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    (12)花牌余談


 一口に花牌と言ってもいろんな種類がある。今日は、中国南方系の花牌の話。
 中国南方系の花牌には「皇/后」という種類がある。皇は皇帝、后は皇帝の后という意味だ。「皇」は「一皇・二皇・三皇・四皇」と4枚ある。「后」も同様に4枚で、合計8枚である。

 中国で南方といえば、香港よりは南のほう。さらにさがってベトナムまでも含む。そこで現在でもベトナム製の麻雀牌には「皇・后」という花牌が入っている。残念ながら南支で麻雀を打ったことがないので、この皇・后という花牌がどのように使われるのかよくワカラン。

 一説にはジョーカーのようにオールマイティ牌として使われるのではないかという。しかしそうなるとオールマイティ牌が8枚あることになり、配牌と同時に全員テンパイかアガリになってしまう気がする。やはり普通の花牌のように、1枚引いてくると横に出しておき、アガったとき何点かプラスするという方法で用いられるのだと思ふ。

 南方(あるいはベトナム)の麻雀牌には、この他に「合・元・喜・花」「総・萬・筒・索」という花牌が入っている場合がある。実はこれこそ本当にオールマイティ牌。どうやら「合」と「総」は数牌の、「元」は三元牌、「喜」は風牌、「花」は花牌、「萬」は萬子、「筒」は筒子、「索」は索子専用のオールマイティ牌だと思われる。

 それぞれ1枚しかないし、専用だからすべてにオールマイティというわけではない。しかし合計8枚ともなれば、単純に言ってアガリっこの競争みたいな麻雀になりそう。う〜ん、所変われば品変わる、としか言いようがない。

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