りに非常に役に立つ牌、たとえばとあるところへ引いたなど。“巧”の中国音は “チャオ” であるが、“チャオチャン” はやはり日本人には発音しにくい。
【三門張(サンメンチャン)】待ち牌が3種ある聴牌。清一色においては、手牌4枚で12型、7枚で248型、10枚で1797型、13枚で6739型。
【閑張(シァンチャン)】放蕩息子のように、不要な牌。そこで蕩張(タンチャン)とも言う。平張(ピンチャン)と表現されることもある。
【険張(シァンチャン)】超危険牌。
【十三張法(シーサンチャンほう)】現在は壁牌を上下2段に積む。しかし昔は上下ではなく、ベタに2段列並べた。このベタに並べる方式の名前。単牌式(たんぱいしき)ともいう。
【小張(シャオチャン)】点数の低いアガリへの放銃牌。
【双張(シャンチャン)】双 石並(シャンポン)のこと。
【上張(シャンチャン)】一上張(イーシャンチャン)と同じ。すなわち向聴の上がる有効牌。進張(チンチャン)とか要張(ヤオチャン)ともいう。
【続張(シューチャン)】順搭。順張(シュンチャン)ともいう。
【首張(シューチャン)】狭義には親の第1打牌、広義には各家の第1打牌。
【熟張(ショーチャン)】熟牌の別名。
【生張(ションチャン)】生牌の別名。
【新張(シンチャン)】台湾で行われている手牌16枚の花麻雀の総称。
【行張(シンチャン)】配牌から最終打牌までの全行程。
【心張(シンチャン)】数牌の5。「心」は中心の意。
【随張(スイチャン)】上家と同一牌、同類、同筋の牌を打ち出すこと。日本では「合わせ打ち」と言う。
【死嵌張(スーかんチャン)】他の牌と関連の無い嵌張型。
【四門張(スーメンチャン)】待ち牌が4種ある聴牌。手牌7枚で64型、10枚で622型、13枚で2948型。
【死張(スーチャン)】字牌のポンカス、または2、8が出切れているときの1、9。
【四付単一張(スーフータンイーチャン)】4面子が完成して単騎待ちで聴牌。
【重牌(ズンチャン)】役牌。中国語では「チョンチャン」なのに、日本では「ズンチャン」と発音する。「重」はアルファベットで「ZONG(チョン)」と表記されるが、どうもこれを「ズン」と発音すると勘違いしたためらしい。まぁ、「チョンチャン」より「ずんチャンチャン」の方が重々しいので文句を言う気はない。(笑)
【絶張(ぜっチャン)】純粋な辺張、嵌張の待ち牌となっているラス牌(3枚切れの数牌)。あるいは待ち牌が3枚切れになっている純粋な辺搭子、嵌搭子。これも中国語では「チェチャン」だが、一般の日本人にはなかなか発音しにくい。別名を絶子(チェーツ)、缺張(チェ-チャン)、缺子(チェーツ)、欠張(チェ-チャン)、欠子(チェーツ)ともいう。
※「欠」は「缺」の意味の字として昔から用いられている。しかし本来は「缺」は「瓶(缶)が夬(割)れる」、「欠」は「欠伸(あくび)」という意味の字で、もともと両者は無関係の字。
【打張(ターチャン)】打牌。
【大張(ターチャン)】 高い点への放銃牌。三元牌の意味で使われることもある。
【多門張(ターメンチャン)】4種以上の待ち牌のある聴牌。
【単張(タンチャン)】1枚の牌の意。単騎待ちではなく、手牌の中の孤立牌というニュアンスが強い。別名を宕張(タンチャン)ともいう。
【蕩張(タンチャン)】不要牌。さっき閑張(シァンチャン)のとこで、出てきたね。
【淡張(タンチャン)】自分には不要牌であるが、他家に必要と思われる牌。
【断張(タンチャン)】絶張(ぜっチャン)の別名。
【尖張(チェンチャン)】3と7の牌。
【吃張(チーチャン)】吃した牌、あるいは吃できる面子。
【七門張(チーメンチャン)】待ち牌が7種ある聴牌。手牌10枚で2型、13枚で79型。
チャオチャン【跳張(チャオチャン)】日本で云う「ちょんちょん(親が配牌と同時に第1ツモ牌も取得すること)。日本語と中国語の語感が似ているのが面白い。跳板(チャオパン)ともいう。
【釣張(チャオチャン)】辺張・嵌張・単騎など、一つ待ちをアガる事。吊張(チャオチャン)とも表記する。
【叫張(チャオチャン)】聴牌(テンパイ)の古名。叫張児(チャオチャンル)ともいう。
【張々可和(チャンチャンコホー)】九蓮宝灯の別名。どの牌でも(張々)アガれる(可和)、の意。
