(08)落ちた嶺上牌 (月刊近代麻雀・昭和61年3月号)
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嶺上牌をおろす前にこぼれてが見えてしまいました。よくあることなので、そのままゲームを始めました。ところがAがメンゼンの手でを明カンし、嶺上開花だけでアガってしまいました。
Aの待ちは場に2枚出ているただの嵌でした。クレームをつけたところ、そしてAは「『利用できるなら、してみろ』ってみんないつも云ってるじゃないか」といいました。
しかしこぽれた嶺上牌をそのままにしてゲームを始めたということは、誰もそれを悪用しないという不文律があるからだと思うのです。このような場合、ペナルティはないのでしょうか。またもしペナルティはないとしたら、牌がこぼれ落ちて見えてしまった場合、今後とのようにすべきでしょうか。(京都・橋○克司)
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「こぽれた嶺上牌をそのままにして...」というのは、“こぼれ落ちた嶺上牌を、元の位置に置き直しただけ”でゲームを進行したということですね。
ところで質問にある「不文律」という表現ですが、これは一般的に「合意されているが、文章にはなっていない取り決め」を意味します。合意事項なので、文章になっていなくても関係者の間では強制力があります。
しかし麻雀でそのような不文律は聞いたことがありません。また日本には十指にあまる麻雀団体がありますが、それ等の団体においても、そのような不文律は聞いたことがありません。もちろん一般的ではなくても、橋○さんのグループでそのような不文律があれば、Aさんのアガリはそれに反することになり、認められないことになります。
しかし橋○さんのグループにそのような不文律があれば、今回のケースは疑問の余地なくおさまりがついていた筈です。しかし疑問を残したという事は、橋○さんのグループでも、そのような不文律はなかったということになります。となればAさんがたまたま見えてしまった嶺上牌で上がっても、何のペナルティも発生しないことになります。
また「見えたことを“悪用”して」という点についてですが、見えたことを記憶しておくことを“悪用”というのは行き過ぎのように思えます。
では今回のケースはともかくとして、今後、落牌にはどのように対処すべきでしょうか。もちろん第一には、そもそも嶺上牌がこばれ落ちることを防ぐために、開門後、配牌に取りかかる前に嶺上牌を降ろすようにします。
それでも開門動作中などにこぼれ落ちてしまった場合、そのまま元の位置に置き直して進行するのをどうしても避けたいのであれば、落ちた嶺上溝とその辺りの牌を一緒にかきまぜた後、嶺上牌を作り直すということをすれば良いと思います。
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