History 歴史

    (24)今上陛下の麻雀


 普通、遊びというものは、まず庶民レベルに普及して行くのが普通である。しかし麻雀は日本に伝来したとき、いわゆる上流階級から普及した。日本麻雀連盟といえば日本でもっとも古い麻雀団体。その設立者である空閑緑(くがみどり)が、まだ設立前の東京麻雀会の時代、華族の家に麻雀教授に赴いていたのは有名な話である。

 日本に麻雀が伝来したのには、おおきく分けて3つのルートがある。一つは北京在住の日本人による北方ルート。二つ目は上海を中心にした中支ルート。そして最後は日米中を結ぶ太平洋航路のルートである。なにせ日米中を結ぶ太平洋航路、1ト月以上あるからやることがない。そこで船上ではおおいに麻雀が人気を博した。

 上海へ渡航した日本人といってもピンからキリまでいろいろあっただろうけれど、中国で仕事をしようというくらいだから、基本的には裕福階級。ましてや太平洋航路となれば、乗客はたぶん上流階級ばっかり。そういう人が麻雀を覚えたのだから、日本でも当初は上流階級から普及したというのも理解できる。

 そんな状況の中、今上陛下も皇太子時代に船に乗ってアメリカへ行った。これはその船中で、アメリカ婦人と麻雀を楽しまれるスナップ。

*麻雀博物館に、立派な額入りで掲示してある。

これは1953年4月2日、エリザベス2世の戴冠式に昭和天皇のご名代として参列するため、アメリカ経由でゆくとき、プレジデント・ウイルソン号に乗船され、同船上で楽しまれたもの。いや、どこかのプロに爪の垢でも煎じて飲ませたいくらい姿勢がいい。(^0^)V
#これを見ると、今上陛下はサウスポーみたいだが、そうなのかな?

 いずれにしても、当時、太平洋航路において麻雀が盛んに楽しまれたという歴史を証明する貴重な資料である。 

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