【張子(チャンツ)】単張、または面子の意。
【中張(ちゅうチャン)】2から8までの牌。日本では中張牌(ちゅうチャンパイ)と表現される。別にそれでもいいけど、張は牌と同義。そこで中張牌は「中の牌の牌」という意味になる。ま、馬から落ちて落馬したと云うようなものだ。(笑)
【出張(チューチャン)】打牌。
【突張(チューチャン)】順搭(シュンター)から1つ離れた数牌。たとえばとあるときの。
【清張(チンチャン)】清麻雀の別名。
【進張(チンチャン)】向聴(シャンテン)が進むための有効牌。
【畳張(ティエチャン)】のように、面子が一部重なっている2順子。
【頂張(ティンチャン)】1・5・9の牌。1と9が三角形の底辺の両端。5が頂点の牌というところか。
【聴張(ティンチャン)】聴牌の別名。
【中心張(ツォンシンチャン)】456の牌、あるいは3〜7の牌。
【独張(トーチャン)】単独牌。母ちゃん(卞張(カーチャン))には仲間がいるけど、父ちゃんは孤独。(笑)
【等張(トンチャン)】狭義には一向聴から聴牌になるときの有効牌、広義には聴牌の意。
【包十二張(パオシーアルチャン)】裸単騎に放銃した場合は責任払いという広東麻雀ルール。
【好張(ハオチャン)】一般的には3から7の牌。実戦的な意味では絶好牌。
【包九張(パオチューチャン)】清一色三副露(9枚)のとき、同種牌が包牌(責任払い)となるという広東麻雀ルール。
【半断張(パンタンチャン)】辺張・嵌張が零牌となっている時、その零牌が吃できる事。
【病張(ピンチャン)】超危険牌。
【平張(ピンチャン)】偶数牌(2468)。不要牌の意で使われることもある。
【活嵌張(フーかんチャン)】たとえばとあり、嵌を吃するとという順張が残る嵌張形。
【放張(ファンチャン)】放銃牌。禍張(フォーチャン)ともいう。う〜ん、禍(わざわ)いの牌とは、よく言った。(^-^)
【緩張(ファンチャン)】面子を作り易い牌(3〜7の牌)。決して緩(ぬる)い牌の意味ではない。(笑)
【不上張(プーシャンチャン)】上張(シャンチャン=有効牌)ではない、すなわち不要牌。
【不打一張(プターイーチャン)】打ってはいけない牌。
【不進張(プーチンチャン)】不要牌。
【辺張(ペンチャン)】3、または7の牌。あるいは、その辺搭子。
【回頭張(ホエトーチャン)】切ったあと、引き戻した有効牌。
【石並 張(ポンチャン)】ポンした牌。あるいはポンする予定の対子。むかしネット麻雀で筒子を3つポンしてで聴牌した。が出ると思っていたら、やっぱりが出た。喜んでクリックしたらポンパネルだった。(泣) 仕方ないのでを切っての単騎待ち....こういうのは没張(ぼっチャン)。。。。
【和張(ホーチャン)】アガリ牌。
【奔張(ほんチャン)】役作りの要(かなめ)となる牌。たとえば次のような手のとき、は三色同順の奔張となる。
日本ではKey 牌と表現されることが多いようだ。
【要張(ヤオチャン)】重要な牌。狭義には357、広義には3から7の牌。
【老張(ラオチャン)】老頭牌、または老頭牌待ちの聴牌。
【両頭張(リャントーチャン)】 延べ単。
【両門張(リャンメンチャン)】アガリ牌が2種ある聴牌。
【劉関張(リューカンチャン)】「劉関張」は三国志の義兄弟、劉備・関羽・張飛の意味。すなわち「張」は「牌」ではなくて人名。それが麻雀とどういう関係があるかというと、実は「劉・関・張」という中国役がある。
3数字連牌が、槓子・刻子・対子となっている形。対子・刻子・槓子の順でも可であるが、槓子が真ん中に来るものは不可。
【零張(リンチャン)】零牌(リンパイ)。
【露張(ルーチャン)】見せ牌。
【入張(ルーチャン)】有効牌が入ること。
【手合手 張(ルーチャン)】3と5が3枚切れの4。※PCで[手合手]という字を見つけられなかった...
【六門張(ローメンチャン)】待ち牌が6種ある聴牌。手牌10枚で30型、13枚で392型。
【王張(ワンチャン)】王牌。
【旺張(ワンチャン)】4人が4人とも欲しい牌。有効牌の意味でも使われる。
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