は3つの○が左上から右下にむかって斜め、つまりサイコロとは逆の並びになっている。その理由について「その方が盲牌するときに分かり易いから」なんてことを書いてある本もある。ウソかホントか知らないが、どうも眉唾くさい。。。。
それはともかくとして、製造数は少ないがサイコロと同じ並びになっている3筒だってある(3つの○が右上から左下にむかって斜めになっている)。云うなら、逆流れの3筒。
で、はとを上下にに組み合わせたデザイン。そこで3筒が逆流れになっている牌は、7筒の上部の小3筒も逆流れになっている。どうしてこんな逆流れの牌が作られたのか。これは麻雀ゲームの世界伝搬と関係がある。
1920年代、麻雀は世界的に流行した。麻雀牌はどんどん造られ、中国から世界中に輸出された。しかし日本人はいいが、欧米人は漢字が読めない。そこで字牌・万子をはじめすべての牌の左肩に、数字、またはアルファベットのインデックスが小さく刻印された。ところがここで一つ問題が起きた。
とか、あるいはとかなどはいい。しかしとは左肩の上部にまで筒子が刻印されているので、インデックスを刻印するスペースがない。
それでも最初のうちは、そのせまいスペースに一所懸命インデックスを彫っていたが、そのうち頭のいい奴が考えた。
「別にが右流れである必要はないんじゃないか」
そこである時期から左肩にインデックスが刻印しやすい左流れの牌が輸出用として造られるようになった。
しかしここで疑問が起きる。
「インデックスの刻印スペースが問題ならば、左肩ではなく右肩に刻印すれば済むことじゃないか。もし だけ右肩ではおかしいというなら、全部右肩にすればいい」。たしかにそれはその通り。ところがそれは不可というもっともな理由があった。
麻雀より世界的に普及し、愛好されているのはトランプ(CARD)。そのトランプのインデックスはすべて左肩に記すのが世界標準。その流れで、麻雀のインデックスも左肩以外、考えられなかったのである。ではどうしてトランプのインデックスは左肩に記すのが世界標準かといえば、これは人間の多くが右利きであるせい。
右利きの人間はカードを左手に持つ。そして重ねたカードを右手の親指で抑えて右側に扇形に開く。これで各カードの左肩が露出するから、そこにインデックスがあれば、各カードの種類が一目瞭然となるわけだ。その流れで、インデックスは左肩に記すのが世界標準となってしまった。
現在でも左肩にインデックスが入った輸出用の牌は製造されている。しかし現在では手彫り牌がまったく消滅した事と技術の発達により、刻印スペースの問題はなくなっている。そこで逆流れの3筒・7筒が造られることもなくなった。
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