Laboratory 研究室

    (20)“ 張 ”の話


 リニューアル記念、第2弾。“子”の話に続いて“張”の話。
 ゲームに使う直接の用具を将棋はといい、囲碁はという。では麻雀はといえば、もちろん。この牌、本来は木札とか名札、あるいは看板という意味。で中国ではより(チャン)という字が用いられることが多かった。そこで麻雀用語にもの字がついた用語が多い。

 といってもの使用法に定義などない。そこでとか面子、あるいはルールなどいろんなの意味で用いられている。それも死語同然の古い用法もあれば、近年誕生した俗語といっていい用法もある。

 また同じ用語が異なった意味で使われたりもしている。とはいうものの、は基本的にはの意味で用いられている 。そこで分からない用語もと読み替えてみれば、まず意味は分かる。そんながつく用語の数々を(50音順)。

片仮名のルビは中国語読み、平仮名は日本語読みのもの。しかし中国語読みといってもあくまで便宜的というか、日本語的な発音。そこで中国人の前で発音しても絶対に通じないので、そのつもりで(笑)

一張(イーチャン)】1枚の牌。

一上張(イーシャンチャン)】向聴(シャンテン)がる(牌)、すなわち有効牌のこと。別名、一聴張(イーティンチャン)。

一門張(イーメンチャン)】単騎待ち/嵌張/辺張の総称。単騎待ちと嵌張/辺張は、厳密には内容が異なる(手牌と同じ牌を待つ型と、手牌に無い牌を待つ型)。しかし待ち牌が1つである聴牌は、すべて一門張。手牌4枚で1037型、手牌7枚で135型、10枚で765型、13枚で14067型。

引張(インチャン)】引っかけ牌(4を切って1待ちのときの4)。相手を“騙(だま)くらかす(名古屋弁(笑))牌。騙張(ピェンチャン)ともいう。

五門張(ウーメンチャン)】待ち牌が5種ある聴牌。手牌7枚で 11型、10枚で229型、13枚で1335型。

卞張(カーチャン)】嵌張の別名。“他家が必要と思われる牌”の意味でも使われる。

嵌張かんチャン)】“(牌)(は)める” から嵌張。嵌かん)は日本語読み。中国語の発音は嵌(チァン)なので、正式には “チンチャン” 。しかし日本人には “チンチャン” としか発音できない。(笑) そこで日本では “かんチャン” と発音する。しかし最近の最近の日本の麻雀書には、間張(かんチャン)という表記もある。厳密には “嵌(は)める” と “間(あいだ)” では少し意味が違う。しかしその方が日本人には わかりやすいかも。

坎張(カンチャン)】嵌張と同じ意味。こっちは正真正銘 “カンチャン” との発音する。「坎カン」は “連係” というような意味の字だ。

艱張(かんチャン)】対子 または搭子のうち、切り出された1枚。

光張(かんチャン)】広義には34567の牌、狭義には357の牌を指す。光張は、光輝くくらい重要な牌というほどの意。日本では要張(ヤオチャン)と表現することが多い。広い意味で要張も間違いではないが、要張には有効牌の意味もある。

九門張きゅうメンチャン)】待ちち牌が9種類ある聴牌。いうまでもなく、九蓮宝灯のみ可能な聴牌。

孤張(クーチャン)】単独牌の意。

堅張けんチャン)】自分に必要か不必要かに関係なく、絶対切る気のない牌

双絶張(シャンぜっチャン)】待ち牌8枚のうち、7枚が出切れている順搭(シュンター=両面搭子)。

号張(ゴーチャン)】他家の動きをさぐるため、切られる牌。試(ため)しに切られる牌なので試張(シーチャン)とも云う。

過張(コーチャン)】早い巡目に切られている牌。もちろんロッキードとは、何の関係もない。(笑)

巧張こうチャン)】役作りに非常に役に立つ牌、たとえば七萬八萬九萬七筒八筒九筒とあるところへ引いた九索など。“巧”の中国音は “チャオ” であるが、“チャオチャン” はやはり日本人には発音しにくい。

三門張サンメンチャン)】待ち牌が3種ある聴牌。清一色においては、手牌4枚で12型、7枚で248型、10枚で1797型、13枚で6739型。

閑張シァンチャン)】放蕩息子のように、不要な牌。そこで蕩張(タンチャン)とも言う。平張(ピンチャン)と表現されることもある。

険張シァンチャン)】超危険牌。

十三張法シーサンチャンほう)】現在は壁牌を上下2段に積む。しかし昔は上下ではなく、ベタに2段列並べた。このベタに並べる方式の名前。単牌式(たんぱいしき)ともいう。

小張(シャオチャン)】点数の低いアガリへの放銃牌。

双張シャンチャン)】双 石並(シャンポン)のこと。

上張シャンチャン)】一上張(イーシャンチャン)と同じ。すなわち向聴の上がる有効牌。進張(チンチャン)とか要張(ヤオチャン)ともいう。

続張シューチャン)】順搭。順張(シュンチャン)ともいう。

首張(シューチャン)】狭義には親の第1打牌、広義には各家の第1打牌。

熟張(ショーチャン)】熟牌の別名。

生張(ションチャン)】生牌の別名。

新張(シンチャン)】台湾で行われている手牌16枚の花麻雀の総称。

行張(シンチャン)】配牌から最終打牌までの全行程。

心張(シンチャン)】数牌の5。「心」は中心の意。

随張(スイチャン)】上家と同一牌、同類、同筋の牌を打ち出すこと。日本では「合わせ打ち」と言う。

死嵌張(スーかんチャン)】他の牌と関連の無い嵌張型。

四門張(スーメンチャン)】待ち牌が4種ある聴牌。手牌7枚で64型、10枚で622型、13枚で2948型。

死張(スーチャン)】字牌のポンカス、または2、8が出切れているときの1、9。

四付単一張(スーフータンイーチャン)】4面子が完成して単騎待ちで聴牌。

重牌(ズンチャン)】役牌。中国語では「チョンチャン」なのに、日本では「ズンチャン」と発音する。「重」はアルファベットで「ZONG(チョン)」と表記されるが、どうもこれを「ズン」と発音すると勘違いしたためらしい。まぁ、「チョンチャン」より「ずんチャンチャン」の方が重々しいので文句を言う気はない。(笑)

絶張ぜっチャン)】純粋な辺張、嵌張の待ち牌となっているラス牌(3枚切れの数牌)。あるいは待ち牌が3枚切れになっている純粋な辺搭子、嵌搭子。これも中国語では「チェチャン」だが、一般の日本人にはなかなか発音しにくい。別名を絶子(チェーツ)、缺張(チェ-チャン)、缺子(チェーツ)、欠張(チェ-チャン)、欠子(チェーツ)ともいう。
※「欠」は「缺」の意味の字として昔から用いられている。しかし本来は「缺」は「瓶(缶)が夬(割)れる」、「欠」は「欠伸(あくび)」という意味の字で、もともと両者は無関係の字。

打張(ターチャン)】打牌。

大張(ターチャン)】 高い点への放銃牌。三元牌の意味で使われることもある。

多門張(ターメンチャン)】4種以上の待ち牌のある聴牌。

単張(タンチャン)】1枚の牌の意。単騎待ちではなく、手牌の中の孤立牌というニュアンスが強い。別名を宕張(タンチャン)ともいう。

蕩張(タンチャン)】不要牌。さっき閑張(シァンチャン)のとこで、出てきたね。

淡張(タンチャン)】自分には不要牌であるが、他家に必要と思われる牌。

断張(タンチャン)】絶張(ぜっチャン)の別名。

尖張(チェンチャン)】3と7の牌。

吃張(チーチャン)】吃した牌、あるいは吃できる面子。

七門張(チーメンチャン)】待ち牌が7種ある聴牌。手牌10枚で2型、13枚で79型。

チャオチャン【跳張(チャオチャン)】日本で云う「ちょんちょん(親が配牌と同時に第1ツモ牌も取得すること)。日本語と中国語の語感が似ているのが面白い。跳板(チャオパン)ともいう。

釣張(チャオチャン)】辺張・嵌張・単騎など、一つ待ちをアガる事。吊張(チャオチャン)とも表記する。

叫張(チャオチャン)】聴牌(テンパイ)の古名。叫張児(チャオチャンル)ともいう。

張々可和(チャンチャンコホー)】九蓮宝灯の別名。どの牌でも(張々)アガれる(可和)、の意。

張子(チャンツ)】単張、または面子の意。

中張ちゅうチャン)】2から8までの牌。日本では中張牌ちゅうチャンパイ)と表現される。別にそれでもいいけど、張は牌と同義。そこで中張牌は「中の牌の牌」という意味になる。ま、馬から落ちて落馬したと云うようなものだ。(笑)

出張(チューチャン)】打牌。

突張(チューチャン)】順搭(シュンター)から1つ離れた数牌。たとえば五萬六萬八萬とあるときの八萬

清張(チンチャン)】清麻雀の別名。

進張(チンチャン)】向聴(シャンテン)が進むための有効牌。

畳張(ティエチャン)】四筒五筒六筒六筒七筒八筒のように、面子が一部重なっている2順子。

頂張(ティンチャン)】1・5・9の牌。1と9が三角形の底辺の両端。5が頂点の牌というところか。

聴張(ティンチャン)】聴牌の別名。

中心張(ツォンシンチャン)】456の牌、あるいは3〜7の牌。

独張(トーチャン)】単独牌。母ちゃん(卞張(カーチャン))には仲間がいるけど、父ちゃんは孤独。(笑)

等張(トンチャン)】狭義には一向聴から聴牌になるときの有効牌、広義には聴牌の意。

包十二張(パオシーアルチャン)】裸単騎に放銃した場合は責任払いという広東麻雀ルール。

好張(ハオチャン)】一般的には3から7の牌。実戦的な意味では絶好牌。

包九張(パオチューチャン)】清一色三副露(9枚)のとき、同種牌が包牌(責任払い)となるという広東麻雀ルール。

半断張(パンタンチャン)】辺張・嵌張が零牌となっている時、その零牌が吃できる事。

病張(ピンチャン)】超危険牌。

平張(ピンチャン)】偶数牌(2468)。不要牌の意で使われることもある。

活嵌張(フーかんチャン)】たとえば一萬二萬三萬三萬とあり、嵌二萬を吃すると二萬三萬という順張が残る嵌張形。
 
放張(ファンチャン)】放銃牌。禍張(フォーチャン)ともいう。う〜ん、禍(わざわ)いの牌とは、よく言った。(^-^)

緩張(ファンチャン)】面子を作り易い牌(3〜7の牌)。決して緩(ぬる)い牌の意味ではない。(笑)

不上張(プーシャンチャン)】上張(シャンチャン=有効牌)ではない、すなわち不要牌。

不打一張(プターイーチャン)】打ってはいけない牌。

不進張(プーチンチャン)】不要牌。

辺張(ペンチャン)】3、または7の牌。あるいは、その辺搭子。

回頭張(ホエトーチャン)】切ったあと、引き戻した有効牌。

石並 張(ポンチャン)】ポンした牌。あるいはポンする予定の対子。むかしネット麻雀で筒子を3つポンして六筒六筒一筒一筒で聴牌した。一筒が出ると思っていたら、やっぱり一筒が出た。喜んでクリックしたらポンパネルだった。(泣) 仕方ないので六筒を切って六筒の単騎待ち....こういうのは没張(ぼっチャン)。。。。

和張(ホーチャン)】アガリ牌。

奔張ほんチャン)】役作りの要(かなめ)となる牌。たとえば次のような手のとき、二萬は三色同順の奔張となる。
東南南一索二索三索一筒三筒二萬五索六索八萬九萬
日本ではKey 牌と表現されることが多いようだ。

要張(ヤオチャン)】重要な牌。狭義には357、広義には3から7の牌。

老張(ラオチャン)】老頭牌、または老頭牌待ちの聴牌。

両頭張(リャントーチャン)】 延べ単。

両門張(リャンメンチャン)】アガリ牌が2種ある聴牌。

劉関張(リューカンチャン)】「劉関張」は三国志の義兄弟、劉備・関羽・張飛の意味。すなわち「張」は「牌」ではなくて人名。それが麻雀とどういう関係があるかというと、実は「劉・関・張」という中国役がある。

裏向き五索五索裏向き 六索六索六索 七索七索

 3数字連牌が、槓子・刻子・対子となっている形。対子・刻子・槓子の順でも可であるが、槓子が真ん中に来るものは不可。

零張(リンチャン)】零牌(リンパイ)。

露張(ルーチャン)】見せ牌。

入張(ルーチャン)】有効牌が入ること。

【手合手 張(ルーチャン)】が3枚切れの4。※PCで[手合手]という字を見つけられなかった...

六門張(ローメンチャン)】待ち牌が6種ある聴牌。手牌10枚で30型、13枚で392型。

王張(ワンチャン)】王牌。

旺張(ワンチャン)】4人が4人とも欲しい牌。有効牌の意味でも使われる。

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